[{"data":1,"prerenderedAt":3601},["ShallowReactive",2],{"articles-series-library-architecture":3},[4,422,1131,1401,1685,1969,2392,2818,3269],{"id":5,"title":6,"author":7,"body":8,"category":366,"cover_image":367,"created_at":368,"description":369,"extension":370,"faq":371,"featured":384,"meta":385,"navigation":386,"path":387,"published":386,"related_lp":388,"seo":389,"series":390,"slug":391,"sources":392,"stem":411,"tags":412,"updated_at":368,"__hash__":421},"articles\u002Farticles\u002Farchitect-tadao-ando-libraries.md","安藤忠雄、本の森をつくる｜光と打ち放しコンクリートで「子どもに本と出会う場所」を全国へ","自習室比較ナビ編集部",{"type":9,"value":10,"toc":343},"minimark",[11,15,18,25,30,33,36,40,43,46,52,56,59,62,65,71,74,77,80,86,90,93,96,99,103,106,112,116,119,122,126,129,135,138,142,145,148,151,155,158,161,164,169,172,175,178,181,185,188,194,197,200,206,210,213,216,219,222,225,228,231,234,237,241,257,260,263,266,269,272,275,279,282,285,337],[12,13,14],"p",{},"大阪・中之島。堂島川と土佐堀川に挟まれた細長い島の、緑あふれる公園の一角に、弓なりに反った打ち放しコンクリートの建物が立っています。中に入ると、天井まで届く本棚が壁という壁を埋め尽くし、子どもたちが床に座り込んで本を開いています。ここは「こども本の森 中之島」。設計したのは、世界的建築家・安藤忠雄です。",[12,16,17],{},"驚くのは、この建物を安藤が自らの費用で建て、大阪市に寄贈したという事実です。プロボクサーから独学で身を立て、世界中に名建築を残してきた巨匠が、八十歳を前にして、子どもたちのための「本の森」を全国に増やし続けている。この特集では、安藤忠雄という建築家の歩みと思想をたどりながら、彼がなぜ本の空間にこれほど心を傾けるのかを、各地の写真とともに見ていきます。",[19,20],"photo",{"caption":21,"credit":22,"href":23,"src":24},"こども本の森 中之島（2020年開館）。中之島公園に立つ、安藤忠雄設計の子どものための図書空間。","KishujiRapid \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Nakanoshima_Children%60s_Book_Forest.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fnakanoshima-bookforest-exterior-1.jpg",[26,27,29],"h2",{"id":28},"拳から建築へ独学の建築家安藤忠雄","拳から建築へ——独学の建築家、安藤忠雄",[12,31,32],{},"安藤忠雄は1941年、大阪に生まれました。その経歴は、建築家としては異例づくしです。",[12,34,35],{},"高校生の頃、安藤はプロボクサーのライセンスを取得します。「グレート安藤」というリングネームで戦い、わずか一年半ほどでリングを去りました。経済的な事情から大学には進めず、建築は完全な独学で学びます。建築学科の学生が四年かけて学ぶ内容を、安藤は古本屋で買い集めた専門書を頼りに、独力で吸収していきました。",[37,38,39],"h3",{"id":39},"ガンジス川のほとりで",[12,41,42],{},"二十代の半ば、安藤は貨客船と鉄道を乗り継いで、ヨーロッパ、アフリカ、アジアを放浪します。その旅で、近代建築の巨匠ル・コルビュジエの作品に直接触れ、強い衝撃を受けました。コルビュジエが操る光と影、そして打ち放しコンクリートの力強さは、のちの安藤建築の核になっていきます。インドのベナレス（ヴァラナシ）でガンジス川のほとりに座り込み、生と死が混在する光景を前に、自分の生き方を見つめ直したという挿話も、たびたび語られています。",[12,44,45],{},"1969年、安藤は大阪に「安藤忠雄建築研究所」を設立します。学歴も人脈もない一人の青年が、独学と旅で得たものだけを武器に、建築の世界へ飛び込んだのです。",[19,47],{"caption":48,"credit":49,"href":50,"src":51},"建築家・安藤忠雄。プロボクサーから独学で世界的建築家へと歩んだ異色の経歴を持つ。","Christopher Schriner \u002F CC BY-SA 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Tadao_Ando_2004.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Ftadao-ando-portrait-1.jpg",[37,53,55],{"id":54},"世界が認めた光の建築家","世界が認めた「光の建築家」",[12,57,58],{},"安藤の名を世界に知らしめたのは、コンクリートと光が織りなす一連の作品でした。",[12,60,61],{},"1976年の「住吉の長屋」は、間口の狭い都市住宅の真ん中に、屋根のない中庭を大胆に差し込んだ住宅です。雨の日は傘をさして部屋を移動しなければならない——その不便さを承知のうえで、住まいの中に「自然」を引き入れた。この作品で安藤は1979年に日本建築学会賞を受け、建築界に鮮烈な印象を残します。",[12,63,64],{},"1989年の「光の教会」（茨木）は、安藤建築の象徴と言える一作です。コンクリートの壁に十字形のスリットを切り、そこから差し込む光だけが、暗い礼拝堂に十字架を浮かび上がらせる。光そのものを建築の主役にしてみせたこの教会は、いまも世界中の建築を学ぶ人々の巡礼地になっています。",[19,66],{"caption":67,"credit":68,"href":69,"src":70},"光の教会（茨木・1989年）。コンクリートの闇に、光だけで十字架を描き出す安藤建築の代表作。","antjeverena \u002F CC BY-SA 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Church_of_the_Light_exterior.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fchurch-of-the-light-exterior-1.jpg",[12,72,73],{},"そして1995年、安藤は建築界で最も権威ある賞とされるプリツカー賞を受賞します。1997年には英国王立建築家協会（RIBA）のゴールドメダルを受け、同じ年に東京大学教授に就任しました。独学の建築家が、世界の頂点と、最高学府の教壇の両方に立ったのです。",[12,75,76],{},"安藤建築の特徴は、いくつかの言葉でまとめられます。打ち放しコンクリートの精緻な肌。円・直線・三角形といった明快な幾何学。そして何より、自然光を劇的に取り込み、光と影で空間を彫刻すること。建物を地中に埋め、水や緑や空を建築の一部に取り込む——人工物でありながら、自然との対話を絶やさない。それが安藤の流儀です。",[12,78,79],{},"2006年には、表参道の緩やかな坂に沿ってスロープがらせん状に下りていく商業施設「表参道ヒルズ」を手がけ、都市の中での建築のあり方にも答えを示しました。",[19,81],{"caption":82,"credit":83,"href":84,"src":85},"表参道ヒルズ（2006年）。表参道の勾配に合わせ、スロープ状の吹き抜けが内部を貫く。","Jean-Pierre Dalbéra \u002F CC BY 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:L%27int%C3%A9rieur_du_centre_commercial_Omotesando_Hills_(Tokyo,_Japon)_(41893745325).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fomotesando-hills-interior-1.jpg",[26,87,89],{"id":88},"なぜ本の森なのか後悔から生まれた贈り物","なぜ「本の森」なのか——後悔から生まれた贈り物",[12,91,92],{},"世界的な名声を得た安藤が、近年とりわけ力を注いでいるのが、子どものための図書空間「こども本の森」です。なぜ、本なのでしょうか。",[12,94,95],{},"その答えは、安藤自身の子ども時代にあります。安藤は、本を読んだり音楽を聴いたりという経験をほとんどしないまま育ったと振り返っています。だからこそ、大人になってから「もっと早く本に出合いたかった」と後悔した。夏目漱石を読んだとき、「これを十代で読んでいたら、もっと想像力の豊かな人間になれたのではないか」と感じたとも語っています。自分が得られなかったものを、次の世代の子どもたちには手渡したい——「こども本の森」は、その思いから生まれた贈り物なのです。",[12,97,98],{},"安藤が好んで掲げるモチーフに「青リンゴ」があります。これはサミュエル・ウルマンの詩「青春」に着想を得たもので、熟しきって落ちるのではなく、青いまま挑戦し続ける心の象徴です。中之島のこども本の森のエントランスにも、この青リンゴのオブジェが置かれています。子どもにも、そして大人にも、「いつまでも青く、挑み続けよ」と語りかけているかのようです。",[26,100,102],{"id":101},"こども本の森-中之島壁一面が本になる2020年","こども本の森 中之島——壁一面が、本になる（2020年）",[12,104,105],{},"「こども本の森 中之島」は2020年7月にオープンしました。安藤が構想を発表したのは2017年。その第一弾が、安藤の地元・大阪の中之島に実現したのです。",[19,107],{"caption":108,"credit":109,"href":110,"src":111},"こども本の森 中之島の正面。弓なりに反ったコンクリートの壁が、川沿いの公園に呼応する。","まぐろのふらい \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%A3%AE_%E4%B8%AD%E4%B9%8B%E5%B3%B6(%E6%AD%A3%E9%9D%A2).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fnakanoshima-bookforest-exterior-2.jpg",[37,113,115],{"id":114},"本に包囲されるという体験","本に「包囲される」という体験",[12,117,118],{},"この建物の中に入った人がまず驚くのは、壁という壁が本で埋め尽くされていることです。床から天井まで、すべてが本棚。子どもは本に物理的に包囲され、見上げても見回しても、視界のすべてが本になります。",[12,120,121],{},"高い場所の本には手が届かないのでは、という心配は無用です。安藤は、上の段と下の段に同じ本を複数置くという工夫を凝らしました。高い棚の本は「眺めて憧れるためのもの」、低い棚の本は「実際に手に取るためのもの」。本に囲まれる感覚と、手の届く現実とを、巧みに両立させています。1階の奥には天井から光が差し込む空間があり、本の絵や言葉が映し出されます。読書という体験そのものを、建築でドラマに変えているのです。",[37,123,125],{"id":124},"知の集まる島中之島","知の集まる島、中之島",[12,127,128],{},"立地もまた、意味を帯びています。中之島は、重要文化財の大阪府立中之島図書館や、大阪市中央公会堂といった歴史的な文化施設が集まる「知の島」です。そのただ中に子どものための本の森を置くことで、過去から受け継がれてきた知の集積に、未来を担う子どもたちを接続する。安藤の都市への眼差しが、ここにも表れています。",[19,130],{"caption":131,"credit":132,"href":133,"src":134},"同じ中之島に立つ大阪府立中之島図書館（重要文化財）。歴史的な知の集積地に、こども本の森が加わった。","掬茶 \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Facade_of_Osaka_Prefectural_Nakanoshima_Library.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fnakanoshima-library-exterior-1.jpg",[12,136,137],{},"運営面でも工夫があります。中之島の指定管理は、図書館流通センター（TRC）などの共同事業体が担い、選書はブックディレクターとして知られる幅允孝が監修しています。「子どもがどんな本と出会うか」という最も大切な部分に、本のプロの目が入っているのです。",[26,139,141],{"id":140},"建てて贈るという方法論","「建てて、贈る」という方法論",[12,143,144],{},"こども本の森を語るうえで欠かせないのが、安藤独特の「寄贈」という方法論です。",[12,146,147],{},"ふつう、公共の図書施設は自治体が予算を組んで建てます。ところが安藤は、自ら設計し、建設費を私財で負担して建物を完成させ、それを自治体や大学に寄贈するのです。さらに、運営にかかる費用についても、安藤自身が旗振り役となって企業や個人から寄付を募ります。建築家が、設計図を描くだけでなく、お金を集め、社会の仕組みごとつくってしまう。これは、建築家の役割を大きく踏み越えた挑戦です。",[12,149,150],{},"安藤は、この「贈る」という行為を、本の森だけにとどめていません。東京湾のゴミの埋立地を森に変える「海の森」プロジェクトの旗振り役を務め、大阪では桜並木を増やす植樹運動を率い、瀬戸内では産業廃棄物で荒れた島々の自然を回復させる基金を立ち上げました。建築という枠を越えて、安藤は「次の世代に何を残すか」を問い続けています。こども本の森は、その大きな営みの、最も愛らしい結晶なのです。",[26,152,154],{"id":153},"全国へ広がる本の森","全国へ広がる、本の森",[12,156,157],{},"第一弾の中之島は、決して一度きりの試みではありませんでした。安藤の本の森は、いまも全国へと広がり続けています。",[12,159,160],{},"遠野（岩手・2021年）は、第二弾として開館しました。かつて商家だった建物の梁や柱を一部に生かし、土地の記憶と本の森を結びつけています。",[12,162,163],{},"神戸（2022年）は、街なかの公園「東遊園地」に隣接して建てられました。最大で約二万五千冊を収め、本は十五ほどの大きなテーマで分類されています。震災を経験した街に、子どもたちが本と過ごせる新しい居場所が加わりました。",[19,165],{"caption":166,"credit":22,"href":167,"src":168},"こども本の森 神戸（2022年開館）。街なかの公園に隣接し、約2万5千冊を収める。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Kobe_Children%E2%80%99s_Book_Forest.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fkobe-bookforest-exterior-1.jpg",[12,170,171],{},"熊本（2024年）は、九州で初めての本の森です。県立図書館の隣に建ち、吹き抜けの大階段に沿って約一万冊が並びます。天井には熊本県産のヒノキが使われ、木の香りが空間を満たします。本を屋外の公園へ持ち出して、江津湖の水辺で読むこともできる。建築と自然と本とが、地続きにつながっています。",[12,173,174],{},"松山（2025年）は、既存の「坂の上の雲ミュージアム」に、子どものための図書空間を増築するかたちで生まれました。司馬遼太郎の小説にちなむ施設に本の森が加わるのは、後で触れる司馬遼太郎記念館とも響き合う符合です。",[12,176,177],{},"そして2026年夏には、北海道大学の構内に「こども本の森 札幌・北大」が開館を予定しています。大学のキャンパスに子どもの本の森が置かれるのは初めてで、本の森は「大学連携型」という新しい段階へと進もうとしています。さらに香川県では、安藤が寄贈した小型船を使い、瀬戸内の島々を巡る「こども図書館船」も動き出しました。離島の子どもたちのもとへ、本そのものが海を渡って会いに行く。本の森は、建物という形すら超えはじめているのです。",[12,179,180],{},"中之島から始まり、遠野、神戸、熊本、松山、そして札幌へ。本の森は、安藤が描く「次の世代への贈り物」が、確かに日本中へ根を張りつつあることを示しています。",[26,182,184],{"id":183},"司馬遼太郎記念館闇に灯る本の壁2001年","司馬遼太郎記念館——闇に灯る、本の壁（2001年）",[12,186,187],{},"安藤と本の空間との関わりは、こども本の森より前にさかのぼります。その原点とも言えるのが、2001年に開館した司馬遼太郎記念館（東大阪）です。",[19,189],{"caption":190,"credit":191,"href":192,"src":193},"司馬遼太郎記念館（2001年開館）。作家の自宅に隣接して建てられた、安藤忠雄設計の記念館。","PlusMinus \u002F CC BY-SA 3.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:ShibaRyotaroMemorialMuseum.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fshiba-memorial-exterior-1.jpg",[12,195,196],{},"作家・司馬遼太郎の自宅に隣接して建てられたこの記念館の中心には、高さおよそ十一メートル、三層吹き抜けの巨大な書架があります。そこに約二万冊の本が壁となって並ぶ光景は、訪れる人を圧倒します。司馬の膨大な蔵書に物理的に包み込まれる感覚は、後のこども本の森の「壁一面の本」へとつながる発想の源と言えるでしょう。",[12,198,199],{},"安藤はこの空間を、「蔵書で囲われて、闇に包み込まれたような、かすかな光の空間」として構想しました。入口から奥へ進むほど光を絞り、薄暗がりのなかに本の壁がそびえる。そこへステンドグラスの窓から一筋の光が差し込みます。安藤は、その光を「作家が作品に込めた未来への希望」になぞらえました。暗闇と、そこに灯る光。光の教会で見せた安藤の主題が、ここでは「本と作家」をめぐって繰り返されているのです。",[19,201],{"caption":202,"credit":203,"href":204,"src":205},"司馬遼太郎記念館の館内。蔵書に囲まれた空間に、絞られた光が差し込む。","Yuki Yaginuma \u002F CC BY-SA 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Shiba_Ryotaro_Memorial_Museum_study_Nov_1%2C_2008.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fando-kodomo\u002Fshiba-memorial-interior-1.jpg",[26,207,209],{"id":208},"何がこれほど人を惹きつけるのか","何が、これほど人を惹きつけるのか",[12,211,212],{},"安藤がつくる本の空間には、ふつうの図書館とは違う、独特の引力があります。その正体を、いくつかに分けて考えてみます。",[12,214,215],{},"ひとつは、スケールがもたらす体験です。壁一面の本、十一メートルの書架。本に「囲まれる」のではなく「包囲される」その圧倒的な物量は、本という存在を頭で理解するのではなく、身体で感じさせます。とりわけ子どもにとって、自分の背丈の何倍もの本の壁は、世界の広さそのものに見えるはずです。",[12,217,218],{},"ふたつめは、光の演出です。円筒形のトップライトから降りそそぐ光、ステンドグラスから差す一筋の光、絞られた闇。安藤は読書という静かな行為を、光と影のドラマの中に置き直します。本を読むことが、空間を体験することと一体になる。これは打ち放しコンクリートと光を操ってきた安藤だからこそ描ける景色です。",[12,220,221],{},"みっつめは、本と自然、本と街とのつながりです。熊本では本を公園へ持ち出して水辺で読め、中之島では川と歴史的建築に囲まれ、図書館船では本が海を渡ります。本を閉じた室内に閉じ込めず、自然や街の中へ開いていく。「本のある暮らし」を、建築のスケールで提案しているのです。",[12,223,224],{},"そして根底にあるのは、子どもへのまなざしです。安藤は「幼い頃から本を読んで、豊かな感性や想像力を育んでほしい」「元気よく自由に世界へ羽ばたいてほしい」と繰り返します。本の森は、その願いを建築という形に翻訳したものにほかなりません。",[26,226,227],{"id":227},"闘い続ける建築家",[12,229,230],{},"安藤忠雄は、二度のがんを患い、複数の臓器を失いながらも、世界中を駆け巡り、設計と講演と社会活動を続けています。八十歳を過ぎてなお、新しい本の森を構想し、寄付を募り、未来の子どもたちのために手を動かし続ける。その姿は、彼が掲げる「青リンゴ＝永遠の青春」そのものです。",[12,232,233],{},"拳ひとつから出発し、独学で世界の頂点に立った建築家は、いまその力のすべてを「次の世代に本と出会う場所を残す」ことに向けています。コンクリートと光でつくられた本の森は、訪れる子どもたちの記憶に、きっと一生消えない一冊との出会いを刻んでいくでしょう。",[12,235,236],{},"中之島の本の森の前に立つとき、私たちが見ているのは、一人の建築家の到達点であると同時に、未来へ手渡された一通の長い手紙なのです。",[26,238,240],{"id":239},"こども本の森司馬遼太郎記念館の楽しみ方のヒント","こども本の森・司馬遼太郎記念館の楽しみ方のヒント",[242,243,244,248,251,254],"ul",{},[245,246,247],"li",{},"こども本の森は基本的に入館無料で、子どもから大人まで利用できます。館によっては事前予約制の場合があるため、訪問前に各館の公式サイトで予約の要否をご確認ください。",[245,249,250],{},"建築としても見ごたえがあります。壁一面の本棚や光の取り込み方など、安藤建築ならではの空間をじっくり味わうのがおすすめです。",[245,252,253],{},"司馬遼太郎記念館は有料の文化施設です。高さ約11メートルの大書架は必見ですが、館内の撮影ルールは事前に確認しておくと安心です。",[245,255,256],{},"いずれの施設も、子どもが本と過ごす空間です。静けさや他の利用者への配慮を大切に、ゆっくり過ごしてください。",[26,258,259],{"id":259},"よくある質問",[12,261,262],{},"Q. 安藤忠雄とはどんな建築家ですか？\nA. 1941年大阪生まれの建築家です。プロボクサーを経て、大学に通わず独学で建築を学びました。打ち放しコンクリートと自然光を生かした作品で知られ、「光の教会」「住吉の長屋」「地中美術館」などを手がけています。1995年に建築界で最も権威あるプリツカー賞を受賞しました。",[12,264,265],{},"Q. 「こども本の森」とは何ですか？どこにありますか？\nA. 安藤忠雄が設計し、建設費を私費で負担して自治体などに寄贈している、子どものための図書空間です。2020年の中之島（大阪）を皮切りに、遠野（岩手・2021年）、神戸（2022年）、熊本（2024年）、松山（2025年）と各地に広がっています。2026年夏には北海道大学構内（札幌）の開館も予定されています。",[12,267,268],{},"Q. こども本の森や司馬遼太郎記念館は誰でも入れますか？無料ですか？\nA. こども本の森は基本的に入館無料で、子どもから大人まで利用できます（館により事前予約制の場合があります）。司馬遼太郎記念館は有料の文化施設です。いずれも開館日・予約の要否・撮影可否は館ごとに異なるため、訪問前に各館の公式サイトでご確認ください。",[12,270,271],{},"Q. 司馬遼太郎記念館の大書架はどのくらいの高さですか？\nA. 安藤忠雄が設計した記念館（2001年開館）の中心にある壁一面の大書架は、高さおよそ11メートル・3層吹き抜けで、約2万冊の本が並びます。蔵書に囲まれた薄暗い空間に光が差し込む、安藤らしい「闇と光」の構成になっています。",[12,273,274],{},"Q. なぜ安藤忠雄は子どものための図書館をつくっているのですか？\nA. 安藤自身が子どもの頃に本に親しむ機会がほとんどなく、「もっと早く本に出合いたかった」と後悔したことが原点だと語っています。自分が得られなかった「本との出会い」を次の世代に手渡したいという思いから、私財を投じて各地に「こども本の森」を建て、寄贈しています。",[26,276,278],{"id":277},"調査方法写真について","調査方法・写真について",[12,280,281],{},"本記事は、安藤忠雄および各施設・自治体・運営団体の公開情報、新聞・雑誌・ウェブメディア等の公表資料、各館の公式サイトなどを参照し、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。開館年・蔵書数などの数字は資料・時点によって幅がある場合があるため、本文では「およそ」「約」といった表現で扱っています。掲載写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。こども本の森および司馬遼太郎記念館の館内写真は公開画像が限られるため、外観や関連施設の写真を中心に構成しています。最新の開館状況・予約の要否・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,283,284],{"id":284},"もっと探す",[242,286,287,301,309,317],{},[245,288,289,290,295,296,300],{},"建築家別の図書館特集は ",[291,292,294],"a",{"href":293},"\u002Farticles\u002Farchitect-toyo-ito-libraries","伊東豊雄の図書館","・",[291,297,299],{"href":298},"\u002Farticles\u002Farchitect-kengo-kuma-libraries","隈研吾の図書館"," もどうぞ。",[245,302,303,304,308],{},"建築が主役の特集は ",[291,305,307],{"href":306},"\u002Farticles\u002Fbeautiful-libraries-japan","建築が美しい・おしゃれな図書館8選"," へ。",[245,310,311,312,316],{},"本屋を再発明し続ける企業の物語は ",[291,313,315],{"href":314},"\u002Farticles\u002Ffeature-ccc-tsutaya-bookstores","蔦屋書店はなぜ「居たくなる」のか"," で扱っています。",[245,318,319,323,324,295,328,295,332,336],{},[291,320,322],{"href":321},"\u002Fspaces?category=library","全国の図書館を探す","・各エリアは ",[291,325,327],{"href":326},"\u002Fosaka","大阪府",[291,329,331],{"href":330},"\u002Fhyogo","兵庫県",[291,333,335],{"href":334},"\u002Fkumamoto","熊本県"," の都道府県ページからも探せます。",[12,338,339],{},[340,341,342],"em",{},"開館状況・営業時間・予約の要否などは変更される場合があります。来館前に各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。",{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":346},"",2,[347,352,353,357,358,359,360,361,362,363,364,365],{"id":28,"depth":345,"text":29,"children":348},[349,351],{"id":39,"depth":350,"text":39},3,{"id":54,"depth":350,"text":55},{"id":88,"depth":345,"text":89},{"id":101,"depth":345,"text":102,"children":354},[355,356],{"id":114,"depth":350,"text":115},{"id":124,"depth":350,"text":125},{"id":140,"depth":345,"text":141},{"id":153,"depth":345,"text":154},{"id":183,"depth":345,"text":184},{"id":208,"depth":345,"text":209},{"id":227,"depth":345,"text":227},{"id":239,"depth":345,"text":240},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"feature",null,"2026-06-07","プロボクサーから独学で世界的建築家になった安藤忠雄。打ち放しコンクリートと光で知られる巨匠は、いま私財を投じて「こども本の森」を各地に建て、自治体へ寄贈しています。中之島・神戸・熊本・松山へと広がる本の森と、約11mの大書架を持つ司馬遼太郎記念館。安藤がなぜ本の空間にこだわるのか、その建築と思想を写真とともに深掘りします。","md",[372,375,378,381],{"q":373,"a":374},"安藤忠雄とはどんな建築家ですか？","1941年大阪生まれの建築家です。プロボクサーを経て、大学に通わず独学で建築を学びました。打ち放しコンクリートと自然光を生かした作品で知られ、「光の教会」「住吉の長屋」「地中美術館」などを手がけています。1995年に建築界で最も権威あるプリツカー賞を受賞しました。",{"q":376,"a":377},"「こども本の森」とは何ですか？どこにありますか？","安藤忠雄が設計し、建設費を私費で負担して自治体などに寄贈している、子どものための図書空間です。2020年の中之島（大阪）を皮切りに、遠野（岩手・2021年）、神戸（2022年）、熊本（2024年）、松山（2025年）と各地に広がっています。2026年夏には北海道大学構内（札幌）の開館も予定されています。",{"q":379,"a":380},"こども本の森や司馬遼太郎記念館は誰でも入れますか？無料ですか？","こども本の森は基本的に入館無料で、子どもから大人まで利用できます（館により事前予約制の場合があります）。司馬遼太郎記念館は有料の文化施設です。いずれも開館日・予約の要否・撮影可否は館ごとに異なるため、訪問前に各館の公式サイトでご確認ください。",{"q":382,"a":383},"司馬遼太郎記念館の大書架はどのくらいの高さですか？","安藤忠雄が設計した記念館（2001年開館）の中心にある壁一面の大書架は、高さおよそ11メートル・3層吹き抜けで、約2万冊の本が並びます。蔵書に囲まれた薄暗い空間に光が差し込む、安藤らしい「闇と光」の構成になっています。",[],{},true,"\u002Farticles\u002Farchitect-tadao-ando-libraries",[321],{"title":6,"description":369},"library-architecture","architect-tadao-ando-libraries",[393,396,399,402,405,408],{"name":394,"url":395},"安藤忠雄 — Wikipedia","https:\u002F\u002Fja.wikipedia.org\u002Fwiki\u002F%E5%AE%89%E8%97%A4%E5%BF%A0%E9%9B%84",{"name":397,"url":398},"こども本の森 中之島（公式・施設について）","https:\u002F\u002Fkodomohonnomori.osaka\u002Fabout\u002F",{"name":400,"url":401},"安藤忠雄インタビュー「こども本の森に込めたメッセージ」（GOETHE）","https:\u002F\u002Fgoetheweb.jp\u002Fperson\u002Farticle\u002F20221028-2face-tadao-ando-1",{"name":403,"url":404},"こども本の森 神戸（公式）","https:\u002F\u002Fkodomohonnomori-kobe.jp\u002Fabout",{"name":406,"url":407},"司馬遼太郎記念館（公式）","https:\u002F\u002Fwww.shibazaidan.or.jp\u002Fabout\u002F",{"name":409,"url":410},"Tadao Ando — The Pritzker Architecture Prize 1995","https:\u002F\u002Fwww.pritzkerprize.com\u002Flaureates\u002F1995","articles\u002Farchitect-tadao-ando-libraries",[413,414,415,416,417,418,419,420],"安藤忠雄","こども本の森","司馬遼太郎記念館","図書館","建築","建築家","打ち放しコンクリート","特集","wooW_4vVrNUPNOu4IDzTwHXDj3gMxFkXGEXXx_NMhUU",{"id":423,"title":424,"author":7,"body":425,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1076,"description":1077,"extension":370,"faq":1078,"featured":1091,"meta":1096,"navigation":386,"path":314,"published":386,"related_lp":1097,"seo":1098,"series":390,"slug":1099,"sources":1100,"stem":1119,"tags":1120,"updated_at":1076,"__hash__":1130},"articles\u002Farticles\u002Ffeature-ccc-tsutaya-bookstores.md","蔦屋書店はなぜ「居たくなる」のか｜CCCという企画会社が本屋・暮らし・働き方に出し続ける提案",{"type":9,"value":426,"toc":1030},[427,430,433,436,442,446,449,452,455,459,462,465,469,472,475,478,481,485,488,491,494,498,501,504,507,511,514,517,520,524,527,530,534,537,540,543,546,550,553,559,563,566,569,573,576,579,585,589,592,595,598,602,605,608,611,614,618,621,624,628,631,634,637,641,644,647,650,653,656,660,663,667,670,673,677,680,686,689,692,698,702,705,708,712,715,719,722,728,731,734,738,741,747,750,754,757,763,766,772,775,779,782,785,789,792,797,800,805,808,812,815,818,821,824,827,831,834,838,841,844,847,851,854,857,861,864,867,870,876,881,886,891,895,898,901,904,907,915,919,922,925,928,931,934,938,941,944,947,950,954,968,970,973,976,979,982,985,987,990,992,1025],[12,428,429],{},"東京・代官山の旧山手通り。ケヤキの並木の奥に、白い壁の建物が三棟、低くつらなっている。壁面をよく見ると、無数の小さな「T」が編み込まれ、それ自体が巨大なロゴになっている。中に入ると、新刊が山積みになった平台はほとんど見当たらない。そのかわり、料理書のとなりに鍋が置かれ、旅の本のそばに地図と双眼鏡がある。スターバックスのコーヒーを手にした人が、買う前の本を開いたまま、何時間でも座っている。",[12,431,432],{},"ここは本屋だ。けれど、ふつうの本屋ではない。代官山 蔦屋書店——この一軒の登場以降、「本屋とは何をする場所か」という問いそのものが、静かに書き換えられていった。",[12,434,435],{},"そして、その問いを出し続けている会社がある。TSUTAYAを生み、Tポイントを生み、いまは「本に囲まれて働く」場所まで提案するカルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）だ。この特集では、公共図書館をめぐる賛否の議論からはいったん離れ、CCCという企画会社が、本屋・暮らし・働き方という三つの領域に、なぜこれほど次々と新しい提案を投げ込めるのかを掘り下げてみたい。会社の成り立ち、建築家やデザイナーとの協働、人を惹きつける仕掛け、そしてこれからの行方を、各地の蔦屋書店の写真とともにたどっていく。",[19,437],{"caption":438,"credit":439,"href":440,"src":441},"代官山 蔦屋書店。白い壁に無数の「T」を編み込んだファサードは、建物そのものがロゴになっている。","Wpcpey \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Daikanyama_T-Site_Building_3_2018.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fdaikanyama-facade-1.jpg",[26,443,445],{"id":444},"カルチュアをコンビニのようにcccという発明","「カルチュアを、コンビニのように」——CCCという発明",[12,447,448],{},"CCCを理解するには、まず一人の人物から始めるのがいい。創業者・増田宗昭である。",[12,450,451],{},"増田は1951年、大阪府枚方市に生まれた。同志社大学を出て、最初に飛び込んだのはアパレルの世界だった。学生時代はファッションデザイナーを志し、洋裁学校にも通ったという。だが、高田賢三や三宅一生といった「天才」が次々と頭角を現すのを目の当たりにして、自分が同じ土俵で勝てる人間ではないと悟った。つくる側ではなく、才能を見つけてプロデュースする側にまわる——のちにCCCを貫くことになるこの発想は、すでにこのとき芽生えていた。",[12,453,454],{},"1973年、増田はアパレル企業・鈴屋に入社する。軽井沢ベルコモンズの開発に関わり、店づくりや販売促進のディレクションを担った。商品そのものより、商品をどう見せ、どんな気分とともに届けるか。「売り場という体験」を設計する仕事に、増田はのめり込んでいく。",[37,456,458],{"id":457},"一号店は本屋ではなかった","一号店は、本屋ではなかった",[12,460,461],{},"1983年に独立した増田が、地元・枚方の駅前で始めた店。それがTSUTAYAの原点になる。",[12,463,464],{},"正確に言えば、その前年の1982年、増田は「喫茶兼、貸レコード店」という業態の店を手がけていた。本も、レコードも、レンタルも、コーヒーも、ひとつの場所に混ぜる。当時としては奇妙な複合店だった。そして1983年3月、枚方市駅前のビルに「蔦屋書店 枚方駅前店」が開業する。これがTSUTAYA一号店として記録されている。映画・音楽・本を一カ所に集め、「ライフスタイルを提案する場所」をつくる。増田の事業は、最初から「本だけを売る本屋」ではなかった。",[37,466,468],{"id":467},"蔦屋という名前の後付けの神話","「蔦屋」という名前の、後付けの神話",[12,470,471],{},"店名の「蔦屋」には、面白いエピソードがある。",[12,473,474],{},"直接の由来は、増田の祖父が営んでいた置屋（芸者を派遣する商売）の屋号「蔦屋」だった。加えて当時の書店は「○○屋書店」という屋号が多く、その流れにも乗った。それだけの、ごくありふれた命名だったという。",[12,476,477],{},"ところが一号店のオープン当日、誰かが『広辞苑』の「蔦屋」の項目を印字した祝いのファックスを送ってきた。そこには、江戸時代に活躍した版元・蔦屋重三郎の名があった。それを見た増田は「ああ、こういうことか」と膝を打ったという。本人いわく、蔦屋重三郎と血縁があるわけでも、事前に重三郎を知っていて店名にしたわけでもない。それでも増田は「祖父は重三郎を知っていて『蔦屋』と名づけたのだ」と勝手に解釈し、以来「これは蔦屋重三郎の蔦屋なんだ」と語りはじめた。",[12,479,480],{},"のちに、蔦屋重三郎が喜多川歌麿や東洲斎写楽を世に送り出した「江戸最大のプロデューサー」だったと知る。増田は、現代のプロデューサーになるという物語を、この後付けの偶然から育てていった。創業者が自分のブランド神話を「後付けだ」と認めているのに、その神話がいまも生きている——この捻れた魅力こそ、増田宗昭という経営者の本質をよく表している。なお蔦屋重三郎は、2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう」の主人公にもなり、いっそう広く知られる存在になった。",[37,482,484],{"id":483},"社名に込めた文化をコンビニのように","社名に込めた「文化をコンビニのように」",[12,486,487],{},"1985年9月、増田はTSUTAYAのフランチャイズ本部として、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社を設立する。",[12,489,490],{},"ここで重要なのは、店名「蔦屋」と社名「CCC」は、由来がまったく別だということだ。店名は祖父の屋号に由来する。一方の社名は、Culture（文化）・Convenience（利便）・Club（会員制）という三つの言葉の頭文字を組み合わせたものだ。「文化を、コンビニのように身近に・便利に届ける会員制の会社」。映画も音楽も本も、それまでは専門店をいくつも回らないと手に入らなかった。それを一カ所に、コンビニのような手軽さで提供する。社名そのものが、すでにひとつの事業構想になっていた。",[12,492,493],{},"日販との提携を足がかりに、TSUTAYAはフランチャイズで全国へ広がっていく。1999年には渋谷の旗艦店「SHIBUYA TSUTAYA」が開業。レンタルビデオ・DVD・CDの全国チェーンとして、TSUTAYAは平成のまちの風景の一部になった。ピーク時には国内外で1,400店を超えたとも言われる。日本中の駅前に、あの黄色と青の看板があった時代だ。",[26,495,497],{"id":496},"我が社はレンタル業ではない企画会社だ","「我が社はレンタル業ではない、企画会社だ」",[12,499,500],{},"ここで、CCCを語るうえで欠かせない、増田の一貫した言葉を引いておきたい。",[12,502,503],{},"「我が社はレンタル業の会社ではなく、企画会社」。増田はそう言い切る。TSUTAYAは、DVDを貸す場所ではない。それは「自分の生き方を探す場所」なのだと。",[12,505,506],{},"外から見れば、CCCはレンタルチェーンであり、ポイントカードの会社に見える。だが本人の認識はまったく違う。CCCがやっているのは一貫して「ライフスタイルの提案」であり、レンタルもポイントも、そのための手段のひとつにすぎない——この自己定義のズレを理解しないと、なぜCCCが本屋を美術館のようにつくり、やがてラウンジまで運営しはじめるのかが見えてこない。",[37,508,510],{"id":509},"tポイントというもうひとつの発明","Tポイントという「もうひとつの発明」",[12,512,513],{},"CCCの企画会社としての一面が、最も大きなスケールで現れたのがTポイントだ。",[12,515,516],{},"2003年、CCCは共通ポイントサービス「Tポイント」を始める。一つの店で貯めたポイントを、業種をまたいで別の店で使える。いまでは当たり前の「共通ポイント」だが、その先駆けがTポイントだった。提携先はコンビニ、ガソリンスタンド、飲食、ネット通販へと広がり、T会員は2014年に5,000万人、2019年には7,000万人を突破する。提携企業は数千社規模に達した。",[12,518,519],{},"増田にとってTポイントは、単なる販促ツールではなかった。「誰が、いつ、何を買い、何を借りたか」というデータの集積——つまり、人々のライフスタイルそのものを映す巨大なデータベースだった。レンタル店のレジで貯まる小さなポイントは、いつのまにか日本最大級の購買データ網になっていた。「文化をコンビニのように」届ける会社は、同時に「人々の好みを束ねるプラットフォーム」の会社でもあったのだ。",[37,521,523],{"id":522},"_700億円で自分の会社を買い戻す","700億円で、自分の会社を買い戻す",[12,525,526],{},"2000年に株式を上場したCCCは、2011年、思い切った手に出る。増田が代表を務める会社を通じて株式を買い集め、約700億円を投じて上場を廃止した。いわゆるMBO（経営陣による自社買収）である。",[12,528,529],{},"背景には、DVD・CDレンタルの値下げ競争と、TSUTAYA既存店売上の連続前年割れがあった。短期的な株主の目を気にしていては、思い切った業態転換も大型投資もできない。上場をやめてでも、中長期で会社をつくり変える自由がほしい——増田はそう判断した。ちょうどこの2011年に、代官山 蔦屋書店が開業している。古い柱を手放す決断と、新しい柱を立てる挑戦が、同じ年に重なっていた。",[26,531,533],{"id":532},"配信の津波レンタルという土台が消えた","配信の津波——レンタルという土台が消えた",[12,535,536],{},"CCCの転換を語るうえで、避けて通れない数字がある。",[12,538,539],{},"DVD・CDレンタル市場は、2007年に約3,604億円の規模があった。それが2022年には約572億円にまで縮んだ。15年で8割以上が消えた計算になる。2015年のNetflix日本上陸が決定打だった。わざわざ店まで行き、棚から探し、借りて、返す。その一連の行為が、スマートフォンの中のボタンひとつに置き換わった。「店に行く理由」そのものが蒸発したのだ。",[12,541,542],{},"結果として、TSUTAYAの店舗数は減り続けている。集計の基準や時点によって数字には幅があるが、ピーク時の1,400店超から、近年は600〜700店台へと大きく減った。レンタルを実施する店舗となると、さらに少ない。",[12,544,545],{},"ここでCCCがとった道は、レンタルにしがみつくことでも、ただ縮小することでもなかった。「借りる場所」を、「過ごす場所」「発想する場所」へとつくり変えること。その最初の、そして最も鮮烈な答えが、代官山にあった。",[26,547,549],{"id":548},"代官山-蔦屋書店本屋の再発明2011年","代官山 蔦屋書店——本屋の再発明（2011年）",[12,551,552],{},"2011年12月、代官山に蔦屋書店が開業した。それは、日本の本屋の歴史におけるひとつの分岐点になった。",[19,554],{"caption":555,"credit":556,"href":557,"src":558},"旧山手通りの並木の奥に、白い三棟が低く連なる。一つの巨大な建物に見えないよう、ボリュームは分節されている。","Dick Thomas Johnson \u002F CC BY 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Daikanyama_T-Site_(52501035177).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fdaikanyama-tsite-2.jpg",[37,560,562],{"id":561},"コンセプトは森の中の図書館","コンセプトは「森の中の図書館」",[12,564,565],{},"代官山 蔦屋書店が掲げたコンセプトは「森の中の図書館」だった。緑に囲まれ、季節を感じ、コーヒーの香りのなかで、大人が本を通じて豊かな暮らしのヒントを見つける。",[12,567,568],{},"そのターゲットを、CCCは「プレミアエイジ」と呼んだ。団塊世代を中心とする、時間と教養と購買力をあわせ持つ成熟した大人たち。若者向けの量販店でも、効率優先の駅前書店でもない。「人生の後半をどう豊かに過ごすか」を考える世代に向けて、本屋を一からつくり直す。これが代官山の出発点だった。",[37,570,572],{"id":571},"八十社のコンペと白いtのファサード","八十社のコンペと、白い「T」のファサード",[12,574,575],{},"この野心的なプロジェクトの建築設計を担ったのが、東京を拠点とする設計事務所、クライン ダイサム アーキテクツ（Klein Dytham architecture、通称KDa）だ。アストリッド・クラインとマーク・ダイサムが率いるこの事務所の案は、八十社が参加したとされる提案コンペを勝ち抜いて選ばれた。施工面では国内の設計事務所RIAが共同で関わっている。",[12,577,578],{},"KDaが出した答えは、いま見ても鮮やかだ。建物の壁を、無数の小さな「T」を編んだ白いスクリーンで覆う。看板を掲げるのではなく、建物そのものを店のロゴ＝サイネージにしてしまう。遠くから見れば白い大きな「T」が浮かび、近づけば細かな格子の表情が現れる。三棟は旧山手通りから段状にセットバックし、もともとあった大木や街路樹のあいだに滑り込ませるように配置された。一つの巨大な箱にせず、街の緑の連続を断ち切らない。「森の中の図書館」という言葉が、建築の輪郭そのものに翻訳されている。",[19,580],{"caption":581,"credit":582,"href":583,"src":584},"近づくと、白い壁は無数の「T」の格子でできているのがわかる。建物が看板を兼ねる発想。","Syced \u002F CC0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Tsutaya_Books_Daikanyama.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fdaikanyama-facade-3.jpg",[37,586,588],{"id":587},"原研哉のサイン池貝知子のディレクション","原研哉のサイン、池貝知子のディレクション",[12,590,591],{},"代官山が一軒の傑作になったのは、建築家だけの力ではない。複数の一流のクリエイターが、それぞれの領域を受け持った。",[12,593,594],{},"施設全体のクリエイティブ・ディレクションを担ったのは池貝知子。空間デザインからイベント、サービスのあり方までを束ね、「蔦屋書店という体験」全体を設計した。そしてサインやロゴをはじめとするグラフィックのアートディレクションを手がけたのが、原研哉だ。無印良品のアートディレクションでも知られ、「白」を突き詰めるデザイナーとして名高い原の感性は、白を基調とした代官山の佇まいと深く響き合っている。",[12,596,597],{},"つまり代官山 蔦屋書店は、建築（KDa）・空間統括（池貝知子）・グラフィック（原研哉）という、それぞれの分野の第一人者が一つの場所で交わった結晶だった。後述するように、これは偶然ではない。CCCが「デザインに賭ける会社」であることの、最初の宣言だった。",[37,599,601],{"id":600},"マガジンストリート六つのジャンル三十六人のコンシェルジュ","マガジンストリート、六つのジャンル、三十六人のコンシェルジュ",[12,603,604],{},"中身もまた、それまでの本屋の常識から外れていた。",[12,606,607],{},"三棟を貫いて全長五十五メートルにおよぶ「マガジンストリート」が走り、国内外の雑誌が三万冊規模で並ぶ。フロアは効率順ではなく、人文・文学／アート・デザイン／建築／車／料理／旅行という六つのジャンルで編集されている。料理書の近くには調理道具が、旅の本の近くには関連するモノが置かれ、本が「暮らしの文脈」のなかに置き直されている。",[12,609,610],{},"決定的だったのは「人」だ。各ジャンルに精通したコンシェルジュが、開業時で三十六人も配置された。料理に詳しい人、旅に詳しい人、車に詳しい人。彼らは単なる店員ではなく、その分野の専門家として、客の関心を聞き、本を選び、提案する。本を探すのではなく、人と話しながら出会う。検索エンジンが本を瞬時に見つけてくれる時代に、CCCはあえて「人による提案」という、最も手間のかかる仕組みを書店の中心に据えた。",[12,612,613],{},"書籍の総在庫はおよそ十四万冊。三号館の一階にはスターバックスが入り、買う前の本を読みながらコーヒーを飲める。そして二号館の二階には、ライブラリーラウンジ「Anjin（アンジン）」がある。",[37,615,617],{"id":616},"ラウンジanjin水先案内という名前","ラウンジ「Anjin」——水先案内という名前",[12,619,620],{},"「Anjin」という名前には意味がある。江戸時代初期、徳川家康の外交顧問を務めた英国人航海士ウィリアム・アダムスは、日本で三浦按針（みうら・あんじん）と名乗った。「按針」とは羅針盤、つまりコンパスを意味する。文化の海を渡るための水先案内——それがこのラウンジの名に込められた思いだ。",[12,622,623],{},"壁面には、創刊号や数十年前のバックナンバーを含む膨大なヴィンテージ雑誌が並ぶ。古い雑誌を紙のまま手に取り、コーヒーやアルコールとともに過ごせる。多くは購入もできる。本を「情報」としてではなく「時間」として味わう空間。代官山が後のSHARE LOUNGEへとつながる、最初の予兆がここにある。",[37,625,627],{"id":626},"旧来の本屋と何が違ったのか","旧来の本屋と、何が違ったのか",[12,629,630],{},"従来の本屋は、限られた床面積でいかに多くの本を売るかを競ってきた。新刊を平積みにし、回転率の悪い本は返品し、売れ筋を入口に置く。売り場効率の最大化が正義だった。",[12,632,633],{},"代官山が逆転させたのは、この前提そのものだ。本を売る効率ではなく、客が過ごす時間の質を最大化する。長居されることを嫌うのではなく、長居したくなることを目的にする。「モノを売る場」から「コトを体験する場」へ、「買い物に行く場」から「過ごしに行く場」へ。増田の言う「ライフスタイルの提案」は、ここで初めて、誰の目にも見える建築と空間になった。",[12,635,636],{},"代官山 蔦屋書店は国内外で高く評価され、米メディアが選ぶ「世界の美しい書店」に日本から選ばれるなど、デザイン賞も相次いで受賞した。一軒の本屋が、世界の建築・デザインの文脈で語られる。それ自体が、この店の達成を物語っている。",[26,638,640],{"id":639},"なぜcccはデザインに賭けるのか","なぜCCCは、デザインに賭けるのか",[12,642,643],{},"代官山の成功は、偶然ではない。その背後には、増田宗昭のはっきりした思想がある。",[12,645,646],{},"2014年、増田は『知的資本論——すべての企業がデザイナー集団になる未来』という本を出した。タイトルがそのまま主張になっている。これからの時代、企業の価値を決めるのは設備でも資金でもなく、「知的資本」——つまり提案する力、編集する力、デザインする力だ。だからすべての企業は、デザイナーの集団にならなければ生き残れない。",[12,648,649],{},"増田は社員に向けてこう書く。営業部にいようが経理部にいようが、そんなことは関係ない。企画マンになれ、デザイナーになれ、そして自由を生き抜く覚悟を持て、と。これは比喩ではなく、経営の根本方針だ。代官山で一流のクリエイターを集めたのも、その後の各店で名のある建築家と組み続けるのも、この思想の実践にほかならない。",[12,651,652],{},"そしてもうひとつ、増田には「第三のステージ」という時代認識がある。モノが足りない時代は、つくれば売れた（第一のステージ）。モノがあふれる時代は、品揃えと売り場が価値を持った（第二のステージ）。だがすべてが手に入る時代になると、人はむしろ「選べない」ことに困る。だからこれからは、選ぶのを手伝う——つまり「提案する」ことが価値になる（第三のステージ）。コンシェルジュも、ジャンル横断の編集も、すべてはこの「提案の時代」への賭けなのだ。",[12,654,655],{},"興味深いのは、増田が「もともと書店の専門ではないからこそ、既存の書店が考えない新しい書店を構想できた」と語っていることだ。素人であることを弱みではなく強みに読み替える。イノベーションは「外の視点」から起こる——この信念が、本屋を、家電店を、図書館を、そしてラウンジを、次々と再発明させていく原動力になっている。",[26,657,659],{"id":658},"t-site同じ思想を土地ごとに翻訳する","T-SITE——同じ思想を、土地ごとに翻訳する",[12,661,662],{},"代官山で確立した「過ごす本屋」の思想は、やがて各地の「T-SITE」へと展開していく。面白いのは、同じ思想でありながら、土地ごとにコンセプトを変えて翻訳していることだ。",[37,664,666],{"id":665},"湘南-t-site2014年藤沢ロードサイドの未来形","湘南 T-SITE（2014年・藤沢）——ロードサイドの未来形",[12,668,669],{},"2014年、神奈川県藤沢市に湘南 T-SITEが開業した。工場跡地の広い敷地に、蔦屋書店を核として三十ほどの生活提案の店が集まり、すべての店に本があるシームレスな空間になっている。総合デザインディレクションは代官山と同じKDa、設計は日本設計が担った。",[12,671,672],{},"代官山が都市の「森の中の図書館」だったのに対し、湘南は郊外・ロードサイド型だ。海とともに暮らす湘南のスローライフに寄り添い、「ロードサイド開発の未来形」を提示した。車で来て、一日のんびり過ごす。郊外の大型商業施設に、過ごす価値をどう埋め込むか——その実験場でもあった。",[37,674,676],{"id":675},"枚方-t-site2016年発祥の地への凱旋","枚方 T-SITE（2016年）——発祥の地への凱旋",[12,678,679],{},"そして2016年、CCCは大阪府枚方市に枚方 T-SITEを開く。これは特別な一軒だ。なぜなら枚方こそ、1983年にTSUTAYA一号店が産声をあげた、蔦屋発祥の地だからである。",[19,681],{"caption":682,"credit":683,"href":684,"src":685},"枚方T-SITEの外観。TSUTAYA一号店が生まれた発祥の地に、地上8階の大型店として凱旋した。","Tokumeigakarinoaoshima \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Hirakata_T-SITE.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fhirakata-tsite-1.jpg",[12,687,688],{},"枚方 T-SITEは地上八階・地下一階という大型施設で、蔦屋書店を核に、ファッション・雑貨・飲食など四十を超える専門店が入る。コンセプトは「街のリビング」。本棚がつくる通りに、多様な商品とサービスが織り込まれている。",[12,690,691],{},"一号店が映画・音楽・本でライフスタイルを提案してから三十三年。その同じ場所に、最大級のライフスタイル提案施設として帰ってきた。小さな貸レコード店から始まった物語が、八階建ての「街のリビング」になって故郷に戻る——増田にとって、これは事業の達成を象徴する凱旋だったはずだ。",[19,693],{"caption":694,"credit":695,"href":696,"src":697},"枚方T-SITEの吹き抜け。本棚に囲まれた空間が、各フロアを縦につなぐ。","Fotointheworld \u002F CC BY 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Hirakata_T-SITE_Atrium_2025.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fhirakata-atrium-1.jpg",[37,699,701],{"id":700},"柏の葉-t-site2017年子育て世代の暮らし","柏の葉 T-SITE（2017年）——子育て世代の暮らし",[12,703,704],{},"2017年には千葉県の柏の葉キャンパスに、柏の葉 T-SITEが開業する。設計は日本設計とKDaの共同。ここでのコンセプトは「子どものいる暮らし」だ。家型を連ねたような分節された建築が、隣接する親水空間「アクアテラス」の水辺の風景と連続する。",[12,706,707],{},"プレミアエイジの代官山、スローライフの湘南、発祥の地・枚方、子育て世代の柏の葉。同じ「過ごす本屋」でありながら、その土地に暮らす人の生き方に合わせて、提案の中身を変える。T-SITEのシリーズは、CCCの「土地ごとの翻訳」という方法論をはっきり示している。",[26,709,711],{"id":710},"都市と地方へ形を変える過ごす場","都市と地方へ——形を変える「過ごす場」",[12,713,714],{},"T-SITEと並行して、CCCは都市の大型商業施設や地方都市にも、形を変えながら「蔦屋書店」を展開していった。",[37,716,718],{"id":717},"函館-蔦屋書店2013年地方の生活提案基地","函館 蔦屋書店（2013年）——地方の「生活提案基地」",[12,720,721],{},"代官山の翌々年、2013年に開業した函館 蔦屋書店は、代官山のコンセプトを地方で展開する全国第一号と位置づけられている。設計は梓設計。",[19,723],{"caption":724,"credit":725,"href":726,"src":727},"函館 蔦屋書店の外観。地方都市における「人が集まる場所」のモデルケースになった。","MIKI Yoshihito \u002F CC BY 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Hakodate_Tsutaya_Books,_Hakodate;_August_2018_(01).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fhakodate-1.jpg",[12,729,730],{},"函館 蔦屋書店は、書店を核に化粧品店、スターバックス、輸入食品店、アウトドア用品店、コンビニなどを併せ持つ複合施設だ。注目すべきは、その地域密着の徹底ぶりにある。「物を売る場ではなく、人が集まる場」を掲げ、自然に人が滞在できるスペースやキッズパーク、音響と大画面を備えたステージを設けた。さらに地元のタウン誌を創刊し、無料で配布。このフリーペーパーは日本のタウン誌・フリーペーパーの賞で大賞を受賞している。",[12,732,733],{},"人口が減り、若者が出ていく地方都市で、まちの人が集まる「もうひとつの居場所」をどうつくるか。函館は、その問いへのCCCなりの答えだった。",[37,735,737],{"id":736},"梅田-蔦屋書店2015年都心の知の広場","梅田 蔦屋書店（2015年）——都心の知の広場",[12,739,740],{},"2015年、大阪のグランフロント大阪に梅田 蔦屋書店が開業する。関西最大級のターミナル・梅田の、新しい都市開発の中核に組み込まれた書店だ。",[19,742],{"caption":743,"credit":744,"href":745,"src":746},"梅田 蔦屋書店が入るグランフロント大阪。関西最大級のターミナル開発の一角に「過ごす本屋」が据えられた。","Mc681 \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Grand_Front_Osaka_in_201409.JPG","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fgrandfront-osaka-1.jpg",[12,748,749],{},"通勤・通学で日々何十万人もが行き交う大ターミナルに、座って過ごせる本屋を置く。乗り換えのついでに、待ち合わせのついでに、ふらりと立ち寄って時間を過ごす。都市の動線のなかに「知の広場」を差し込む試みであり、後のSHARE LOUNGEが都市部のオフィスワーカーに刺さる素地は、この頃から準備されていた。",[37,751,753],{"id":752},"銀座-蔦屋書店2017年アートのある暮らし","銀座 蔦屋書店（2017年）——アートのある暮らし",[12,755,756],{},"2017年、銀座の大型複合施設GINZA SIXの六階に、銀座 蔦屋書店が開業する。これは数ある蔦屋書店のなかでも、とりわけ尖った一軒だ。",[19,758],{"caption":759,"credit":760,"href":761,"src":762},"銀座 蔦屋書店が入るGINZA SIXの中央アトリウム。吹き抜けが館全体を貫く。","Wpcpey \u002F CC BY 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:GINZA_SIX_Atrium_201912.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fginza-six-atrium-1.jpg",[12,764,765],{},"フロア面積はおよそ七百坪。掲げるコンセプトは「アートのある暮らし」、そして「アートの民主化」だ。美術書や写真集を中心に約六万冊を揃え、ギャラリーを併設し、日本刀まで売る。空間の象徴となっているのは、日本建築の「櫓（やぐら）」をイメージした、高さ六メートルの書架に囲まれた吹き抜けだ。本の壁にぐるりと囲まれた空間は、もはや書店というより、本でできた一個の建築のようだ。",[19,767],{"caption":768,"credit":769,"href":770,"src":771},"銀座 蔦屋書店の店内。高い書架と落ち着いた照明が、美術館のような佇まいをつくる。","Richard, enjoy my life! \u002F CC BY-SA 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:%E9%8A%80%E5%BA%A7_%E8%94%A6%E5%B1%8B%E6%9B%B8%E5%BA%97_(24705655427).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Fginza-tsutaya-interior-1.jpg",[12,773,774],{},"スターバックスのリザーブバーを併設し、世界のアートオークションのカタログをアーカイブする。アートは一部の富裕層のものという通念を、銀座という最も敷居の高い街で、あえて「暮らしのなかのアート」として開いてみせる。CCCの「提案」が、最も先鋭的に表れた一軒だ。",[37,776,778],{"id":777},"中目黒-蔦屋書店2017年高架下のクリエイティブエンジン","中目黒 蔦屋書店（2017年）——高架下のクリエイティブエンジン",[12,780,781],{},"同じ2017年、中目黒駅の高架下に中目黒 蔦屋書店が開業する。これは東急の「中目黒高架下」という再開発プロジェクトの核として生まれた。電車の高架という、それまで活用されにくかった都市の隙間を、本屋を中心とした文化の場に変える試みだ。",[12,783,784],{},"高架下の開発は「ひとつ屋根の下で」という発想のもと、高架橋を一枚の大きな屋根に見立て、連続する軒先のもとで人々の交わりが自然に生まれるよう設計された。蔦屋書店自身は「中目黒のクリエイティブエンジン」を名乗り、店内を「会う・話す・働く・共有する」という機能で編集した。本屋が、創作と交流のエンジンになる。クリエイターの街・中目黒にふさわしい解釈だった。",[37,786,788],{"id":787},"蔦屋家電2015年ライフスタイルを買う家電店","蔦屋家電（2015年）——「ライフスタイルを買う」家電店",[12,790,791],{},"そして、CCCの「提案」という思想が、本以外の領域に飛び火した好例が、二子玉川の蔦屋家電だ。2015年、二子玉川ライズに開業した。",[19,793],{"caption":794,"credit":439,"href":795,"src":796},"二子玉川 蔦屋家電の外観。「ライフスタイルを買う家電販売店」という逆説を掲げた。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Futako_Tamagawa_TSUTAYA_ELECTRICS_2018.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Ftsutaya-electrics-1.jpg",[12,798,799],{},"蔦屋家電が掲げたのは「ライフスタイルを買う家電販売店」という逆説だった。家電量販店は、スペックと価格を比べて買う場所だ。だが蔦屋家電は、家電を「本」や「インテリア」「観葉植物」とともに並べる。コーヒーメーカーの近くにコーヒーの本があり、暮らしの提案のなかに製品が置かれる。各エリアには専門のコンシェルジュが常駐し、製品の機能ではなく「その製品のある暮らし」を語る。",[19,801],{"caption":802,"credit":132,"href":803,"src":804},"蔦屋家電（二子玉川ライズ）。家電・本・インテリア・植物が混ざり合い「小さな町を歩く感覚」を演出する。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Futako-Tamagawa_Rise,_Tsutaya_Electrics.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc-bookstores\u002Ftsutaya-electrics-2.jpg",[12,806,807],{},"さまざまなサイズの路地と広場を配し、ゾーニングと照明で「小さな町を歩く感覚」を演出する。家電すら「暮らしの提案」の文脈に置き直す——蔦屋書店で磨いた編集の方法論が、本というジャンルを軽々と越えて応用できることを、蔦屋家電は証明した。",[26,809,811],{"id":810},"何が人を惹きつけるのか居たくなるの正体","何が人を惹きつけるのか——「居たくなる」の正体",[12,813,814],{},"ここまで各地の蔦屋書店を見てきた。では結局のところ、人々は蔦屋書店の何に惹きつけられているのか。「居たくなる」という感覚の正体を、少し分解してみたい。",[12,816,817],{},"ひとつは、長居が許されているという安心感だ。買わなければ申し訳ない、という圧がない。スターバックスのコーヒーを片手に、買う前の本を開いて、何時間でも座っていられる。多くの店にスターバックスが併設されているのは偶然ではない。コーヒーは「滞在の口実」であり、長居を正当化する装置なのだ。",[12,819,820],{},"ふたつめは、空間そのものの心地よさだ。明るすぎない照明、ゆったりした椅子、本の壁がつくる落ち着き、控えめなBGM。什器も照明も、効率ではなく居心地のために選ばれている。蔦屋家電の「小さな町を歩く感覚」のように、歩き回ること自体が楽しい設計になっている。",[12,822,823],{},"みっつめは、発見の喜び——セレンディピティだ。目当ての本を最短で買うなら、ネット書店のほうが速い。だが蔦屋書店では、料理の棚で旅の本に出会い、旅の棚で思いがけない写真集に出会う。ジャンルを横断して編集された棚と、専門知識を持ったコンシェルジュは、「探していなかったものに出会う」確率を意図的に高めている。アルゴリズムが「あなたが好きそうなもの」を差し出す時代に、蔦屋書店は「あなたがまだ知らないもの」を差し出そうとする。",[12,825,826],{},"そして四つめが、第三の場所（サードプレイス）としての役割だ。家でも職場でもない、自分のための居場所。図書館ほど静粛ではなく、カフェほど落ち着かなくもない、その中間にある場所。人は本を買いに来ているようでいて、実は「自分のための時間と場所」を買いに来ている。増田の言う「自分らしさを探す場所」とは、まさにこのことだ。",[26,828,830],{"id":829},"そして働き方へshare-lounge2019年","そして、働き方へ——SHARE LOUNGE（2019年〜）",[12,832,833],{},"「過ごす場所」を突き詰めてきたCCCが、いま最も力を入れているのが、SHARE LOUNGE（シェアラウンジ）だ。これは「本に囲まれて働き、くつろぐ」という、新しい時間の過ごし方の提案である。",[37,835,837],{"id":836},"時間を売るというビジネス","「時間を売る」というビジネス",[12,839,840],{},"SHARE LOUNGEの一号店は、2019年11月、渋谷スクランブルスクエアに開業した。コンセプトは「発想が生まれ、シェアする場所」。",[12,842,843],{},"仕組みはシンプルだ。料金は時間制で、おおむね一時間あたり千円から千六百円台（店舗により異なる）。その代わり、コーヒーや紅茶、スープ、フルーツといったフリードリンクと、ナッツやチョコレートなど二十種ほどのフリースナックが付く。店舗によってはビールなどのアルコールも置く。高速Wi-Fiと電源、モニターの貸し出しも揃い、飲食物の持ち込みも自由だ。テーブル、ソファ、カウンターと多様な席が用意され、一人あたりの机の幅もゆったりとってある。",[12,845,846],{},"レンタルが「モノを貸して、お金をもらう」ビジネスだったとすれば、SHARE LOUNGEは「時間と場所を貸して、お金をもらう」ビジネスだ。CDやDVDという媒体が配信に消えても、「心地よく過ごせる時間」への需要は消えない。むしろリモートワークが広がり、家でも職場でもない場所で働きたいという人が増えた。CCCは、レンタルで失った土台を、まったく別の「時間を売る」モデルで埋め直そうとしている。",[37,848,850],{"id":849},"旗艦店そして三年で百店","旗艦店、そして「三年で百店」",[12,852,853],{},"2022年12月には、東京駅前の丸ビルに旗艦店が開業した。約二百二十席という、TSUTAYAとして国内最大級の規模だ。CCCはSHARE LOUNGEを「今後三年で百店舗」に広げる目標を掲げ、商業施設だけでなく、オフィスビル、ホテル、さらにはマンションの一階へと展開先を広げている。住む場所のすぐ下に、本に囲まれた仕事場がある——そんな暮らしの提案だ。",[12,855,856],{},"蔦屋書店の店内に併設される形から始まったSHARE LOUNGEは、いまや単独の業態として全国に広がりつつある。レンタルを縮小した店舗を、SHARE LOUNGEに改装する動きも進む。実際、当初はレンタルと書店とラウンジを併設して「何の店か分かりづらい」と言われた店が、全面的にラウンジ化したところ業績が好転した、という例も報告されている。",[37,858,860],{"id":859},"weworkとの違い過ごすに価値を置く","WeWorkとの違い——「過ごす」に価値を置く",[12,862,863],{},"SHARE LOUNGEは、しばしばコワーキングスペースと比較される。だが、WeWorkに代表される会員制シェアオフィスとは、思想がはっきり違う。",[12,865,866],{},"会員制オフィスは、月額契約で「働く場所」を確保するサービスだ。一方SHARE LOUNGEは、契約のいらない時間制で、ふらりと立ち寄れる。そして何より、本に囲まれている。仕事に行き詰まったら棚から本を一冊抜いてヒントを探し、コーヒーを淹れ直し、また机に戻る。効率的に働くための箱ではなく、「発想が生まれる時間」を過ごすための空間。CCCはレンタルも空間ビジネスも「生活提案」という一点で同じだと言う。SHARE LOUNGEは、その思想を「働き方」の領域に持ち込んだ、最新の翻訳なのだ。",[12,868,869],{},"このSHARE LOUNGEは、もはや全国に広がっている。自習や作業の場所として、当サイトでも各地の店舗を施設として収録している。",[871,872],"facility-link",{"meta":873,"name":874,"slug":875},"★4.2（72件）・京都河原町駅 徒歩1分・8:30〜21:00","京都 蔦屋書店 SHARE LOUNGE","cafe-unknown-share-lounge",[871,877],{"meta":878,"name":879,"slug":880},"★3.9（91件）・京急川崎駅 徒歩3分・9:00〜21:00","SHARE LOUNGE TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店","cafe-unknown-share-lounge-tsutaya-boo",[871,882],{"meta":883,"name":884,"slug":885},"★4.3（64件）・新潟駅エリア・時間制カフェラウンジ&コワーキング","SHARE LOUNGE 新潟万代","cafe-chuo-share-lounge",[871,887],{"meta":888,"name":889,"slug":890},"★4.2（37件）・高松駅 徒歩1分・駅直結のラウンジ","SHARE LOUNGE TAKAMATSU ORNE","cafe-unknown-share-lounge-takamatsu-o",[26,892,894],{"id":893},"影もまた提案の一部tsutaya図書館という問い","影もまた、提案の一部——TSUTAYA図書館という問い",[12,896,897],{},"CCCの提案は、いつも称賛だけを集めてきたわけではない。むしろ、最も激しい議論を呼んだのが、公共図書館への進出だった。",[12,899,900],{},"2013年、CCCは佐賀県の武雄市図書館の運営を引き受け、年中無休・夜九時まで開館し、館内に蔦屋書店とスターバックスを併設するという、それまでの公共図書館の常識を覆す運営を始めた。来館者は激増し、図書館が観光資源にすらなった。だが同時に、開館時の選書に古い実用書や地域に無関係なガイドが混ざっていた問題、独自分類による検索のしにくさ、営利企業が公共の蔵書を扱うことへの懸念などが噴出し、「ツタヤ図書館問題」という言葉まで生まれた。",[12,902,903],{},"ここで詳しくは立ち入らない。重要なのは、これもまたCCCの「提案」のひとつの形だったということだ。本屋で成功した「居たくなる空間」の思想を、公共図書館という、まったく性格の異なる領域に持ち込んだ。その結果、「滞在の心地よさ」と「資料としての確かさ」という二つの価値がぶつかり、社会全体を巻き込む議論になった。賛否はともかく、半世紀ほとんど変わらなかった日本の公共図書館像に、これだけの議論を起こしたこと自体が、CCCという会社の影響力の大きさを物語っている。",[12,905,906],{},"この公共図書館をめぐる十年と賛否の論点については、別の特集で詳しく扱っている。",[908,909],"library-feature",{"architect":910,"location":911,"name":912,"slug":913,"year":914},"CCC／蔦屋書店（改修）","佐賀県武雄市","武雄市図書館","library-unknown-486","2013年",[26,916,918],{"id":917},"tを手放す日データからリアルへの回帰","「T」を手放す日——データからリアルへの回帰",[12,920,921],{},"CCCの近年の動きを象徴する、もうひとつの出来事がある。Tポイントの終わりだ。",[12,923,924],{},"2003年に共通ポイントの先駆けとして生まれ、七千万人を束ねたTポイント。それが2024年4月、三井住友フィナンシャルグループ系のVポイントと統合され、「Vポイント」へと一本化された。「Tポイント」という名称は消えた。ポイント事業を運営する会社の主導権も、CCCから金融側へと移っていった。",[12,926,927],{},"これは、CCCの自己定義を考えると、きわめて象徴的な転換だ。CCCはずっと、「文化（蔦屋書店）」と「データ（Tポイント）」という二つの車輪で走ってきた。リアルな空間で人々のライフスタイルを提案しながら、その購買データを束ねてプラットフォームを築く。その片方の車輪、データ事業を手放したのだ。",[12,929,930],{},"裏を返せば、CCCはいま、もう一方の車輪——リアルな空間と提案の力に、改めて賭けようとしている。配信にレンタルを奪われ、金融にデータを譲り、それでもなお残る自分たちの強みは何か。それは、人が実際に足を運び、時間を過ごしたくなる場所をつくる力だ。蔦屋書店であり、SHARE LOUNGEであり、増田が代官山で証明してみせた「居たくなる空間」を編集する力。CCCは原点に回帰しつつある。",[12,932,933],{},"なお増田は2023年、二十四年ぶりに社長の座を後進に譲り、会長として会社を見守る立場に移った。一号店から四十年。創業者が前線を退いた後も、CCCが「提案する会社」であり続けられるかどうかが、これからの最大の問いになる。",[26,935,937],{"id":936},"これからの蔦屋書店物理空間の意味を問い続ける","これからの蔦屋書店——物理空間の意味を、問い続ける",[12,939,940],{},"すべてがスクリーンの中で完結する時代に、なぜわざわざ建物をつくり、人を雇い、場所を維持するのか。蔦屋書店の歴史は、この問いへの答えを、二十年以上にわたって更新し続けてきた記録でもある。",[12,942,943],{},"本は、ネットでも買える。映画は、配信で観られる。情報は、検索すれば出てくる。それでも人は、白い「T」の壁の前に立ち、本の壁に囲まれた吹き抜けを見上げ、ナッツをつまみながらラウンジで仕事をする。そこにあるのは、効率では測れない「過ごす時間の質」だ。CCCが売っているのは、最後まで一貫して、本でもDVDでもポイントでもなく、その時間と場所だった。",[12,945,946],{},"これからCCCがどこへ向かうかは、まだ誰にもわからない。SHARE LOUNGEが本当に百店に届くのか。地方の蔦屋書店が、まちの居場所として持続できるのか。創業者なきあとも、提案する力を保てるのか。確かなのは、「本屋とは何か」「働く場所とは何か」「居場所とは何か」を問い直す実験を、CCCがこれからもやめないだろうということだ。その問いに付き合うことは、私たちが「どこで、どんな時間を過ごしたいか」を考え直すことでもある。",[12,948,949],{},"代官山の白い壁の前に立つとき、私たちが見ているのは、一軒の美しい本屋であると同時に、ひとつの問いそのものなのだ。",[26,951,953],{"id":952},"蔦屋書店share-loungeの楽しみ方のヒント","蔦屋書店・SHARE LOUNGEの楽しみ方のヒント",[242,955,956,959,962,965],{},[245,957,958],{},"蔦屋書店は、購入前の本を読みながら過ごせる店が多くあります。スターバックス併設店なら、コーヒー片手にゆっくり滞在できます。",[245,960,961],{},"作業や勉強で長く滞在したいなら、時間制のSHARE LOUNGEが向いています。フリードリンク・電源・Wi-Fiが揃い、料金は時間に応じて支払う仕組みです。",[245,963,964],{},"同じ「蔦屋書店」でも、店舗ごとにコンセプトや得意ジャンルが大きく異なります。アートなら銀座、家電と暮らしなら二子玉川、というように、目的に合わせて選ぶのがおすすめです。",[245,966,967],{},"撮影の可否や滞在ルール、営業時間は店舗ごとに違います。来店前に各店の公式サイトでご確認ください。",[26,969,259],{"id":259},[12,971,972],{},"Q. CCC（カルチュア・コンビニエンス・クラブ）とはどんな会社ですか？\nA. TSUTAYA・蔦屋書店・SHARE LOUNGEを展開する企業です。1985年に増田宗昭が設立しました。社名は Culture（文化）・Convenience（利便）・Club（会員制）の頭文字で、「文化をコンビニのように身近に届ける」という意味が込められています。自らを「モノを売る会社」ではなく「ライフスタイルを提案する企画会社」と定義しているのが特徴です。",[12,974,975],{},"Q. 代官山 蔦屋書店は誰が設計したのですか？\nA. 建築設計はクライン ダイサム アーキテクツ（Klein Dytham architecture）とRIAの共同です。白い「T」を編んだファサードで知られます。施設全体のクリエイティブ・ディレクションは池貝知子、サインやロゴなどのアートディレクションは無印良品でも知られる原研哉（日本デザインセンター）が手がけました。2011年12月オープンで、米メディアの「世界の美しい書店20選」に日本から選ばれています。",[12,977,978],{},"Q. SHARE LOUNGE（シェアラウンジ）とは何ですか？普通のカフェやコワーキングと何が違いますか？\nA. 蔦屋書店などが展開する時間制のラウンジです。2019年に渋谷で1号店が開業しました。フリードリンクやナッツ・お菓子、高速Wi-Fi、電源を備え、料金は時間制（おおむね1時間1,000〜1,650円前後、店舗により異なる）です。会員契約が前提のコワーキングと違い、ふらりと立ち寄って「本に囲まれて作業・商談・休憩する時間そのもの」を買う点が特徴です。",[12,980,981],{},"Q. TSUTAYAのレンタル店はなくなっていくのですか？\nA. 動画・音楽配信の普及でDVD・CDレンタル市場は2007年の約3,604億円から2022年の約572億円へ大きく縮小し、店舗数も減り続けています。一方でCCCは、レンタルに代わる柱として蔦屋書店やSHARE LOUNGEといった「過ごす場所・発想する場所」へ事業の重心を移しています。レンタルの縮小と、滞在型・提案型空間への転換が同時に進んでいるのが現状です。",[12,983,984],{},"Q. 「蔦屋」という名前は、江戸時代の蔦屋重三郎に由来するのですか？\nA. 直接の由来は、創業者・増田宗昭の祖父が営んでいた置屋の屋号「蔦屋」です。増田自身は、江戸の版元・蔦屋重三郎との関係は「後付け」だと語っています。一号店オープン当日に届いた『広辞苑』の「蔦屋」の項目のファックスをきっかけに、重三郎を「現代のプロデューサー」の理想像として重ね合わせるようになったとされます。",[26,986,278],{"id":277},[12,988,989],{},"本記事は、CCC・蔦屋書店・SHARE LOUNGEの公開情報、新聞・雑誌・ウェブメディア等の公表資料、創業者・増田宗昭の著書および各種インタビュー、設計者・自治体の公開情報などを参照し、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。店舗数や市場規模などの数字は、集計の基準・時点によって資料間で幅があるため、本文では「およそ」「諸説あり」といった形で扱っています。設計者・デザイナーは公式のクレジット情報に基づいて記載しました。掲載写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の営業状況・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,991,284],{"id":284},[242,993,994,1002,1006,1014],{},[245,995,996,997,1001],{},"CCCが運営する公共図書館の10年と賛否は ",[291,998,1000],{"href":999},"\u002Farticles\u002Ffeature-ccc-tsutaya-libraries","蔦屋書店が公共図書館を変えた"," で詳しく扱っています。",[245,1003,303,1004,300],{},[291,1005,307],{"href":306},[245,1007,1008,1009,295,1011,1013],{},"建築家別では ",[291,1010,294],{"href":293},[291,1012,299],{"href":298}," も。",[245,1015,1016,1017,295,1021],{},"本に囲まれて作業できる ",[291,1018,1020],{"href":1019},"\u002Fspaces?category=cafe","全国のカフェ・ワークスペースを探す",[291,1022,1024],{"href":1023},"\u002Fspaces?category=coworking","コワーキングスペースを探す",[12,1026,1027],{},[340,1028,1029],{},"店舗の運営状況・営業時間・サービス内容は変更される場合があります。来店前に各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。",{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":1031},[1032,1037,1041,1042,1050,1051,1056,1063,1064,1069,1070,1071,1072,1073,1074,1075],{"id":444,"depth":345,"text":445,"children":1033},[1034,1035,1036],{"id":457,"depth":350,"text":458},{"id":467,"depth":350,"text":468},{"id":483,"depth":350,"text":484},{"id":496,"depth":345,"text":497,"children":1038},[1039,1040],{"id":509,"depth":350,"text":510},{"id":522,"depth":350,"text":523},{"id":532,"depth":345,"text":533},{"id":548,"depth":345,"text":549,"children":1043},[1044,1045,1046,1047,1048,1049],{"id":561,"depth":350,"text":562},{"id":571,"depth":350,"text":572},{"id":587,"depth":350,"text":588},{"id":600,"depth":350,"text":601},{"id":616,"depth":350,"text":617},{"id":626,"depth":350,"text":627},{"id":639,"depth":345,"text":640},{"id":658,"depth":345,"text":659,"children":1052},[1053,1054,1055],{"id":665,"depth":350,"text":666},{"id":675,"depth":350,"text":676},{"id":700,"depth":350,"text":701},{"id":710,"depth":345,"text":711,"children":1057},[1058,1059,1060,1061,1062],{"id":717,"depth":350,"text":718},{"id":736,"depth":350,"text":737},{"id":752,"depth":350,"text":753},{"id":777,"depth":350,"text":778},{"id":787,"depth":350,"text":788},{"id":810,"depth":345,"text":811},{"id":829,"depth":345,"text":830,"children":1065},[1066,1067,1068],{"id":836,"depth":350,"text":837},{"id":849,"depth":350,"text":850},{"id":859,"depth":350,"text":860},{"id":893,"depth":345,"text":894},{"id":917,"depth":345,"text":918},{"id":936,"depth":345,"text":937},{"id":952,"depth":345,"text":953},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"2026-06-06","代官山の白い「T」の壁、銀座の櫓のような吹き抜け、そして本に囲まれて働くSHARE LOUNGE。TSUTAYAを生んだカルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）と創業者・増田宗昭は、なぜ「本を売らない本屋」をつくり、本屋・図書館・働き方を更新し続けるのか。会社の成り立ち、建築家との協働、人を惹きつける仕掛け、これからの行方を、各地の写真とともに4万字で深掘りします。",[1079,1082,1085,1088],{"q":1080,"a":1081},"CCC（カルチュア・コンビニエンス・クラブ）とはどんな会社ですか？","TSUTAYA・蔦屋書店・SHARE LOUNGEを展開する企業です。1985年に増田宗昭が設立しました。社名は Culture（文化）・Convenience（利便）・Club（会員制）の頭文字で、「文化をコンビニのように身近に届ける」という意味が込められています。自らを「モノを売る会社」ではなく「ライフスタイルを提案する企画会社」と定義しているのが特徴です。",{"q":1083,"a":1084},"代官山 蔦屋書店は誰が設計したのですか？","建築設計はクライン ダイサム アーキテクツ（Klein Dytham architecture）とRIAの共同。白い「T」を編んだファサードで知られます。施設全体のクリエイティブ・ディレクションは池貝知子、サインやロゴなどのアートディレクションは無印良品でも知られる原研哉（日本デザインセンター）が手がけました。2011年12月オープンで、米メディアの「世界の美しい書店20選」に日本から選ばれています。",{"q":1086,"a":1087},"SHARE LOUNGE（シェアラウンジ）とは何ですか？普通のカフェやコワーキングと何が違いますか？","蔦屋書店などが展開する時間制のラウンジです。2019年に渋谷で1号店が開業しました。フリードリンクやナッツ・お菓子、高速Wi-Fi、電源を備え、料金は時間制（おおむね1時間1,000〜1,650円前後、店舗により異なる）。会員契約が前提のコワーキングと違い、ふらりと立ち寄って「本に囲まれて作業・商談・休憩する時間そのもの」を買う点が特徴です。",{"q":1089,"a":1090},"TSUTAYAのレンタル店はなくなっていくのですか？","動画・音楽配信の普及でDVD・CDレンタル市場は2007年の約3,604億円から2022年の約572億円へ大きく縮小し、店舗数も減り続けています。一方でCCCは、レンタルに代わる柱として蔦屋書店やSHARE LOUNGEといった「過ごす場所・発想する場所」へ事業の重心を移しています。レンタルの縮小と、滞在型・提案型空間への転換が同時に進んでいるのが現状です。",[1092,1093,1094,1095],{"name":874,"slug":875},{"name":879,"slug":880},{"name":884,"slug":885},{"name":889,"slug":890},{},[1019,1023],{"title":424,"description":1077},"feature-ccc-tsutaya-bookstores",[1101,1104,1107,1110,1113,1116],{"name":1102,"url":1103},"カルチュア・コンビニエンス・クラブ 沿革（CCC公式）","https:\u002F\u002Fwww.ccc.co.jp\u002Fcompany\u002Fhistory\u002F",{"name":1105,"url":1106},"増田宗昭 — Wikipedia","https:\u002F\u002Fja.wikipedia.org\u002Fwiki\u002F%E5%A2%97%E7%94%B0%E5%AE%97%E6%98%AD",{"name":1108,"url":1109},"代官山 蔦屋書店（日本デザインセンター 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LOUNGE","コワーキング","カフェ","ライフスタイル","7R4Zvf1SV1x2Ln8LBePydwP9DaM5D4r5x4lXGt3FdHY",{"id":1132,"title":1133,"author":7,"body":1134,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":1374,"extension":370,"faq":1375,"featured":1388,"meta":1391,"navigation":386,"path":298,"published":386,"related_lp":1392,"seo":1393,"series":390,"slug":1394,"sources":1395,"stem":1396,"tags":1397,"updated_at":1373,"__hash__":1400},"articles\u002Farticles\u002Farchitect-kengo-kuma-libraries.md","建築家・隈研吾の図書館｜梼原「雲の上の図書館」からTOYAMAキラリへ",{"type":9,"value":1135,"toc":1351},[1136,1139,1142,1145,1148,1152,1155,1159,1162,1166,1169,1173,1180,1183,1187,1190,1196,1200,1203,1208,1212,1215,1219,1225,1228,1232,1235,1241,1245,1248,1252,1255,1259,1262,1276,1279,1283,1297,1299,1302,1305,1308,1311,1313,1316,1318,1346],[12,1137,1138],{},"コンクリートで街を覆い尽くした20世紀への、静かな反論。それが、建築家・隈研吾が掲げた「負ける建築」でした。素材は、木。手本は、その土地の森と職人。彼の図書館に足を踏み入れると、本よりも先に、まず木の匂いが出迎えてくれます。",[12,1140,1141],{},"この特集では、隈という建築家の歩みから、2つの図書館が生まれた経緯、そして建物がどのように街へ溶け込んでいるかまでを、写真とともにじっくり読み解きます。ひとつは四国山間の小さな町に、もうひとつは富山の街なかに。場所はまるで違うのに、どちらも「木の力」に満ちています。",[26,1143,1144],{"id":1144},"隈研吾という建築家",[12,1146,1147],{},"隈研吾は1954年、神奈川県横浜市の生まれ。1979年に東京大学大学院を修了し、1990年に自身の事務所を構えました。国立競技場（2019年完成）の設計者として、その名は一般にも広く知られています。",[37,1149,1151],{"id":1150},"勝つ建築から負ける建築へ","「勝つ建築」から「負ける建築」へ",[12,1153,1154],{},"隈の建築思想を一言で表すのが、著書のタイトルにもなった「負ける建築」です。周囲の環境を圧倒してそびえ立つ超高層ビルのような、20世紀型の「勝つ建築」。それに対し、これからの建築は風土や自然、人の営みといったさまざまな外力を受け入れ、環境に溶け込む「負ける」道をめざすべきだ——。コンクリートやガラスで自己主張するのではなく、木や石、土といった地域の自然素材を主役に据える姿勢が、ここから生まれます。",[37,1156,1158],{"id":1157},"木で世界を編む-代表作","木で世界を編む — 代表作",[12,1160,1161],{},"「負ける建築」の手法は、国内外の名建築として結実しています。日本庭園に向かってガラスで大きく開き、切妻屋根の量塊が環境と調和する根津美術館（2009年・毎日芸術賞）。建物の一部を川にせり出させ、水と一体になったスコットランド初のデザイン美術館V&Aダンディー（2018年）。そして、全国から集めた木を軒庇に編み込んだ国立競技場（2019年）。ほかにも森舞台\u002F登米町伝統芸能伝承館（日本建築学会賞）、高輪ゲートウェイ駅、太宰府天満宮表参道のスターバックスなど、木と自然素材を生かした作品は枚挙にいとまがありません。",[37,1163,1165],{"id":1164},"すべてはひとつの小さな町から始まった","すべては、ひとつの小さな町から始まった",[12,1167,1168],{},"その隈研吾の木造建築の原点は、高知県の山あいにある梼原町（ゆすはらちょう）にあります。1987年、彼はこの町で木造の芝居小屋「梼原座」に出会い、その保存に関わったことをきっかけに、町と長い付き合いを始めました。雲の上のホテル、総合庁舎、ギャラリー、まちの駅——梼原には、隈の木造建築が点々と建ち、いつしか「隈研吾建築のミュージアム」とも呼ばれる町になりました。その集大成のひとつが、次に紹介する図書館です。",[26,1170,1172],{"id":1171},"雲の上の図書館-杉の森に分け入る","雲の上の図書館 — 杉の森に、分け入る",[908,1174],{"architect":1175,"location":1176,"name":1177,"slug":1178,"year":1179},"隈研吾","高知県梼原町","雲の上の図書館（梼原町立図書館）","library-unknown-461","2018年",[12,1181,1182],{},"2018年に開館した雲の上の図書館（梼原町立図書館）。扉を開けた瞬間、息をのみます。天井からは、無数の杉の梁が枝のように四方へ伸び、頭上に木の森が広がっているのです。",[37,1184,1186],{"id":1185},"この図書館ができるまで梼原と隈研吾30年の物語","［この図書館ができるまで］梼原と隈研吾、30年の物語",[12,1188,1189],{},"この図書館は、ある日突然あらわれたわけではありません。1987年の梼原座との出会いから始まった、隈と梼原町の約30年にわたる関係の延長線上に建っています。ホテル、庁舎、ギャラリーと、町に木造建築を積み重ねてきた末に、町の人々が日常的に集える「図書館」というかたちにたどり着いた——いわば、長い物語の最終章のひとつです。梼原産のスギ材をふんだんに使い、鉄と杉を組み合わせた混構造で、「森のなかの町」にふさわしい森のような空間を実現しました。",[19,1191],{"caption":1192,"credit":1193,"href":1194,"src":1195},"外壁には杉の板がランダムに掛けられ、本が並ぶ書架のように見える。","Asset utilitist \u002F CC0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:%E3%82%86%E3%81%99%E3%81%AF%E3%82%89%E9%9B%B2%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%EF%BC%88%E6%A2%BC%E5%8E%9F%E7%94%BA%E7%AB%8B%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%EF%BC%89_01.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fkengo-kuma\u002Fyusuhara-01.jpg",[37,1197,1199],{"id":1198},"木漏れ日が降る混構造の森","木漏れ日が降る、混構造の森",[12,1201,1202],{},"複雑に組み上げられた杉の梁が、まさに森の樹冠のように覆いかぶさり、その隙間からやわらかな光が落ちてきます。中央の柱から枝のように梁が広がるさまは、一本の大樹の下に立っているかのよう。階段状になった床に腰を下ろせば、木に抱かれて本を開く、ほかにない読書体験が待っています。",[19,1204],{"caption":1205,"credit":1193,"href":1206,"src":1207},"中央の柱から放射状に広がる杉の梁。森の樹冠の下にいるような館内。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:%E3%82%86%E3%81%99%E3%81%AF%E3%82%89%E9%9B%B2%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%EF%BC%88%E6%A2%BC%E5%8E%9F%E7%94%BA%E7%AB%8B%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8%EF%BC%89_02.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fkengo-kuma\u002Fyusuhara-02.jpg",[37,1209,1211],{"id":1210},"街への溶け込み靴を脱いで過ごす町のリビング","［街への溶け込み］靴を脱いで過ごす、町のリビング",[12,1213,1214],{},"館内は靴を脱いで上がるくつろいだ造りで、子どもから大人まで一日を過ごせる場所として親しまれています。福祉施設「YURURIゆすはら」と一体となった複合建築でもあり、図書館が町の暮らしにそっと溶け込んでいるのも梼原らしさ。標高の高い山間の町でありながら、この建築だけを目当てに県外からも人が訪れ、いまや梼原を象徴する建築観光の拠点になっています。小さな町に、外から人と関心を呼び込む——建築が地域の活力そのものになっている好例です。",[26,1216,1218],{"id":1217},"toyamaキラリ-都市に立つ木の渓谷","TOYAMAキラリ — 都市に立つ、木の渓谷",[908,1220],{"architect":1175,"location":1221,"name":1222,"slug":1223,"year":1224},"富山県富山市","TOYAMAキラリ 富山市立図書館本館","library-unknown-291","2015年",[12,1226,1227],{},"山あいの梼原とは対照的に、こちらは富山の街なかに立つ複合施設「TOYAMAキラリ」（2015年）。富山市立図書館本館、富山市ガラス美術館、銀行が同居する、街のランドマークです。",[37,1229,1231],{"id":1230},"この施設ができるまでガラスの街の再開発","［この施設ができるまで］「ガラスの街」の再開発",[12,1233,1234],{},"TOYAMAキラリは、富山市中心部の「西町南地区」の市街地再開発事業として生まれました。図書館・美術館・銀行という性格の異なる機能を一つの建物に束ねたのは、限られた都心の土地を有効に使い、人の集まる核をつくるためです。富山はかつて薬びんづくりで栄えた歴史から「ガラスの街とやま」を掲げており、館内の富山市ガラス美術館はその文化的シンボル。図書館は、その美術館と同じ建物で時間を過ごせる、ぜいたくな環境に置かれています。",[19,1236],{"caption":1237,"credit":1238,"href":1239,"src":1240},"アルミ・ガラス・白御影石の約1,000枚のパネルが包む外観。","Asturio Cantabrio \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:TOYAMA_KIRARI_exterior_in_the_morning_ac_%283%29.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fkengo-kuma\u002Ftoyama-exterior.jpg",[37,1242,1244],{"id":1243},"立山連峰を映す外観内に抱く吹き抜け","立山連峰を映す外観、内に抱く吹き抜け",[12,1246,1247],{},"外観は、御影石・ガラス・アルミの約1,000枚のパネルが、立山連峰の岩肌や雪のように複雑な表情をつくります。時間や天候で光の反射が刻々と変わるのも見どころ。そして一歩なかに入ると、2階から6階までを貫く斜めの大吹き抜けが来館者を見上げさせます。壁面には富山県産の杉ルーバーがびっしりと張られ、都市のビルのただ中に、木でできた渓谷のような縦の空間が出現します。冷たくなりがちな複合ビルに、地域の杉で体温を与える——梼原で確立した手法を、都市建築のスケールに翻訳してみせた一作です。",[37,1249,1251],{"id":1250},"街への溶け込みコンパクトシティの核として","［街への溶け込み］コンパクトシティの核として",[12,1253,1254],{},"TOYAMAキラリを語るうえで欠かせないのが、富山市が全国に先駆けて進めてきた「コンパクトシティ」のまちづくりです。富山市は2007年、青森市とともに中心市街地活性化基本計画で国の第1号認定を受け、路面電車の環状線化など公共交通を軸に、まちなかへ人を呼び戻す政策を進めてきました。中心部にあり路面電車でアクセスできるTOYAMAキラリは、まさにその政策の象徴。図書館・美術館という文化施設を都心に据えることで、買い物以外の目的でも人が集まる「賑わいの核」として機能しています。",[26,1256,1258],{"id":1257},"隈研吾の図書館に通底するもの","隈研吾の図書館に、通底するもの",[12,1260,1261],{},"四国の小さな町と、北陸の県都。離れた2館に、同じ思想がはっきりと刻まれています。",[242,1263,1264,1267,1270,1273],{},[245,1265,1266],{},"地域の素材を主役にする：梼原の杉、富山の杉。その土地の森が、そのまま建築になる。",[245,1268,1269],{},"木の「組み方」を見せる：登り梁、ルーバー。構造の手わざが、そのまま意匠の美しさになる。",[245,1271,1272],{},"コンクリートに「負ける」：素材の質感と陰影を優先し、建築が自然や街に溶け込む。",[245,1274,1275],{},"見上げたくなる空間：天井や吹き抜けに物語を込め、人の視線を上へ、外へと導く。",[12,1277,1278],{},"隈にとって図書館とは、本を守る箱である以前に、地域の森を都市や暮らしへ運び込む装置なのかもしれません。",[26,1280,1282],{"id":1281},"_2館をめぐる-訪れ方のヒント","2館をめぐる — 訪れ方のヒント",[242,1284,1285,1288,1291,1294],{},[245,1286,1287],{},"雲の上の図書館：高知県梼原町。山間部のため、車での来訪と所要時間の確認がおすすめ。雲の上のギャラリーや総合庁舎など、町に点在する隈建築をあわせてめぐると一日楽しめます。",[245,1289,1290],{},"TOYAMAキラリ：富山市中心部。富山駅から路面電車でアクセスしやすく、同じ建物の富山市ガラス美術館とセットで楽しめます。",[245,1292,1293],{},"入館・閲覧は無料。建築見学だけの来館も歓迎されています。",[245,1295,1296],{},"撮影はルールを確認：他の利用者を写さない、フラッシュ禁止、要申請など館により異なります。",[26,1298,259],{"id":259},[12,1300,1301],{},"Q. 隈研吾が設計した図書館はどこにありますか？\nA. 代表的なのは、高知県梼原町の雲の上の図書館（梼原町立図書館・2018年）と、富山県の富山市立図書館本館が入るTOYAMAキラリ（2015年）です。どちらも地元産の杉をふんだんに使った木の建築で知られます。",[12,1303,1304],{},"Q. 隈研吾はどんな建築家ですか？\nA. 1954年生まれの世界的建築家で、コンクリートに頼らず木や石など地域の自然素材を生かす「負ける建築」で知られます。国立競技場の設計や、高知・梼原町での一連の木造建築でも有名です。",[12,1306,1307],{},"Q. 雲の上の図書館では何ができますか？\nA. 梼原産の杉に包まれた空間で、読書や見学が楽しめます。靴を脱いで上がるくつろいだ造りで、子どもから大人まで一日過ごせる図書館として親しまれています。入館は無料です（開館状況は公式でご確認ください）。",[12,1309,1310],{},"Q. 隈研吾と梼原町はどんな関係なのですか？\nA. 隈研吾は1987年に梼原町の木造芝居小屋「梼原座」と出会い、その保存に関わったことをきっかけに、約30年にわたって町と関わってきました。雲の上のホテル、総合庁舎、ギャラリーなど数々の木造建築を手がけ、2018年の雲の上の図書館はその集大成のひとつです。",[26,1312,278],{"id":277},[12,1314,1315],{},"本記事は、各施設・自治体の公開情報および建築・経緯・まちづくりに関する公表資料をもとに、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。設計者・竣工年・再開発やまちづくりの経緯などの事実は公的資料で確認しました。写真のうち、施設名つきのカード（施設ページへのリンク）の画像は各施設のGoogleマップ等で公開されている写真を、それ以外の建築写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の開館状況・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,1317,284],{"id":284},[242,1319,1320,1325,1331,1342],{},[245,1321,1322,1323,308],{},"建築別の総まとめは ",[291,1324,307],{"href":306},[245,1326,1327,1328,300],{},"もうひとりの巨匠 ",[291,1329,1330],{"href":293},"建築家・伊東豊雄の図書館特集",[245,1332,1333,1334,295,1338,336],{},"各エリアの施設は ",[291,1335,1337],{"href":1336},"\u002Fkochi","高知県",[291,1339,1341],{"href":1340},"\u002Ftoyama","富山県",[245,1343,1344],{},[291,1345,322],{"href":321},[12,1347,1348],{},[340,1349,1350],{},"建物の用途・開館状況は変更される場合があります。来館前に各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。",{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":1352},[1353,1358,1363,1368,1369,1370,1371,1372],{"id":1144,"depth":345,"text":1144,"children":1354},[1355,1356,1357],{"id":1150,"depth":350,"text":1151},{"id":1157,"depth":350,"text":1158},{"id":1164,"depth":350,"text":1165},{"id":1171,"depth":345,"text":1172,"children":1359},[1360,1361,1362],{"id":1185,"depth":350,"text":1186},{"id":1198,"depth":350,"text":1199},{"id":1210,"depth":350,"text":1211},{"id":1217,"depth":345,"text":1218,"children":1364},[1365,1366,1367],{"id":1230,"depth":350,"text":1231},{"id":1243,"depth":350,"text":1244},{"id":1250,"depth":350,"text":1251},{"id":1257,"depth":345,"text":1258},{"id":1281,"depth":345,"text":1282},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"2026-06-04","「負ける建築」で知られる建築家・隈研吾が手がけた図書館を巡る建築特集。杉の梁が森のように広がる高知・梼原の雲の上の図書館、都市に木の渓谷をつくったTOYAMAキラリを写真とともに雑誌風に深掘り。建築家の歩み、図書館が生まれた経緯、街への溶け込み方、そして素材と地域への思想までを読み解きます。",[1376,1379,1382,1385],{"q":1377,"a":1378},"隈研吾が設計した図書館はどこにありますか？","代表的なのは、高知県梼原町の雲の上の図書館（梼原町立図書館・2018年）と、富山県の富山市立図書館本館が入るTOYAMAキラリ（2015年）です。どちらも地元産の杉をふんだんに使った木の建築で知られます。",{"q":1380,"a":1381},"隈研吾はどんな建築家ですか？","1954年生まれの世界的建築家で、コンクリートに頼らず木や石など地域の自然素材を生かす「負ける建築」で知られます。国立競技場の設計や、高知・梼原町での一連の木造建築でも有名です。",{"q":1383,"a":1384},"雲の上の図書館では何ができますか？","梼原産の杉に包まれた空間で、読書や見学が楽しめます。靴を脱いで上がるくつろいだ造りで、子どもから大人まで一日過ごせる図書館として親しまれています。入館は無料です（開館状況は公式でご確認ください）。",{"q":1386,"a":1387},"隈研吾と梼原町はどんな関係なのですか？","隈研吾は1987年に梼原町の木造芝居小屋「梼原座」と出会い、その保存に関わったことをきっかけに、約30年にわたって町と関わってきました。雲の上のホテル、総合庁舎、ギャラリーなど数々の木造建築を手がけ、2018年の雲の上の図書館はその集大成のひとつです。",[1389,1390],{"name":1177,"slug":1178},{"name":1222,"slug":1223},{},[321],{"title":1133,"description":1374},"architect-kengo-kuma-libraries",[],"articles\u002Farchitect-kengo-kuma-libraries",[416,417,1175,418,420,1398,1399],"おしゃれ","デザイン","cRaHuuX9oLKDRYEUvQM-BAZapHOSIlfjGnAjIPXzT5k",{"id":1402,"title":1403,"author":7,"body":1404,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":1660,"extension":370,"faq":1661,"featured":1674,"meta":1677,"navigation":386,"path":293,"published":386,"related_lp":1678,"seo":1679,"series":390,"slug":1680,"sources":1681,"stem":1682,"tags":1683,"updated_at":1373,"__hash__":1684},"articles\u002Farticles\u002Farchitect-toyo-ito-libraries.md","建築家・伊東豊雄の図書館｜せんだいメディアテークからぎふメディアコスモスへ",{"type":9,"value":1405,"toc":1639},[1406,1409,1412,1415,1418,1421,1425,1428,1431,1435,1438,1442,1449,1452,1456,1459,1462,1468,1471,1474,1479,1482,1486,1489,1492,1496,1501,1504,1508,1511,1514,1519,1523,1526,1532,1535,1539,1542,1545,1549,1552,1566,1569,1571,1574,1588,1590,1593,1596,1599,1602,1604,1607,1609,1635],[12,1407,1408],{},"かつて「建築は軽やかであるべきだ」と語った男は、やがて「木」と「森」にたどり着いた。鉄とガラスのチューブで世界を驚かせ、木格子の大屋根で図書館の概念を塗り替えた——プリツカー賞建築家・伊東豊雄。",[12,1410,1411],{},"彼が手がけた2つの図書館を訪ねると、「本を読む場所」はここまで自由になれるのか、と静かな興奮を覚えます。この特集では、伊東という建築家の歩みから、2つの図書館が生まれた経緯、そして建物がどのように街へ溶け込んでいるかまでを、写真とともにじっくり読み解きます。",[26,1413,1414],{"id":1414},"伊東豊雄という建築家",[12,1416,1417],{},"伊東豊雄は1941年生まれ。2013年、建築界のノーベル賞とも称されるプリツカー賞を、日本人として6人目に受賞しました。",[12,1419,1420],{},"キャリアの前半、伊東の建築は「透明で軽やか」という言葉で語られてきました。1984年の自邸「シルバーハット」、風を可視化したような初期の作品群——重さや永続性を感じさせない、消えていくような建築。その作風が大きく転回したのが、後述するせんだいメディアテークでした。伊東はここで「ピュアな美しさから、ダイナミックな物質感や生き生きとした生命感へ」と目を向けたと振り返ります。彼自身が掲げた言葉が「新しいリアル」でした。",[37,1422,1424],{"id":1423},"鉄から木へ変わり続ける巨匠","鉄から木へ、変わり続ける巨匠",[12,1426,1427],{},"伊東の歩みは「変化し続けること」そのものです。せんだいメディアテーク（2001年）で世界の注目を集めたのち、アーチが連続する多摩美術大学図書館（八王子・2007年）、流れるような曲面が音楽を包む台中国家歌劇院（台湾・2016年）と、作品ごとにかたちを刷新してきました。",[12,1429,1430],{},"東日本大震災のあとには、被災地に小さな集会所「みんなの家」を各地に建て、建築家の役割そのものを問い直します。鉄とガラスの時代から、木や地域の素材へ。次に紹介するぎふメディアコスモスは、その大きな流れのなかに位置づけられる一作です。",[37,1432,1434],{"id":1433},"図書館という難題に何度も挑む","図書館という難題に、何度も挑む",[12,1436,1437],{},"静かに本と向き合う——図書館にまとわりつくその常識を、伊東は一度ならず問い直してきました。仕切られた書架、抑えた照明、ひそやかな足音。そうした「あたりまえ」を、彼は構造から、光から、天井のかたちから、丸ごと作り替えていきます。次に挙げる2館は、その挑戦の到達点です。",[26,1439,1441],{"id":1440},"せんだいメディアテーク-すべてはここから始まった","せんだいメディアテーク — すべては、ここから始まった",[908,1443],{"architect":1444,"location":1445,"name":1446,"slug":1447,"year":1448},"伊東豊雄","宮城県仙台市","せんだいメディアテーク","coworking-unknown-medeiate-ku","2001年",[12,1450,1451],{},"2001年、仙台・定禅寺通りのケヤキ並木に面して、透明な箱が立ち上がりました。せんだいメディアテーク。図書館・ギャラリー・スタジオが同居するこの建物は、開館と同時に「現代建築の金字塔」と呼ばれ、その後の公共建築のあり方を一変させました。",[37,1453,1455],{"id":1454},"この図書館ができるまで1995年のコンペが生んだメディアテーク","［この図書館ができるまで］1995年のコンペが生んだ「メディアテーク」",[12,1457,1458],{},"物語は、開館の6年前にさかのぼります。1995年に開かれた設計競技で、伊東豊雄の案が最優秀に選ばれました。このとき審査委員長を務めた建築家・磯崎新は、「単なる図書館とギャラリーの複合施設」にとどめず、本だけでなく映像や音楽など、あらゆる情報メディアに触れられる場所——すなわち「メディアテーク」にすべきだと提案します。施設の名前が、建築のあり方そのものを方向づけたのです。",[12,1460,1461],{},"1997年に着工、2000年に竣工し、2001年1月に開館。構造設計は佐々木睦朗が担い、後述する大胆な「チューブ」を実現させました。柱と床という建築の最小単位を組み替えた伊東の構想は、20世紀初頭にル・コルビュジエが示した「ドミノ・システム」になぞらえて「新世代のドミノ」と呼ばれることもあります。",[19,1463],{"caption":1464,"credit":1465,"href":1466,"src":1467},"定禅寺通りに面した、夕暮れのガラスファサード。","scarletgreen from Japan \u002F CC BY 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Sendai_Mediatheque_2009.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Ftoyo-ito\u002Fsendai-exterior.jpg",[37,1469,1470],{"id":1470},"海藻のように揺らぐ13本のチューブ",[12,1472,1473],{},"この建物に、いわゆる「柱」と「壁」はありません。代わりに、13本の鉄骨の網目でできたチューブがガラスの箱を貫いて立ち上がります。海藻のように揺らぐそのチューブが、建物を支え、エレベーターや階段を通し、設備を収め、光を導く。骨格と内臓を隠すのではなく、むしろ主役として見せてしまう——その発想が、当時いかに革新的だったか。",[19,1475],{"caption":1476,"credit":132,"href":1477,"src":1478},"館内を貫くチューブと、白く枝分かれする柱。光と構造が一体になっている。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Interior_of_Sendai_Mediatheque_202512.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Ftoyo-ito\u002Fsendai-interior.jpg",[12,1480,1481],{},"構造部材も、設備のダクトも、壁の向こうに隠さない。デザインの中心に置く。その逆転の発想が、外壁の窓に加えて内側のチューブからも光が差し込む、まったく新しい空間を生みました。",[37,1483,1485],{"id":1484},"街への溶け込み定禅寺通りに開かれた知の広場","［街への溶け込み］定禅寺通りに開かれた「知の広場」",[12,1487,1488],{},"ガラス張りのファサードは、内と外をゆるやかにつなぎます。通りを歩く人の視線が建物の奥まで届き、なかにいる人の気配が街へにじみ出す。ケヤキ並木で知られる定禅寺通りの景観に溶け込みながら、図書館を「閉じた箱」から「街に開かれた広場」へと変えました。",[12,1490,1491],{},"その意味が際立ったのが、2011年の東日本大震災です。一時は閉館を余儀なくされましたが、復旧してふたたび扉を開くと、メディアテークは市民が集い、語り、記録を残す拠点となりました。伊東自身、この出来事を「メディアテークとは何だったのか」を問い直す機会だったと振り返っています。街に開かれた建築は、非常時にこそ人の拠り所になる——その事実を、この建物は身をもって示しました。",[26,1493,1495],{"id":1494},"ぎふメディアコスモス-木と光のやわらかな到達点","ぎふメディアコスモス — 木と光の、やわらかな到達点",[908,1497],{"architect":1444,"location":1498,"name":1499,"slug":1500,"year":1224},"岐阜県岐阜市","みんなの森 ぎふメディアコスモス（岐阜市立中央図書館）","coworking-gifu-medeiakosumosu",[12,1502,1503],{},"せんだいから14年。鉄とガラスの建築家は、岐阜で木に回帰します。2015年に開館した複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」。その2階に、岐阜市立中央図書館が広がります。",[37,1505,1507],{"id":1506},"この図書館ができるまで50年使った図書館を建て替える","［この図書館ができるまで］50年使った図書館を、建て替える",[12,1509,1510],{},"メディアコスモスが生まれた背景には、切実な事情がありました。1958年に開いた旧・岐阜市立図書館本館は、半世紀以上を経てエレベーターもなく、専用駐車場もなく、開館は夕方6時まで——勤め帰りには使いにくい施設になっていました。",[12,1512,1513],{},"そこで岐阜市は、岐阜大学医学部・附属病院の跡地を使った市街地再開発事業として、新しい図書館を中核とする複合施設を構想します。延床面積は約2,000㎡から9,400㎡へ4.7倍に、収蔵できる蔵書は20万冊から90万冊へ4.5倍に。規模も役割も、まるで別物へと生まれ変わりました。設計者に選ばれたのが、伊東豊雄でした。",[19,1515],{"caption":1516,"credit":1238,"href":1517,"src":1518},"波打つ大屋根が特徴の外観。手前のドームはカフェ。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Gifu_Media_Cosmos_exterior_ac_%281%29.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Ftoyo-ito\u002Fgifu-exterior.jpg",[37,1520,1522],{"id":1521},"天井から降りてくるグローブ","天井から降りてくる「グローブ」",[12,1524,1525],{},"波打つように湾曲した木格子の大屋根。地元・東濃ひのきを編んだその天井から、ポリエステル製の白い傘「グローブ」がいくつも吊り下がります。グローブの下にはテーマ別の読書スペースが島のように点在し、人々はそれぞれの「傘の下」に居場所を見つける。",[19,1527],{"caption":1528,"credit":1529,"href":1530,"src":1531},"木格子の天井から吊られた「グローブ」と、その下に広がる開架書架。","Kanesue \u002F CC BY 2.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:%E3%81%BF%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%AE%E6%A3%AE_%E3%81%8E%E3%81%B5%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%82%B9_%2852196675502%29.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Ftoyo-ito\u002Fgifu-2.jpg",[12,1533,1534],{},"天井のかたちがそのまま、光と空気と人の流れをデザインしている——せんだいでチューブが担った役割を、ここでは木の屋根とグローブが引き継いでいます。自然光と自然換気を生かす設計で、晴れた日には天井越しのやわらかな光が降りそそぎ、空調や照明に頼りきらない「森の中で本を読む」ような感覚を、都市の只中に立ち上げました。",[37,1536,1538],{"id":1537},"街への溶け込みみんなの森というまちの居場所","［街への溶け込み］「みんなの森」という、まちの居場所",[12,1540,1541],{},"この施設の正式名称が「みんなの森」であることには、はっきりとした意図があります。2階の図書館に対し、1階には多目的の交流スペースやカフェ、子育て支援の機能が入り、図書館を訪れない人にも開かれた「まちの広場」として設計されました。建物は岐阜市の中心市街地に立地し、衰えがちな都心部に人の流れを呼び戻す、再開発の核としての役割も担っています。",[12,1543,1544],{},"本を借りるためだけの場所ではなく、ただ過ごしに来てもいい場所へ。せんだいで掲げた「街に開かれた建築」という思想が、木のやわらかさをまとって、岐阜でもう一度かたちになりました。",[26,1546,1548],{"id":1547},"伊東建築の図書館に通底するもの","伊東建築の図書館に、通底するもの",[12,1550,1551],{},"2館を並べると、年代も素材もまるで違うのに、不思議と同じ「気配」が流れていることに気づきます。",[242,1553,1554,1557,1560,1563],{},[245,1555,1556],{},"境界を溶かす：内と外、構造と意匠、本と人。伊東は仕切りを消し、空間をひとつながりにする。",[245,1558,1559],{},"構造そのものが風景になる：チューブも木格子も、隠される脇役ではなく、見上げたくなる主役。",[245,1561,1562],{},"自然光・自然換気を取り込む：人工的な均質さより、移ろう光と空気の心地よさ。",[245,1564,1565],{},"「居場所」を選べる：席が一様に並ぶのではなく、人が思い思いの場所を見つけられる。",[12,1567,1568],{},"図書館を「本を収める器」ではなく「人がいたくなる場所」へ。その思想が、世代を越えて2つの建築を貫いています。",[26,1570,1282],{"id":1281},[12,1572,1573],{},"どちらの図書館も入館・閲覧は無料で、建築だけを目当てに訪れる人も少なくありません。",[242,1575,1576,1579,1582,1585],{},[245,1577,1578],{},"せんだいメディアテーク：仙台市中心部、地下鉄・バスでアクセスしやすい定禅寺通り沿い。ケヤキ並木の散策や、1階のオープンスクエアとあわせて楽しめます。",[245,1580,1581],{},"ぎふメディアコスモス：岐阜市中心部。JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からバス。2階の図書館だけでなく、1階の交流スペースやカフェものぞいてみてください。",[245,1583,1584],{},"撮影はルールを確認：他の利用者を写さない、フラッシュを使わない、申請が必要——など館ごとに条件があります。",[245,1586,1587],{},"静けさへの配慮を：見学であっても、本と向き合う人がいる場所。歓声や長電話は控えめに。",[26,1589,259],{"id":259},[12,1591,1592],{},"Q. 伊東豊雄が設計した図書館はどこにありますか？\nA. 代表的なのは、宮城県のせんだいメディアテーク（2001年）と、岐阜県のみんなの森 ぎふメディアコスモス（2015年・2階が岐阜市立中央図書館）です。ほかに多摩美術大学図書館などの作品でも知られます。",[12,1594,1595],{},"Q. 伊東豊雄はどんな建築家ですか？\nA. 1941年生まれの日本を代表する建築家で、2013年に「建築界のノーベル賞」とされるプリツカー賞を受賞しました。透明で軽やかな建築から、せんだいメディアテークを境に物質感・生命感のある「新しいリアル」へと作風を深めたことで知られます。",[12,1597,1598],{},"Q. せんだいメディアテークとぎふメディアコスモスは見学できますか？\nA. どちらも入館・閲覧は無料で、誰でも見学できます。撮影のルールや開館時間・休館日は各施設で異なるため、来館前に公式サイトでご確認ください。",[12,1600,1601],{},"Q. せんだいメディアテークの「チューブ」とは何ですか？\nA. 柱でも壁でもない、13本の鉄骨でできた網目状のチューブ（管）のことです。建物を支える構造であると同時に、エレベーターや階段、設備、自然光の通り道も兼ねています。隠すべき構造や設備をあえて主役として見せた点が、当時きわめて革新的でした。",[26,1603,278],{"id":277},[12,1605,1606],{},"本記事は、各施設の公開情報および建築・受賞・経緯に関する公表資料をもとに、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。設計者・竣工年・コンペや再開発の経緯などの事実は公的資料で確認しました。写真のうち、施設名つきのカード（施設ページへのリンク）の画像は各施設のGoogleマップ等で公開されている写真を、それ以外の建築写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の開館状況・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,1608,284],{"id":284},[242,1610,1611,1615,1621,1631],{},[245,1612,1322,1613,308],{},[291,1614,307],{"href":306},[245,1616,1617,1618,300],{},"もうひとりの木の巨匠 ",[291,1619,1620],{"href":298},"建築家・隈研吾の図書館特集",[245,1622,1333,1623,295,1627,336],{},[291,1624,1626],{"href":1625},"\u002Fgifu","岐阜県",[291,1628,1630],{"href":1629},"\u002Fmiyagi","宮城県",[245,1632,1633],{},[291,1634,322],{"href":321},[12,1636,1637],{},[340,1638,1350],{},{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":1640},[1641,1645,1650,1655,1656,1657,1658,1659],{"id":1414,"depth":345,"text":1414,"children":1642},[1643,1644],{"id":1423,"depth":350,"text":1424},{"id":1433,"depth":350,"text":1434},{"id":1440,"depth":345,"text":1441,"children":1646},[1647,1648,1649],{"id":1454,"depth":350,"text":1455},{"id":1470,"depth":350,"text":1470},{"id":1484,"depth":350,"text":1485},{"id":1494,"depth":345,"text":1495,"children":1651},[1652,1653,1654],{"id":1506,"depth":350,"text":1507},{"id":1521,"depth":350,"text":1522},{"id":1537,"depth":350,"text":1538},{"id":1547,"depth":345,"text":1548},{"id":1281,"depth":345,"text":1282},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"プリツカー賞建築家・伊東豊雄が手がけた図書館を巡る建築特集。世界を変えたせんだいメディアテーク、木と光に満ちたぎふメディアコスモスを、写真とともに雑誌風に深掘り。建築家の歩み、図書館が生まれた経緯、街への溶け込み方、そして「境界を溶かす」思想までを読み解きます。",[1662,1665,1668,1671],{"q":1663,"a":1664},"伊東豊雄が設計した図書館はどこにありますか？","代表的なのは、宮城県のせんだいメディアテーク（2001年）と、岐阜県のみんなの森 ぎふメディアコスモス（2015年・2階が岐阜市立中央図書館）です。ほかに多摩美術大学図書館などの作品でも知られます。",{"q":1666,"a":1667},"伊東豊雄はどんな建築家ですか？","1941年生まれの日本を代表する建築家で、2013年に「建築界のノーベル賞」とされるプリツカー賞を受賞しました。透明で軽やかな建築から、せんだいメディアテークを境に物質感・生命感のある「新しいリアル」へと作風を深めたことで知られます。",{"q":1669,"a":1670},"せんだいメディアテークとぎふメディアコスモスは見学できますか？","どちらも入館・閲覧は無料で、誰でも見学できます。撮影のルールや開館時間・休館日は各施設で異なるため、来館前に公式サイトでご確認ください。",{"q":1672,"a":1673},"せんだいメディアテークの「チューブ」とは何ですか？","柱でも壁でもない、13本の鉄骨でできた網目状のチューブ（管）のことです。建物を支える構造であると同時に、エレベーターや階段、設備、自然光の通り道も兼ねています。隠すべき構造や設備をあえて主役として見せた点が、当時きわめて革新的でした。",[1675,1676],{"name":1446,"slug":1447},{"name":1499,"slug":1500},{},[321],{"title":1403,"description":1660},"architect-toyo-ito-libraries",[],"articles\u002Farchitect-toyo-ito-libraries",[416,417,1444,418,420,1398,1399],"o63_7rBmvrLVRHS3iUfRjTR2OVfZy1godu6lQaXppnc",{"id":1686,"title":1687,"author":7,"body":1688,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":1936,"extension":370,"faq":1937,"featured":1950,"meta":1959,"navigation":386,"path":306,"published":386,"related_lp":1960,"seo":1961,"series":390,"slug":1962,"sources":1963,"stem":1964,"tags":1965,"updated_at":1373,"__hash__":1968},"articles\u002Farticles\u002Fbeautiful-libraries-japan.md","【全国】建築が美しい・おしゃれな図書館8選｜写真で巡る空間デザインの旅",{"type":9,"value":1689,"toc":1920},[1690,1693,1696,1699,1713,1717,1719,1722,1725,1729,1736,1739,1742,1746,1752,1755,1758,1762,1764,1767,1770,1774,1776,1779,1782,1786,1793,1796,1799,1803,1805,1808,1811,1815,1822,1825,1828,1832,1835,1849,1851,1854,1857,1860,1863,1865,1868,1871,1874,1888,1890,1916],[12,1691,1692],{},"図書館は、「本を借りる場所」から「思わず長居したくなる空間」へと進化しています。建築家が腕をふるった大屋根や吹き抜け、光を巧みに操る壁——全国には、訪れるだけで気分が上がる“おしゃれな図書館”がいくつもあります。",[12,1694,1695],{},"この特集では、建物も内部も美しい全国の図書館8館を、写真とともに巡ります。設計者・竣工年・空間の見どころを添えてご紹介。次の休日、本を片手に出かけたくなる一館がきっと見つかります。",[26,1697,1698],{"id":1698},"この記事の要点",[242,1700,1701,1704,1707,1710],{},[245,1702,1703],{},"全国の「建築が美しい図書館」を8館、写真とともに紹介します。",[245,1705,1706],{},"伊東豊雄（ぎふメディアコスモス／せんだいメディアテーク）、隈研吾（TOYAMAキラリ）、仙田満（石川県立図書館）ら著名建築家の作品が並びます。",[245,1708,1709],{},"木の温もり系・光と曲線の現代建築・歴史的洋風建築まで、空間のタイプはさまざま。",[245,1711,1712],{},"いずれも入館・閲覧は無料。読書も見学も楽しめます（撮影・飲食・会話の可否は館のルールを確認）。",[26,1714,1716],{"id":1715},"_1-みんなの森-ぎふメディアコスモス岐阜県岐阜市","1. みんなの森 ぎふメディアコスモス（岐阜県岐阜市）",[908,1718],{"architect":1444,"location":1498,"name":1499,"slug":1500,"year":1224},[12,1720,1721],{},"波打つ木格子の大屋根から、ポリエステル製の白い傘「グローブ」がいくつも吊り下がる——岐阜市の複合文化施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の2階は、建築家・伊東豊雄が設計した岐阜市立中央図書館です。",[12,1723,1724],{},"地元・東濃ひのきを編んだ天井がやわらかな曲面を描き、グローブの下にテーマ別の閲覧スペースが島のように点在します。自然光と自然換気を生かした設計で、照明や空調に頼りきらない「森のなかで本を読む」ような感覚。岐阜駅周辺で“ここにしかない空間”を味わうなら、まず訪れたい一館です。",[26,1726,1728],{"id":1727},"_2-金沢海みらい図書館石川県金沢市","2. 金沢海みらい図書館（石川県金沢市）",[908,1730],{"architect":1731,"location":1732,"name":1733,"slug":1734,"year":1735},"シーラカンスK&H","石川県金沢市","金沢海みらい図書館","library-unknown-298","2011年",[12,1737,1738],{},"真っ白な箱に、大きさの違う円い窓が約6,000個——金沢海みらい図書館の外壁「パンチングウォール」は、直射日光をやわらげながら、一日中ふんわりとした光を室内に届けます。",[12,1740,1741],{},"設計はシーラカンスK&H（工藤和美＋堀場弘）。約45m四方・高さ約12mのワンルーム空間を、細い柱だけで支える大胆な構成で、見渡すかぎり本と光に包まれます。世界的にも評価が高く、「世界の魅力的な図書館」に選ばれたこともある、金沢を代表する現代建築です。",[26,1743,1745],{"id":1744},"_3-石川県立図書館百万石ビブリオバウム石川県金沢市","3. 石川県立図書館「百万石ビブリオバウム」（石川県金沢市）",[908,1747],{"architect":1748,"location":1732,"name":1749,"slug":1750,"year":1751},"仙田満","石川県立図書館（百万石ビブリオバウム）","library-unknown-296","2022年",[12,1753,1754],{},"円形劇場（コロシアム）のように、本棚が段々と重なって観客席を描く——2022年に金沢市内へ移転新築した石川県立図書館、愛称「百万石ビブリオバウム」。",[12,1756,1757],{},"中央の大空間「ブックコロシアム」は4層吹き抜けで、どこに立っても360度を本に囲まれる劇的な眺め。開架の蔵書は約30万冊、座席は約500席へと一気に拡大しました。設計は仙田満（環境デザイン研究所）で、2022年度グッドデザイン賞を受賞。「居るだけで楽しい」を体現した、新しい時代の県立図書館です。",[26,1759,1761],{"id":1760},"_4-toyamaキラリ富山市立図書館本館富山県富山市","4. TOYAMAキラリ／富山市立図書館本館（富山県富山市）",[908,1763],{"architect":1175,"location":1221,"name":1222,"slug":1223,"year":1224},[12,1765,1766],{},"御影石・ガラス・アルミの約1,000枚のパネルが、立山連峰の雪のように外観を覆う——隈研吾らが手がけた複合施設「TOYAMAキラリ」。富山市立図書館本館、富山市ガラス美術館、銀行が同居する建物です。",[12,1768,1769],{},"内部は2階から6階を貫く斜めの大吹き抜けが圧巻。壁面には富山県産の杉ルーバーがびっしりと張られ、木のあたたかさと斜めの幾何学が織りなす立体的な空間が広がります。光が落ちる吹き抜けを見上げながらの読書は格別です。",[26,1771,1773],{"id":1772},"_5-せんだいメディアテーク宮城県仙台市","5. せんだいメディアテーク（宮城県仙台市）",[908,1775],{"architect":1444,"location":1445,"name":1446,"slug":1447,"year":1448},[12,1777,1778],{},"13本の鉄骨の「チューブ」が、ガラスの箱を貫いて立ち上がる——2001年に開館した「せんだいメディアテーク」は、伊東豊雄の代表作にして現代日本建築の金字塔です。",[12,1780,1781],{},"柱でも壁でもないチューブが、構造・設備・光をまとめて担い、各フロアは仕切りの少ない自由な空間に。定禅寺通りのケヤキ並木に面した透明なファサードは、街に開かれた知の拠点そのもの。2階の図書館を中心に、ギャラリーやスタジオが入り、本と出会い、創作する場として今も人を集めています。",[26,1783,1785],{"id":1784},"_6-那須塩原市図書館-みるる栃木県那須塩原市","6. 那須塩原市図書館 みるる（栃木県那須塩原市）",[908,1787],{"architect":1788,"location":1789,"name":1790,"slug":1791,"year":1792},"UAo（伊藤麻理）","栃木県那須塩原市","那須塩原市図書館 みるる","library-unknown-115","2020年",[12,1794,1795],{},"「少々賑やかな図書館をつくります」——2020年、JR黒磯駅前に開館した那須塩原市図書館「みるる」は、飲食やおしゃべりもOKという、ひらかれた図書館です。",[12,1797,1798],{},"建築スタジオUAo（伊藤麻理）が、那須塩原のアイデンティティである「森」をモチーフに設計。木のグリッド棚が連なり、抜けのある空間を歩けば、まるで森のなかを散歩しているよう。カフェやテラス、ギャラリーも併設し、本を読む人も、おしゃべりに来た人も、思い思いに過ごせる“まちの居間”になっています。",[26,1800,1802],{"id":1801},"_7-武雄市図書館佐賀県武雄市","7. 武雄市図書館（佐賀県武雄市）",[908,1804],{"architect":910,"location":911,"name":912,"slug":913,"year":914},[12,1806,1807],{},"高い木組みの天井の下に、書店とスターバックス、そして図書館が同居する——2013年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ（蔦屋書店）の運営で生まれ変わった佐賀県の武雄市図書館。",[12,1809,1810],{},"「年中無休・夜9時まで」という、公共図書館の常識を塗り替える運営で全国の話題をさらいました。コーヒー片手に本を選び、そのまま読みふける——“居たくなる図書館”という潮流の先駆けであり、公共施設のあり方をめぐる議論のきっかけにもなった、象徴的な一館です。",[26,1812,1814],{"id":1813},"_8-大阪府立中之島図書館大阪府大阪市","8. 大阪府立中之島図書館（大阪府大阪市）",[908,1816],{"architect":1817,"location":1818,"name":1819,"slug":1820,"year":1821},"野口孫市","大阪府大阪市","大阪府立中之島図書館","library-unknown-137","1904年",[12,1823,1824],{},"最後は、“おしゃれ”の源流ともいえる歴史建築。大阪・中之島の水辺に建つ大阪府立中之島図書館は、1904年（明治37年）竣工、国の重要文化財です。",[12,1826,1827],{},"コリント式の列柱とペディメント（三角破風）、中央のドームを戴く重厚な正面は、まるでヨーロッパの宮殿。住友家の寄贈により野口孫市が設計したネオ・バロック様式の名建築が、今も現役の図書館として使われています。ガラスとコンクリートの現代建築とは対照的な、石造の風格を味わいに。",[26,1829,1831],{"id":1830},"おしゃれ図書館のめぐり方マナー","おしゃれ図書館のめぐり方・マナー",[12,1833,1834],{},"美しい空間を気持ちよく楽しむために、訪れる前に知っておきたいポイントです。",[242,1836,1837,1840,1843,1846],{},[245,1838,1839],{},"入館・閲覧は基本無料。ふらりと立ち寄って見学できる館がほとんどです。",[245,1841,1842],{},"撮影はルールを確認。他の利用者を写さない、フラッシュを使わない、撮影には申請が必要——といった条件がある館が多くあります。",[245,1844,1845],{},"飲食・会話・PCの可否は館により異なる。みるるや武雄市図書館のように飲食・会話に寛容な館もあれば、静粛が基本の館もあります。",[245,1847,1848],{},"休館日・開館時間は事前にチェック。月曜や月末整理日が休みの館が多めです。",[26,1850,259],{"id":259},[12,1852,1853],{},"Q. 日本で建築が美しい・おしゃれな図書館はどこですか？\nA. みんなの森 ぎふメディアコスモス（伊東豊雄）、金沢海みらい図書館、石川県立図書館「百万石ビブリオバウム」、TOYAMAキラリ（隈研吾）、せんだいメディアテーク（伊東豊雄）などが代表例です。木の温もりを生かした館から、光と曲線の現代建築、歴史的な洋風建築まで多彩です。",[12,1855,1856],{},"Q. 図書館の中で写真撮影はできますか？\nA. 館ごとにルールが異なります。他の利用者が写り込まない、フラッシュを使わない、撮影には申請が必要、といった条件があることが多いので、各館の公式案内や掲示に従ってください。",[12,1858,1859],{},"Q. おしゃれな図書館でも勉強や仕事はできますか？\nA. 閲覧席や学習席を備える館が多く可能ですが、静粛が基本です。PCの使用可否や私語・飲食の可否は館によって異なるため、利用前に各館のルールを確認しましょう。",[12,1861,1862],{},"Q. 入館は無料ですか？\nA. この記事で紹介した図書館は、いずれも入館・閲覧は無料です（特別展や一部の有料サービスを除く）。",[26,1864,278],{"id":277},[12,1866,1867],{},"本記事は、自習室比較ナビが収録する全国の図書館データと、各施設の公開情報・建築に関する公表資料をもとに編集部が構成しています。設計者・竣工年などの事実は2026年6月時点で各施設や公的資料を確認しました。掲載写真は各施設のGoogleマップ等で公開されている写真を利用しています。開館時間・休館日・撮影可否などの最新情報は、必ず各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,1869,1870],{"id":1870},"建築家別にもっと深く",[12,1872,1873],{},"特定の建築家の世界観をじっくり味わいたい方へ。代表作を写真とともに深掘りした特集もどうぞ。",[242,1875,1876,1882],{},[245,1877,1878,1881],{},[291,1879,1880],{"href":293},"建築家・伊東豊雄の図書館","（せんだいメディアテーク／ぎふメディアコスモス）",[245,1883,1884,1887],{},[291,1885,1886],{"href":298},"建築家・隈研吾の図書館","（雲の上の図書館 梼原／TOYAMAキラリ）",[26,1889,284],{"id":284},[242,1891,1892,1896,1909],{},[245,1893,1894],{},[291,1895,322],{"href":321},[245,1897,1333,1898,295,1900,295,1904,295,1906,1908],{},[291,1899,1626],{"href":1625},[291,1901,1903],{"href":1902},"\u002Fishikawa","石川県",[291,1905,1341],{"href":1340},[291,1907,1630],{"href":1629}," などの都道府県ページからも探せます。",[245,1910,1911,1912,300],{},"静かに集中できる場所をお探しなら ",[291,1913,1915],{"href":1914},"\u002Farticles\u002Ftop-rated-study-rooms","口コミ評価が高い人気自習室ランキング",[12,1917,1918],{},[340,1919,1350],{},{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":1921},[1922,1923,1924,1925,1926,1927,1928,1929,1930,1931,1932,1933,1934,1935],{"id":1698,"depth":345,"text":1698},{"id":1715,"depth":345,"text":1716},{"id":1727,"depth":345,"text":1728},{"id":1744,"depth":345,"text":1745},{"id":1760,"depth":345,"text":1761},{"id":1772,"depth":345,"text":1773},{"id":1784,"depth":345,"text":1785},{"id":1801,"depth":345,"text":1802},{"id":1813,"depth":345,"text":1814},{"id":1830,"depth":345,"text":1831},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":1870,"depth":345,"text":1870},{"id":284,"depth":345,"text":284},"伊東豊雄・隈研吾・仙田満ら著名建築家が手がけた、建物も内部も美しい全国のおしゃれな図書館を写真とともに巡る特集。みんなの森ぎふメディアコスモス、金沢海みらい図書館、石川県立図書館など8館を、設計者・竣工年・空間の見どころ付きで紹介します。",[1938,1941,1944,1947],{"q":1939,"a":1940},"日本で建築が美しい・おしゃれな図書館はどこですか？","みんなの森 ぎふメディアコスモス（伊東豊雄）、金沢海みらい図書館、石川県立図書館「百万石ビブリオバウム」、TOYAMAキラリ（隈研吾）、せんだいメディアテーク（伊東豊雄）などが代表例です。木の温もりを生かした館から、光と曲線の現代建築、歴史的な洋風建築まで多彩です。",{"q":1942,"a":1943},"図書館の中で写真撮影はできますか？","館ごとにルールが異なります。他の利用者が写り込まない、フラッシュを使わない、撮影には申請が必要、といった条件があることが多いので、各館の公式案内や掲示に従ってください。",{"q":1945,"a":1946},"おしゃれな図書館でも勉強や仕事はできますか？","閲覧席や学習席を備える館が多く可能ですが、静粛が基本です。PCの使用可否や私語・飲食の可否は館によって異なるため、利用前に各館のルールを確認しましょう。",{"q":1948,"a":1949},"入館は無料ですか？","この記事で紹介した図書館は、いずれも入館・閲覧は無料です（特別展や一部の有料サービスを除く）。",[1951,1952,1953,1954,1955,1956,1957,1958],{"name":1499,"slug":1500},{"name":1733,"slug":1734},{"name":1749,"slug":1750},{"name":1222,"slug":1223},{"name":1446,"slug":1447},{"name":1790,"slug":1791},{"name":912,"slug":913},{"name":1819,"slug":1820},{},[321],{"title":1687,"description":1936},"beautiful-libraries-japan",[],"articles\u002Fbeautiful-libraries-japan",[416,417,1398,1399,420,1966,1967],"全国","写真","z-p1DkBurRGqQXMlN_DS37qpnzi2kLD5nfLWz9gm3_U",{"id":1970,"title":1971,"author":7,"body":1972,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":2356,"extension":370,"faq":2357,"featured":2370,"meta":2381,"navigation":386,"path":999,"published":386,"related_lp":2382,"seo":2383,"series":390,"slug":2384,"sources":2385,"stem":2386,"tags":2387,"updated_at":1373,"__hash__":2391},"articles\u002Farticles\u002Ffeature-ccc-tsutaya-libraries.md","蔦屋書店が公共図書館を変えた｜CCC運営図書館の10年と賛否、街への効果",{"type":9,"value":1973,"toc":2321},[1974,1977,1980,1983,1987,1990,1993,1996,2000,2002,2005,2009,2012,2018,2022,2025,2031,2035,2038,2041,2047,2051,2056,2059,2063,2066,2072,2076,2079,2082,2086,2089,2093,2098,2101,2105,2108,2113,2117,2120,2124,2129,2132,2136,2139,2144,2148,2151,2155,2160,2163,2167,2170,2175,2179,2182,2186,2189,2193,2196,2199,2203,2206,2209,2213,2216,2219,2223,2226,2237,2240,2244,2258,2260,2263,2266,2269,2272,2274,2277,2279,2316],[12,1975,1976],{},"2013年4月、佐賀県の小さな市の図書館がリニューアルオープンした日、日本の公共図書館の景色は静かに変わりはじめた。年中無休、夜9時まで開館、館内にスターバックスと蔦屋書店——「武雄市図書館」。運営を担ったのは、TSUTAYAと蔦屋書店を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）だった。",[12,1978,1979],{},"それから約10年。CCCの公共図書館運営は、武雄から海老名、多賀城、徳山、和歌山、延岡へと広がった。同時に、激しい賛否両論の議論を生み、「ツタヤ図書館問題」という言葉まで生まれた。一方の旗手は「居たくなる図書館」を掲げ、もう一方の側は「公共の蔵書はどうあるべきか」を問い続けた。",[12,1981,1982],{},"この特集では、CCCが運営する公共図書館を5館ピックアップし、それぞれの建築・運営・街への効果を写真とともに見ていく。そして、賛否の論点を一度フラットに並べたうえで、この10年が公共図書館に何を残したのかを考えてみたい。",[26,1984,1986],{"id":1985},"はじまりの一冊-居たくなる図書館というアイデア","はじまりの一冊 — 「居たくなる図書館」というアイデア",[12,1988,1989],{},"公共図書館の常識を、CCCはいくつも書き換えた。年中無休。夜9時まで開館。館内の蔦屋書店で本を買える。スターバックスのコーヒー片手に席に着ける。レンタル DVD コーナーがある。",[12,1991,1992],{},"それまでの日本の公共図書館は、月曜休館・夕方5時閉館・館内飲食禁止・私語禁止が「当たり前」だった。1958年設計の旧・岐阜市立図書館本館（現在のメディアコスモスの前身）のように、半世紀も大きく変わらないまま使い続けられた館も多い。そこに「滞在型」「過ごす場所としての図書館」という考え方を、商業ベースで持ち込んだのがCCCだった。",[12,1994,1995],{},"賛否どちらの立場をとるにせよ、CCC以前と以後で「公共図書館はどんな場所であるべきか」という議論そのものの温度が変わったことは、まず動かない事実だろう。",[26,1997,1999],{"id":1998},"武雄市図書館佐賀県2013年-すべてはここから始まった","武雄市図書館（佐賀県・2013年） — すべては、ここから始まった",[908,2001],{"architect":910,"location":911,"name":912,"slug":913,"year":914},[12,2003,2004],{},"2012年5月、当時の樋渡啓祐市長が、CCCを指定管理者として図書館運営を任せると発表した。翌2013年4月、武雄市図書館は全面改装の上でリニューアルオープン。木組みの高い天井、書店との一体化、フリードリンクのスペース、年中無休で夜9時まで——「ここは本当に公共図書館なのか？」と思わせるその空間は、瞬く間に全国の注目を集めた。",[37,2006,2008],{"id":2007},"開館で起きたこと92万人が訪れた小さな市の図書館","［開館で起きたこと］92万人が訪れた小さな市の図書館",[12,2010,2011],{},"リニューアル後の2013年度、武雄市図書館の来館者数は約92万人を記録した。人口約5万人の市にとって、これは桁外れの数字だ。地元の人だけでなく、県外から「TSUTAYA図書館」を見に来る人も多く、図書館そのものが観光資源になった。市民の利用カード新規登録も急増し、CCC型の図書館運営は「公共施設の使われ方を変えうる」モデルとして全国の自治体から視察が相次いだ。",[19,2013],{"caption":2014,"credit":2015,"href":2016,"src":2017},"武雄市図書館・歴史資料館の外観。書店・図書館・歴史資料館が同居する。","Asacyan \u002F CC BY-SA 3.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Takeo_cl_00.JPG","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Ftakeo-exterior.jpg",[37,2019,2021],{"id":2020},"その後武雄市こども図書館の併設","［その後］武雄市こども図書館の併設",[12,2023,2024],{},"2017年には、隣接して武雄市こども図書館もオープン。CCC運営の図書館に「子ども専用館」が併設されるかたちで、家族で訪れて長時間過ごせる場所として育っていった。本館の話題性が一過性で終わらず、地域に根づく装置として育てられているのは、武雄モデルの一つの到達点と言える。",[19,2026],{"caption":2027,"credit":2028,"href":2029,"src":2030},"武雄市こども図書館（2017年開館）。本館と一体で「居場所」が広がった。","Baked Pudding \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:%E6%AD%A6%E9%9B%84%E5%B8%82%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E5%9B%B3%E6%9B%B8%E9%A4%A8.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Ftakeo-kodomo.jpg",[37,2032,2034],{"id":2033},"論争の発端1万冊の選書問題","［論争の発端］1万冊の選書問題",[12,2036,2037],{},"しかし、武雄が「TSUTAYA図書館問題」の象徴にもなった出来事がある。2013年のリニューアル時にCCCが新規購入した約1万冊の書籍について、2015年8月、市民団体の調査により、『公認会計士第2次試験 2001』『海外金融商品全ガイド 2001』など10年以上前の実用書や、地元から遠く離れた地域のグルメガイドなど、明らかに資料的価値の乏しい本が大量に含まれていたことが明らかになった。",[12,2039,2040],{},"これは「公共図書館の選書とは何か」という根本的な問いを突きつけ、市民グループによる訴訟にまで発展した。日本図書館協会・図書館問題研究会も慎重な検討を求める声明を出し、CCCの運営モデルそのものが社会的議論の俎上にのぼった。",[2042,2043,2044],"blockquote",{},[12,2045,2046],{},"公共図書館が「滞在の心地よさ」を獲得した代償に、「資料としての確かさ」を一部失った——この緊張が、武雄から始まる10年の議論の核になっていく。",[26,2048,2050],{"id":2049},"海老名市立中央図書館神奈川県2015年-首都圏初の登場","海老名市立中央図書館（神奈川県・2015年） — 首都圏初の登場",[19,2052],{"caption":2053,"credit":1238,"href":2054,"src":2055},"JR海老名駅近くに立つ、海老名市立中央図書館の外観。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Ebina_City_Central_Library_ac_(1).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Febina-exterior.jpg",[12,2057,2058],{},"武雄から2年、CCCは関東圏に進出した。2015年10月1日、海老名市立中央図書館がリニューアルオープン。CCCと株式会社図書館流通センター（TRC）の共同事業体が運営する形での開館だった。",[37,2060,2062],{"id":2061},"構成蔦屋書店スターバックス通常の公共図書館","［構成］蔦屋書店＋スターバックス＋通常の公共図書館",[12,2064,2065],{},"1階に蔦屋書店とスターバックスを併設し、年中無休・朝9時から夜9時まで開館。武雄で確立した「滞在型図書館」の形式を、より大きな都市（海老名市は人口約14万人）に展開した実験でもあった。リニューアル直後から来館者数は跳ね上がり、夜の時間帯に学生や社会人が席を埋める光景は、明らかにそれまでの公共図書館とは違うものだった。",[19,2067],{"caption":2068,"credit":2069,"href":2070,"src":2071},"昼の海老名市立中央図書館。リニューアル直後の様子。","Araisyohei \u002F CC BY-SA 3.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:EbinaCityLibrary_2015-10-04_1.JPG","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Febina-day.jpg",[37,2073,2075],{"id":2074},"議論タイの夜遊びガイドと独自分類","［議論］「タイの夜遊びガイド」と独自分類",[12,2077,2078],{},"しかし、リニューアル直後にいくつもの問題が表面化する。2015年10月、新規購入の書籍に『タイバンコク夜遊び地図』など海外の風俗関連ガイド3冊が含まれていることが外部からの指摘で判明し、海老名市教育委員会はこれらの本の貸出を中止することを決めた。",[12,2080,2081],{},"選書に加えて、もう一つ批判を浴びたのが独自の分類だった。日本の公共図書館の多くは「日本十進分類法（NDC）」を使っているが、海老名はCCC独自の分類を採用。結果、三島由紀夫の小説『金閣寺』が「国内旅行」、東野圭吾の小説『手紙』が「手紙の書き方」に分類されるなど、書名から機械的に振り分けたとしか思えない誤分類が多発した。一部は批判を受けて後に修正されている。",[37,2083,2085],{"id":2084},"その後運営体制の見直し","［その後］運営体制の見直し",[12,2087,2088],{},"リニューアル直後にはCCCとTRCの間で運営方針の「ズレ」も報じられ、共同事業体としての運営はいくつかの調整局面を経た。とはいえ、夜まで開いている館に学生や社会人が集まる光景は、首都圏に近い場所での「滞在型図書館」の需要を可視化したと言える。海老名は武雄に続く2例目として、CCC型図書館の運営モデルが都市部でどう機能するかを試す重要なケースになった。",[26,2090,2092],{"id":2091},"多賀城市立図書館宮城県2016年-駅前でまちの拠点になる","多賀城市立図書館（宮城県・2016年） — 駅前で「まちの拠点」になる",[19,2094],{"caption":2095,"credit":1238,"href":2096,"src":2097},"JR多賀城駅と並んで立つ、多賀城市立図書館。駅前再開発と一体的に整備された。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:JR_Tagajo_Station_and_Tagajo_City_Library_ac.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Ftagajo-station.jpg",[12,2099,2100],{},"2016年、宮城県多賀城市立図書館がリニューアル。武雄・海老名に続くCCC運営の公共図書館だが、大きく違うのは、JR多賀城駅の駅前再開発と一体になって新築されたこと。図書館単体ではなく、駅周辺のまちづくりの核として設計された。",[37,2102,2104],{"id":2103},"街への溶け込み市民のもうひとつの家","［街への溶け込み］「市民のもうひとつの家」",[12,2106,2107],{},"多賀城は「市民のもうひとつの家」をコンセプトに掲げ、座席数の多さ・居心地の良さを重視して設計された。書店・カフェ・図書館を一体化したCCCモデルに、駅前という立地の力が加わったことで、通勤・通学の動線上にある「日常的に立ち寄れる場所」として機能した。武雄が「目的地としての図書館」だったのに対し、多賀城は「通り道としての図書館」とも言える。",[19,2109],{"caption":2110,"credit":1238,"href":2111,"src":2112},"多賀城市立図書館のエントランス。書店・カフェへの導線も自然につながる。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Tagajo_City_Library_entrance_ac.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Ftagajo-entrance.jpg",[37,2114,2116],{"id":2115},"位置づけ東日本大震災からの復興と公共空間","［位置づけ］東日本大震災からの復興と公共空間",[12,2118,2119],{},"多賀城は東日本大震災で被災した地域でもある。震災後の駅前再整備事業のなかに「居心地のよい公共空間」をどう組み込むか——その答えとしてCCC型図書館が選ばれたことには、復興と公共施設の現代化を重ねた地域戦略の意味があった。",[26,2121,2123],{"id":2122},"周南市立徳山駅前図書館山口県2018年-駅前型の進化形","周南市立徳山駅前図書館（山口県・2018年） — 「駅前型」の進化形",[19,2125],{"caption":2126,"credit":1238,"href":2127,"src":2128},"JR徳山駅と直結する周南市立徳山駅前図書館。駅と図書館が一体化している。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Shunan_City_Tokuyama_Ekimae_Library_2021-08_ac_(1).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Fshunan-1.jpg",[12,2130,2131],{},"2018年2月、山口県のJR徳山駅と一体化した周南市立徳山駅前図書館が開館した。2016年、市議会で指定管理者がCCCに決定し、駅舎の改築と図書館を一体の再開発プロジェクトとして進めた、極めて野心的な事業だった。",[37,2133,2135],{"id":2134},"設計駅と図書館をひと続きにする","［設計］駅と図書館を、ひと続きにする",[12,2137,2138],{},"徳山駅前図書館の特徴は、改札を出てそのまま図書館に入れる動線にある。新たに整備された南北自由通路から図書館へとつながる構成で、通勤・通学帰りに本を借りる、待ち時間に席で過ごす——という使い方が日常になる。地方都市のターミナル駅と図書館を物理的に接続することで、駅前の人通り自体を変える試みだった。",[19,2140],{"caption":2141,"credit":1238,"href":2142,"src":2143},"徳山駅前図書館の別アングル。駅前広場の景観の一部として設計されている。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Shunan_City_Ekimae_Library_2026-03_ac.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Fshunan-2.jpg",[37,2145,2147],{"id":2146},"街への効果地方都市の駅前活性化のモデル","［街への効果］地方都市の駅前活性化のモデル",[12,2149,2150],{},"地方都市の中心駅前は、全国どこでも空洞化が進む。周南市は徳山駅前のビルを建て替え、賑わい交流施設と図書館をひとつのプロジェクトとして整備することで、駅前に人を呼び戻す装置として図書館を位置づけた。多賀城の「駅前と一体化」というアイデアを、より明示的・大規模に推し進めた事例といえる。",[26,2152,2154],{"id":2153},"和歌山市民図書館和歌山県2020年-駅と複合施設の連結","和歌山市民図書館（和歌山県・2020年） — 駅と複合施設の連結",[19,2156],{"caption":2157,"credit":1238,"href":2158,"src":2159},"南海和歌山市駅と一体の複合施設「キーノ和歌山」に入る和歌山市民図書館。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Wakayama_Civic_Library_2021-09_ac.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Fwakayama-1.jpg",[12,2161,2162],{},"2020年6月、和歌山市民図書館は南海和歌山市駅を中心とする複合施設「キーノ和歌山」に移転オープンした。徳山駅前の延長線上にある、より大規模な「駅と図書館の一体化」プロジェクトだ。",[37,2164,2166],{"id":2165},"構成駅商業図書館をひとつの建物に","［構成］駅・商業・図書館をひとつの建物に",[12,2168,2169],{},"「キーノ和歌山」は、駅・商業施設・公共施設棟を一体で再開発した複合施設で、図書館はその公共施設棟に入る。CCCが運営を担い、商業エリアと連続した賑わい空間として、ショッピングや通勤のついでに立ち寄れる場所として設計された。2016年から始まった和歌山市駅前再開発の中核機能でもある。",[19,2171],{"caption":2172,"credit":1238,"href":2173,"src":2174},"図書館エリアの別アングル。キーノ和歌山の一部として整備されている。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Wakayama_Civic_Library_2021-09_ac_(2).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fccc\u002Fwakayama-2.jpg",[37,2176,2178],{"id":2177},"意味地方私鉄ターミナルの再生","［意味］地方私鉄ターミナルの再生",[12,2180,2181],{},"南海和歌山市駅は、長年「南海の終点で寂しい」と言われてきた駅だった。そこに図書館・商業・住居を束ねた複合施設を建てることで、駅そのものの位置づけを変えた。これも、武雄が打ち出した「居たくなる図書館」を、まちづくりの文脈にまで拡張した試みだ。",[26,2183,2185],{"id":2184},"ccc型図書館をめぐる3つの論点","CCC型図書館をめぐる、3つの論点",[12,2187,2188],{},"5館をひととおり見たうえで、賛否の議論を整理しておきたい。CCC型図書館をめぐる主な論点は3つに集約できる。",[37,2190,2192],{"id":2191},"論点1選書と公共性","論点1：選書と「公共性」",[12,2194,2195],{},"最も激しく議論されたのが、選書の質と独立性だった。武雄での古書混入、海老名での不適切な書籍混入は、いずれも開館直後に表面化した。背景には、CCCが運営する書店の在庫管理の発想と、公共図書館の選書の独立性という、性格の異なる二つの価値観の衝突がある。",[12,2197,2198],{},"公共図書館の選書は「いま売れている本」だけでは成り立たない。郷土資料の収集、専門書の長期保存、特定の利用者層（高齢者・障害者・外国人など）への配慮、これらは商業ベースだけでは判断できない。CCC型図書館は、この「専門性」をどう担保するかを問われ続けてきた。",[37,2200,2202],{"id":2201},"論点2分類検索と使いやすさ","論点2：分類・検索と「使いやすさ」",[12,2204,2205],{},"海老名の独自分類問題に代表されるように、CCC運営図書館では日本十進分類法（NDC）とは異なる独自分類が採用されたことが議論を呼んだ。「ジャンルで探したい初心者」には親しみやすい一方、「特定の本や著者で探す利用者」「他館との連携」には不便という指摘がある。一部は批判を受けて修正された。",[12,2207,2208],{},"公共図書館は研究者から子どもまでさまざまな利用者を支える必要があり、検索性は「使いやすさ」だけでは測れない複層的な機能だ。",[37,2210,2212],{"id":2211},"論点3指定管理と市民参加","論点3：指定管理と「市民参加」",[12,2214,2215],{},"そもそも、公共図書館の運営を民間企業に任せること自体への議論もある。指定管理者制度は2003年の地方自治法改正で導入され、図書館にも適用されてきたが、CCCのケースは「営利企業＋全国チェーン」という性格上、地域の選書や運営への市民参加がどう確保されるかが繰り返し問われた。",[12,2217,2218],{},"愛知県小牧市では2015年、CCC型図書館の計画への賛否を問う住民投票で反対多数となり、計画は白紙撤回された。市民の側がはっきり「ノー」を突きつけたケースとして、いまも参照される出来事だ。",[26,2220,2222],{"id":2221},"それでもcccが残したもの","それでも、CCCが残したもの",[12,2224,2225],{},"これだけの議論を巻き起こした一方で、CCC型図書館がこの10年で残したものも確かにある。",[242,2227,2228,2231,2234],{},[245,2229,2230],{},"「滞在型図書館」を当たり前にした：年中無休・夜21時まで開館・館内飲食可。これらは、CCC以後に新設・建て替えされた多くの公共図書館に部分的に取り入れられた。",[245,2232,2233],{},"駅前再開発の核としての図書館：多賀城・徳山・和歌山と続いた「駅と一体の図書館」というモデルは、地方都市のまちづくり手法として広く参照されている。",[245,2235,2236],{},"公共図書館への注目を集めた：賛否どちらにせよ、「公共図書館はどうあるべきか」という議論をメディアの一般話題にした効果は大きい。",[12,2238,2239],{},"学術誌の評論でも、CCC運営の図書館は「半世紀にわたってほとんど変わらなかった日本の公共図書館像」に大きな議論を巻き起こしたと指摘されている。批判があったからこそ、公共図書館の専門性・独立性・市民参加といった概念が改めて議論された——それ自体、この10年の重要な成果だろう。",[26,2241,2243],{"id":2242},"_5館をめぐる訪れ方のヒント","5館をめぐる、訪れ方のヒント",[242,2245,2246,2249,2252,2255],{},[245,2247,2248],{},"いずれも入館・閲覧は無料。蔦屋書店の本・スターバックスは独立した有料サービス。",[245,2250,2251],{},"開館時間は年中無休・朝9時から夜21時が基本（館により異なる場合あり）。",[245,2253,2254],{},"撮影や会話、PC利用などのルールは館ごとに違うので、来館前に各館の公式サイトで確認を。",[245,2256,2257],{},"武雄・多賀城・徳山・和歌山は駅から近く、いずれも建築や複合施設としても楽しめる。",[26,2259,259],{"id":259},[12,2261,2262],{},"Q. CCC（カルチュア・コンビニエンス・クラブ）とは何ですか？\nA. TSUTAYA・蔦屋書店を展開する企業です。2013年4月、佐賀県の武雄市図書館の指定管理者となり、公共図書館の運営を始めました。年中無休・夜21時まで開館・館内に蔦屋書店とスターバックスを併設する独自の運営スタイルで、公共図書館のあり方をめぐる大きな議論を巻き起こしました。",[12,2264,2265],{},"Q. CCCが運営している公共図書館はどこですか？\nA. 2026年6月時点で、武雄市図書館（2013年）、海老名市立中央図書館（2015年・TRCとの共同事業体）、多賀城市立図書館（2016年）、周南市立徳山駅前図書館（2018年）、和歌山市民図書館（2020年）、延岡市立図書館（2022年）などがあります。指定管理者契約はそれぞれ自治体ごとに更新されています。",[12,2267,2268],{},"Q. 「TSUTAYA図書館」の問題点とは何ですか？\nA. 主な批判は、（1）開館時の選書に古い実用書や地域に無関係なガイドブックが混入していた問題、（2）独自分類による検索のしにくさ、（3）営利企業と公共図書館の役割の混同への懸念、（4）指定管理者の選定プロセスの透明性、などです。一方で、年中無休・夜21時までの開館、来館者数の大幅増、まちの活性化への寄与といった肯定的評価もあります。",[12,2270,2271],{},"Q. CCC運営の図書館で本を借りるのは無料ですか？\nA. はい、公共図書館としての本の貸出・閲覧は通常の市立図書館と同様に無料です。併設の蔦屋書店やスターバックスは独立した有料サービスで、書店の本を購入したり、コーヒーを注文して読書スペースで楽しんだりできます。",[26,2273,278],{"id":277},[12,2275,2276],{},"本記事は、各施設・自治体・CCCの公開情報、新聞・雑誌等の公表資料、日本図書館協会・図書館問題研究会の声明等を参照し、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。選書問題や訴訟、住民投票などの個別事実は、各種報道・Wikipedia・公的資料で確認しました。掲載写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の開館状況・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,2278,284],{"id":284},[242,2280,2281,2286,2292,2296],{},[245,2282,2283,2284,308],{},"建築の総まとめは ",[291,2285,307],{"href":306},[245,2287,1008,2288,295,2290,300],{},[291,2289,294],{"href":293},[291,2291,299],{"href":298},[245,2293,2294],{},[291,2295,322],{"href":321},[245,2297,1333,2298,295,2302,295,2306,295,2308,295,2312,336],{},[291,2299,2301],{"href":2300},"\u002Fsaga","佐賀県",[291,2303,2305],{"href":2304},"\u002Fkanagawa","神奈川県",[291,2307,1630],{"href":1629},[291,2309,2311],{"href":2310},"\u002Fyamaguchi","山口県",[291,2313,2315],{"href":2314},"\u002Fwakayama","和歌山県",[12,2317,2318],{},[340,2319,2320],{},"運営体制・指定管理者・開館状況は変更される場合があります。来館前に各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。",{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":2322},[2323,2324,2329,2334,2338,2342,2346,2351,2352,2353,2354,2355],{"id":1985,"depth":345,"text":1986},{"id":1998,"depth":345,"text":1999,"children":2325},[2326,2327,2328],{"id":2007,"depth":350,"text":2008},{"id":2020,"depth":350,"text":2021},{"id":2033,"depth":350,"text":2034},{"id":2049,"depth":345,"text":2050,"children":2330},[2331,2332,2333],{"id":2061,"depth":350,"text":2062},{"id":2074,"depth":350,"text":2075},{"id":2084,"depth":350,"text":2085},{"id":2091,"depth":345,"text":2092,"children":2335},[2336,2337],{"id":2103,"depth":350,"text":2104},{"id":2115,"depth":350,"text":2116},{"id":2122,"depth":345,"text":2123,"children":2339},[2340,2341],{"id":2134,"depth":350,"text":2135},{"id":2146,"depth":350,"text":2147},{"id":2153,"depth":345,"text":2154,"children":2343},[2344,2345],{"id":2165,"depth":350,"text":2166},{"id":2177,"depth":350,"text":2178},{"id":2184,"depth":345,"text":2185,"children":2347},[2348,2349,2350],{"id":2191,"depth":350,"text":2192},{"id":2201,"depth":350,"text":2202},{"id":2211,"depth":350,"text":2212},{"id":2221,"depth":345,"text":2222},{"id":2242,"depth":345,"text":2243},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"2013年の武雄市図書館から始まったCCC（カルチュア・コンビニエンス・クラブ）の公共図書館運営。海老名、多賀城、徳山、和歌山、延岡——10年で全国に広がった「居たくなる図書館」は何を変え、何を残したのか。賛否両論の論点と街への効果を、5館の写真とともに深掘りします。",[2358,2361,2364,2367],{"q":2359,"a":2360},"CCC（カルチュア・コンビニエンス・クラブ）とは何ですか？","TSUTAYA・蔦屋書店を展開する企業です。2013年4月、佐賀県の武雄市図書館の指定管理者となり、公共図書館の運営を始めました。年中無休・夜21時まで開館・館内に蔦屋書店とスターバックスを併設する独自の運営スタイルで、公共図書館のあり方をめぐる大きな議論を巻き起こしました。",{"q":2362,"a":2363},"CCCが運営している公共図書館はどこですか？","2026年6月時点で、武雄市図書館（2013年）、海老名市立中央図書館（2015年・TRCとの共同事業体）、多賀城市立図書館（2016年）、周南市立徳山駅前図書館（2018年）、和歌山市民図書館（2020年）、延岡市立図書館（2022年）などがあります。指定管理者契約はそれぞれ自治体ごとに更新されています。",{"q":2365,"a":2366},"「TSUTAYA図書館」の問題点とは何ですか？","主な批判は、（1）開館時の選書に古い実用書や地域に無関係なガイドブックが混入していた問題、（2）独自分類による検索のしにくさ、（3）営利企業と公共図書館の役割の混同への懸念、（4）指定管理者の選定プロセスの透明性、などです。一方で、年中無休・夜21時までの開館、来館者数の大幅増、まちの活性化への寄与といった肯定的評価もあります。",{"q":2368,"a":2369},"CCC運営の図書館で本を借りるのは無料ですか？","はい、公共図書館としての本の貸出・閲覧は通常の市立図書館と同様に無料です。併設の蔦屋書店やスターバックスは独立した有料サービスで、書店の本を購入したり、コーヒーを注文して読書スペースで楽しんだりできます。",[2371,2372,2375,2378],{"name":912,"slug":913},{"name":2373,"slug":2374},"蔦屋書店 周南市立徳山駅前図書館","coworking-unknown-196",{"name":2376,"slug":2377},"蔦屋書店 和歌山市民図書館","coworking-unknown-54",{"name":2379,"slug":2380},"多賀城市立図書館","library-unknown-231",{},[321],{"title":1971,"description":2356},"feature-ccc-tsutaya-libraries",[],"articles\u002Ffeature-ccc-tsutaya-libraries",[416,1121,1122,2388,420,2389,2390],"TSUTAYA図書館","公共図書館","指定管理","pENQcba_QaVAsz54XBZZZJjAtYEU3w7BKhclsC0lVQk",{"id":2393,"title":2394,"author":7,"body":2395,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":2785,"extension":370,"faq":2786,"featured":2799,"meta":2803,"navigation":386,"path":2804,"published":386,"related_lp":2805,"seo":2806,"series":390,"slug":2807,"sources":2808,"stem":2809,"tags":2810,"updated_at":1373,"__hash__":2817},"articles\u002Farticles\u002Ffeature-historic-libraries.md","歴史を背負った図書館｜明治・大正・昭和の名建築を訪ねて",{"type":9,"value":2396,"toc":2746},[2397,2400,2403,2406,2410,2413,2416,2419,2423,2426,2431,2434,2437,2440,2443,2446,2449,2453,2456,2460,2465,2468,2472,2475,2478,2482,2485,2488,2492,2498,2501,2504,2507,2511,2514,2518,2521,2525,2528,2532,2535,2538,2542,2545,2549,2556,2562,2565,2569,2575,2581,2584,2588,2591,2595,2598,2601,2605,2610,2613,2617,2620,2623,2626,2629,2633,2636,2640,2643,2646,2650,2653,2657,2660,2663,2667,2687,2690,2692,2695,2698,2701,2704,2706,2709,2711,2742],[12,2398,2399],{},"新しい図書館の話ばかりが盛り上がっている時代に、もう一つの図書館の歴史も書いておきたい。明治・大正・昭和の名建築として今も現役で開いている図書館たちのことだ。",[12,2401,2402],{},"ガラスと木格子で覆われた現代の図書館を巡り終えたあとで、たとえば大阪・中之島に建つ重厚な石造ファサードを見上げると、現代建築では到底真似できない「時代の重さ」を感じる。あるいは京都・岡崎の小さな旧館に入ると、明治の終わりに「東洋一の図書館をつくろう」と志した人々の熱量が、壁の装飾の細部にまで残されている。",[12,2404,2405],{},"この特集では、日本の図書館建築の系譜を明治・大正・昭和の名建築をたどりながら6館巡る。現代の図書館特集とぜひ並べて読んでほしい。100年を超える時間の流れの中で、図書館建築は何を変え、何を残してきたのか。",[26,2407,2409],{"id":2408},"序章-なぜ図書館は石造で始まったのか","序章 — 「なぜ図書館は石造で始まったのか」",[12,2411,2412],{},"日本の近代図書館建築は、明治後期に始まる。当時のお手本は、ヨーロッパとアメリカの大図書館だった。ボストン公共図書館、シカゴのニューベリー図書館、フランス国立図書館。日本の建築家たちは、これらの「西洋の知の殿堂」を見聞して帰り、石造のドームと列柱で「日本の図書館はこうあるべきだ」というビジョンを描いた。",[12,2414,2415],{},"それは単なる西洋模倣ではない。当時の日本人にとって、図書館とは「国を支える知のインフラ」だった。それを格式ある建築でかたちにすることは、公共図書館を社会に定着させるための、いわば建築による宣言だった。中之島で始まり、京都・上野・横浜・神戸へと続いていった図書館建築群を見ると、その時代の意志が伝わってくる。",[12,2417,2418],{},"戦後になると、流れは変わる。1950年代、前川國男はル・コルビュジエに学んだモダニズムを日本に持ち込み、神奈川県立図書館（1954年）で打ち放しコンクリートとホローブリックという新しい語彙を提示した。明治の石造から、戦後のコンクリートへ——図書館建築は、それぞれの時代の建築思想を映す鏡だった。",[26,2420,2422],{"id":2421},"大阪府立中之島図書館1904年-明治の名建築の源流","大阪府立中之島図書館（1904年） — 明治の名建築の源流",[908,2424],{"architect":2425,"location":1818,"name":1819,"slug":1820,"year":1821},"野口孫市・日高胖",[19,2427],{"caption":2428,"credit":132,"href":2429,"src":2430},"大阪府立中之島図書館。コリント式の列柱と中央のドームを戴く、明治期の西洋古典様式建築の代表例。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Osaka_Prefectural_Nakanoshima_Library_20250831.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fhistoric\u002Fnakanoshima.jpg",[12,2432,2433],{},"大阪・中之島の水辺、堂島川と土佐堀川に挟まれた中州の一角に建つ重厚な石造建築。明治37年（1904年）竣工の大阪府立中之島図書館は、現在も現役の図書館として運営されている、国の重要文化財だ。",[37,2435,2436],{"id":2436},"寄贈という出自",[12,2438,2439],{},"中之島の物語は、住友家第15代当主・住友友純による寄贈から始まる。住友家は明治の関西を代表する財閥で、図書館建築と図書購入費を大阪府に寄贈した。設計を担ったのは、住友家の建築顧問だった野口孫市と、日高胖。両者の共同設計として完成したのが、この建物だ。",[37,2441,2442],{"id":2442},"ヨーロッパの宮殿のような正面",[12,2444,2445],{},"コリント式の列柱、三角形のペディメント（破風）、中央に戴く銅葺きのドーム——重厚な石造の正面は、まさにヨーロッパの宮殿のよう。外観はルネサンス様式、内部装飾にはバロック様式の要素が取り入れられた、明治期の西洋古典様式建築の代表例だ。当時の日本の公共建築が西洋古典様式から多くを学んでいたことを物語っている。",[12,2447,2448],{},"1922年には、現在も使われている左右両翼の増築が加わり、現在の三館一体の構成になった。本館・両翼ともに、設計当初の意匠が概ね保たれている。",[37,2450,2452],{"id":2451},"今も現役の本の宮殿","今も現役の「本の宮殿」",[12,2454,2455],{},"驚くべきことに、中之島図書館は重要文化財でありながら、今も普通の図書館として開いている。歴史展示室はもちろん、書架もある。古い建築のなかで本を読むという、現代の新築図書館とはまったく違う体験ができる場所だ。ガラスとコンクリートの現代建築に少し疲れた人にこそ、訪れてほしい一館である。",[26,2457,2459],{"id":2458},"京都府立図書館1909年-大正建築の先駆け武田五一","京都府立図書館（1909年） — 大正建築の先駆け、武田五一",[19,2461],{"caption":2462,"credit":1238,"href":2463,"src":2464},"京都府立図書館の旧館。武田五一設計（1909年）。背後に現代の新館がガラスで覆う。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Kyoto_Prefectural_Library_ac.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fhistoric\u002Fkyoto-prefectural.jpg",[12,2466,2467],{},"京都・岡崎、平安神宮の参道沿いに小さな名建築が建つ。京都府立図書館の旧館だ。明治42年（1909年）、京都帝国大学（現・京都大学）の初代建築学科教授であった武田五一が設計した。",[37,2469,2471],{"id":2470},"日本のセセッションを体現する建築","「日本のセセッション」を体現する建築",[12,2473,2474],{},"武田五一は、ヨーロッパ留学で当時最先端だったウィーン分離派（セセッション）の建築思想に触れ、日本にいち早く紹介した建築家として知られる。京都府立図書館は、その武田が日本に持ち込んだ新しい意匠を体現する代表作のひとつだ。",[12,2476,2477],{},"正面の柱は、ヨーロッパ古典様式の重厚さとは違う、もっとシンプルで装飾を抑えた表現。アーチ窓と幾何学的なディテールが、20世紀初頭の「新しさ」を感じさせる。中之島が古典様式の重厚さなら、京都府立はもう少し時代を進めた、大正期のアール・デコの先駆けといえる雰囲気を持っている。",[37,2479,2481],{"id":2480},"現代との対話としての新館","「現代との対話」としての新館",[12,2483,2484],{},"注目してほしいのが、写真の旧館の背後に見えるガラスの新館だ。京都府立図書館は2001年に大改修され、武田の旧館は外観・主要部分を保存しつつ、後ろにガラスの新館を建てる構成になっている。歴史建築の意匠を残しながら現役として使い続けるための、見事なリノベーション設計だ。",[12,2486,2487],{},"明治の終わりに建てられた建物を、21世紀の図書館機能で蘇らせる——これは現代の文化財建築リノベーションのモデルケースのひとつとして、しばしば建築論で言及される。",[26,2489,2491],{"id":2490},"東洋文庫1924年創設-専門図書館という別の系譜","東洋文庫（1924年創設） — 専門図書館という別の系譜",[19,2493],{"caption":2494,"credit":2495,"href":2496,"src":2497},"東洋文庫ミュージアム（2011年開館）の外観。1924年創設の専門図書館の、現代の顔。","Dzz77 \u002F CC BY-SA 3.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Toyobunko_new2.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fhistoric\u002Ftoyobunko.jpg",[12,2499,2500],{},"ここで少し趣を変えて、専門図書館の系譜にも触れておきたい。東京・駒込にある「東洋文庫」は、大正13年（1924年）に三菱第3代社長・岩崎久弥が創設した、東洋学の専門研究図書館だ。",[37,2502,2503],{"id":2503},"岩崎家のコレクションが核",[12,2505,2506],{},"東洋文庫の核は、明治末から大正にかけて岩崎久弥が買い集めた、東アジア・南アジアの古典籍コレクションである。書籍数は約100万冊。国宝5件・重要文化財7件を含む、世界的にも有数の東洋学コレクションを擁する。",[37,2508,2510],{"id":2509},"_2011年ミュージアム棟の開館","2011年・ミュージアム棟の開館",[12,2512,2513],{},"長く研究者向けの専門施設だった東洋文庫は、2011年にミュージアム棟を新築。一般公開を始めた。写真の白く重厚な現代建築がそれだ。「モリソン書庫」と呼ばれる、天井までびっしりと洋書を並べた書架の景観は、SNSでも話題になる東洋文庫の見せ場のひとつ。",[37,2515,2517],{"id":2516},"歴史建築の図書館のもうひとつのかたち","「歴史建築の図書館」のもうひとつのかたち",[12,2519,2520],{},"中之島や京都府立が「建物そのものが歴史」であるのに対し、東洋文庫は「コレクションが歴史」だ。建築自体は2011年だが、その中身は100年かけて集められた東洋学の宝庫。図書館の歴史を考えるとき、建物だけでなく、こうした蔵書の蓄積も含めて見るべきだろう。",[26,2522,2524],{"id":2523},"神奈川県立図書館前川國男館1954年-戦後モダニズムの金字塔","神奈川県立図書館「前川國男館」（1954年） — 戦後モダニズムの金字塔",[12,2526,2527],{},"明治・大正の石造から半世紀、図書館建築は大きく変わる。1954年（昭和29年）に開館した神奈川県立図書館は、戦後日本の図書館建築の出発点となった。設計者は、ル・コルビュジエに学んだ前川國男。",[37,2529,2531],{"id":2530},"打ち放しコンクリートとホローブリック","「打ち放しコンクリート」と「ホローブリック」",[12,2533,2534],{},"前川は、戦前のヨーロッパ留学でコルビュジエの事務所に勤め、モダニズム建築を直接学んだ建築家だ。日本に戻り、戦後の公共建築で次々と新しい語彙を提示する。神奈川県立図書館では打ち放しコンクリート（型枠の跡を残した素地のコンクリート）と、ホローブリック（穴の開いた煉瓦ブロック）を使い、それまでの公共建築にない表情を生み出した。",[12,2536,2537],{},"ホローブリックは、装飾としてだけでなく、機能的にも光と風を通す要素として働く。後の伊東豊雄や金沢海みらい図書館のパンチングウォールが、半世紀のちにこの発想を受け継いでいくと考えると、戦後モダニズムから現代へとつながる図書館建築の系譜が見えてくる。",[37,2539,2541],{"id":2540},"_2021年重要文化財指定と前川國男館への改称","2021年・重要文化財指定と「前川國男館」への改称",[12,2543,2544],{},"前川國男の旧本館は、2021年8月に神奈川県の重要文化財に指定された。2022年、新本館（後述）のオープンに合わせて旧本館は「前川國男館」と改称され、保存・活用される予定となっている。戦後モダニズムの傑作として、建築界からは高く評価され続けてきた建物が、ようやく公式に「守るべき建築」として認められた。",[37,2546,2548],{"id":2547},"写真継承された新本館2022年","写真：継承された新本館（2022年）",[908,2550],{"architect":2551,"location":2552,"name":2553,"slug":2554,"year":2555},"前川國男（旧本館・1954）／石井秀明（新本館・2022）","神奈川県横浜市","神奈川県立図書館","library-unknown-56","1954／2022年",[19,2557],{"caption":2558,"credit":2559,"href":2560,"src":2561},"2022年9月開館の新本館。前川國男のホローブリックを、木の格子パネルで現代に翻訳した。","Suicasmo \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Kanagawa_Prefectural_Library_20221105-1.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fhistoric\u002Fkanagawa.jpg",[12,2563,2564],{},"写真は、2022年9月に開館した新本館（設計：石井秀明）。設計者は前川國男のホローブリックの効果を、木の格子パネルで現代に翻訳したと語っている。明治の石造、戦後のコンクリート、そして2020年代の木の格子——70年を経て、同じ場所で建築の語彙が変奏されていく様は、図書館建築の歴史そのもののようでもある。",[26,2566,2568],{"id":2567},"横浜市中央図書館1994年-前川派の継承","横浜市中央図書館（1994年） — 前川派の継承",[908,2570],{"architect":2571,"location":2552,"name":2572,"slug":2573,"year":2574},"前川建築設計事務所＋ミド同人 永田包昭","横浜市中央図書館","library-unknown-50","1994年",[19,2576],{"caption":2577,"credit":2578,"href":2579,"src":2580},"横浜市中央図書館のエントランス階段。前川建築設計事務所の系譜を引く設計。","Yoh-Plus \u002F CC BY 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Yokohama_central_library_Front_stairs2.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fhistoric\u002Fyokohama-central.jpg",[12,2582,2583],{},"神奈川県立図書館（前川國男館）から徒歩圏、野毛山公園に隣接して建つのが、横浜市中央図書館（1994年）。前川國男の死後も活動を続けた前川建築設計事務所と、ミド同人の永田包昭の共同設計による建物だ。",[37,2585,2587],{"id":2586},"南北に細い土地を六角形で活かす","「南北に細い土地」を六角形で活かす",[12,2589,2590],{},"中央図書館の敷地は、南北に細く折れ曲がった変則的なかたち。設計チームはこれを効率的に使うため、60度の柱割を採用し、結果として外観全体が六角形を組み合わせた特徴的なシルエットになった。土地の制約を、建築の意匠に転化した手腕が光る一作だ。",[37,2592,2594],{"id":2593},"前川派が伝えた素材と量塊の建築","前川派が伝えた「素材と量塊の建築」",[12,2596,2597],{},"前川國男から続く、コンクリートと素朴な仕上げの建築言語は、横浜市中央図書館にも受け継がれている。エントランスの大階段と高い天井、太い柱が作る量塊感は、ガラスとミニマルな線で構成された21世紀の図書館建築とはまったく違う、戦後モダニズム後期の余韻を残している。",[12,2599,2600],{},"戦後の前川國男から、半世紀後の弟子筋まで——図書館建築には、こうして「設計事務所の連なり」としての歴史もある。神奈川県立図書館の前川國男館とセットで訪れると、その系譜が立体的に見えてくる。",[26,2602,2604],{"id":2603},"坂出市立大橋記念図書館1979年-公共図書館建築のささやかな名作","坂出市立大橋記念図書館（1979年） — 公共図書館建築のささやかな名作",[19,2606],{"caption":2607,"credit":1238,"href":2608,"src":2609},"坂出市立大橋記念図書館の外観。寄贈者の名を冠した、地方都市の公共図書館の一例。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Sakaide_Ohashi_Memorial_Library_2021-08_ac_(1).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fhistoric\u002Fsakaide-ohashi.jpg",[12,2611,2612],{},"最後に、地方都市の小さな図書館も紹介したい。香川県坂出市にある坂出市立大橋記念図書館は、1979年（昭和54年）11月に開館した。設計は地域設計研究所。「大橋記念」の名は、1977年に坂出市へ塩田跡地と建設費を寄贈した大橋正行夫妻にちなむもので、瀬戸大橋とは別の由来である。1986年には館内に大橋正行の胸像も建てられている。",[37,2614,2616],{"id":2615},"自治体ごとの図書館が建てられた時代","「自治体ごとの図書館」が建てられた時代",[12,2618,2619],{},"1970〜80年代の日本は、地方自治体が一つひとつ独自の公共図書館を建てていった時代だ。大都市の旗艦館だけでなく、こうした小さな市立図書館にも、当時の建築家たちが知恵を絞っていた。中之島や前川國男のような「巨匠の名建築」ではないが、公共図書館建築のごく標準的な、しかし丁寧な実例として、坂出大橋記念図書館は記憶されてよい。",[37,2621,2622],{"id":2622},"歴史建築としての公共図書館",[12,2624,2625],{},"坂出大橋のような図書館は、日本全国に無数にある。1970〜80年代に建てられた地方の公共図書館の多くは、いま老朽化と建て替えのタイミングを迎えている。蔦屋書店が運営する駅前複合施設に置き換えられていく館もあれば、ひっそりと建物を更新して住民に使い続けられる館もある。",[12,2627,2628],{},"派手な話題にはならないが、こうした「日常の図書館建築」が、日本中の街角で本と人をつなぎ続けてきたこと——それも、歴史の一部だ。",[26,2630,2632],{"id":2631},"補論-図書館建築の100年を3つの視点で読む","補論 — 図書館建築の100年を、3つの視点で読む",[12,2634,2635],{},"6館を巡ったあとで、もう少し図書館建築の歴史を整理しておきたい。",[37,2637,2639],{"id":2638},"視点1素材で見る図書館の100年","視点1：素材で見る図書館の100年",[12,2641,2642],{},"明治末・大正初期は石とレンガの時代だった（中之島・京都府立）。戦後はコンクリート（前川國男）、その後コンクリート＋ガラス（前川派の継承、横浜市中央）。21世紀に入ると木と光が再び主役になる（金沢海みらい、ぎふメディアコスモス、雲の上の図書館）。",[12,2644,2645],{},"おもしろいのは、最古の石造図書館も、最新の木造図書館も、光を取り入れる工夫という点では同じテーマを扱っていることだ。中之島のドーム下の採光と、ぎふメディアコスモスのグローブと、技術や材料は違えど、目指している空気の質は驚くほど共通している。",[37,2647,2649],{"id":2648},"視点2図書館は誰のために建てられたか","視点2：図書館は誰のために建てられたか",[12,2651,2652],{},"中之島は住友家が、東洋文庫は岩崎久弥が、戦前の図書館は財閥や篤志家の寄贈で建てられた館も多い。戦後は税金で建てる公共図書館が標準になり、現代になると指定管理者制度で民間企業が運営する館も増えた。誰がお金を出し、誰が運営するか——それは時代の社会構造そのものを映している。",[37,2654,2656],{"id":2655},"視点3歴史建築と新築のあいだ","視点3：歴史建築と新築のあいだ",[12,2658,2659],{},"京都府立図書館の、武田の旧館の背後に立つガラスの新館。神奈川県立図書館の、前川國男館と隣接する2022年の新本館。これらは「歴史建築をどう活かしつつ、現代の機能をどう実装するか」という、図書館建築の永遠のテーマへの一つの回答だ。",[12,2661,2662],{},"ヨーロッパでは古い建物を改修して使い続けるのが当たり前だが、日本ではしばしば「建て替え」が選ばれてきた。中之島・京都府立・前川國男館が今も残り続けていることは、その意味で例外的な幸運だ。これらの建築を保存し活用することは、図書館の歴史を未来につなぐ営みでもある。",[26,2664,2666],{"id":2665},"_6館をめぐる訪れ方のヒント","6館をめぐる、訪れ方のヒント",[242,2668,2669,2672,2675,2678,2681,2684],{},[245,2670,2671],{},"大阪府立中之島図書館：大阪・中之島、京阪なにわ橋駅すぐ。中央公会堂と並んで中之島の景観を作っている。",[245,2673,2674],{},"京都府立図書館：京都市左京区岡崎、平安神宮や京都市美術館と同じ岡崎エリア。建築見学とセットで楽しめる。",[245,2676,2677],{},"東洋文庫ミュージアム：JR駒込駅・東京メトロ千石駅から徒歩。ミュージアムは有料、要時間。",[245,2679,2680],{},"神奈川県立図書館（前川國男館・新本館）：JR桜木町駅から徒歩。前川國男館は保存活用中。新本館は2022年9月開館。",[245,2682,2683],{},"横浜市中央図書館：京急日ノ出町駅・JR桜木町駅から徒歩。野毛山公園とあわせて散策可。",[245,2685,2686],{},"坂出市立大橋記念図書館：JR坂出駅すぐ。瀬戸大橋見学とセットで訪れる人も多い。",[12,2688,2689],{},"いずれも基本的に入館・閲覧は無料。撮影ルール・開館時間は各館の公式サイトで確認を。",[26,2691,259],{"id":259},[12,2693,2694],{},"Q. 歴史的に重要な日本の図書館建築はどこですか？\nA. 代表例として、大阪府立中之島図書館（1904年・野口孫市と日高胖、国の重要文化財）、京都府立図書館（1909年・武田五一の旧館）、神奈川県立図書館「前川國男館」（1954年・前川國男、神奈川県重要文化財）、東洋文庫（1924年創設・1980年代から東洋学の専門図書館として知られる）などがあります。いずれも今も現役の図書館や文化施設として活用されています。",[12,2696,2697],{},"Q. 歴史建築の図書館は、今も使えますか？\nA. ほとんどが現役で運営されており、本の貸出や閲覧、見学が可能です。重要文化財に指定された建物は内部の改装が難しい場合もありますが、安全な利用環境を保ちながら一般に公開されています。詳しい利用方法や開館時間は、各図書館の公式サイトでご確認ください。",[12,2699,2700],{},"Q. なぜ歴史建築の図書館を訪れる価値があるのですか？\nA. 現代建築の図書館と比べると、空間設計の発想・建材・装飾がまるで違います。中之島図書館の西洋古典様式、京都府立図書館のセセッション様式、前川國男の打ち放しコンクリートとホローブリック——それぞれが時代の建築思想を体現する貴重な実例で、建築見学だけでも訪れる価値があります。同時代の建築としてそこにあり続けることが、文化の連続性そのものです。",[12,2702,2703],{},"Q. 重要文化財の図書館で撮影はできますか？\nA. 建物外観の撮影はほぼ自由ですが、館内撮影には申請や条件が必要なことが多いです。他の利用者・展示品を写さない、フラッシュを使わない、商用利用は別途許可、などの条件が一般的。来館前に各館の公式サイトで撮影ルールを確認してください。",[26,2705,278],{"id":277},[12,2707,2708],{},"本記事は、各館・各建築家・国\u002F県の文化財指定情報など公開資料をもとに、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。設計者・竣工年・重要文化財指定などの事実は公的資料で確認しました。掲載写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の開館状況・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,2710,284],{"id":284},[242,2712,2713,2717,2728,2738],{},[245,2714,1322,2715,308],{},[291,2716,307],{"href":306},[245,2718,2719,2720,295,2722,295,2724,1013],{},"現代の建築家別では ",[291,2721,294],{"href":293},[291,2723,299],{"href":298},[291,2725,2727],{"href":2726},"\u002Farticles\u002Ffeature-senda-coelacanth","仙田満とシーラカンスK&H",[245,2729,2730,2731,2735,2736,300],{},"編集軸の特集としては ",[291,2732,2734],{"href":2733},"\u002Farticles\u002Ffeature-light-libraries","光を編む図書館"," や ",[291,2737,1000],{"href":999},[245,2739,2740],{},[291,2741,322],{"href":321},[12,2743,2744],{},[340,2745,1350],{},{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":2747},[2748,2749,2754,2758,2763,2768,2772,2776,2781,2782,2783,2784],{"id":2408,"depth":345,"text":2409},{"id":2421,"depth":345,"text":2422,"children":2750},[2751,2752,2753],{"id":2436,"depth":350,"text":2436},{"id":2442,"depth":350,"text":2442},{"id":2451,"depth":350,"text":2452},{"id":2458,"depth":345,"text":2459,"children":2755},[2756,2757],{"id":2470,"depth":350,"text":2471},{"id":2480,"depth":350,"text":2481},{"id":2490,"depth":345,"text":2491,"children":2759},[2760,2761,2762],{"id":2503,"depth":350,"text":2503},{"id":2509,"depth":350,"text":2510},{"id":2516,"depth":350,"text":2517},{"id":2523,"depth":345,"text":2524,"children":2764},[2765,2766,2767],{"id":2530,"depth":350,"text":2531},{"id":2540,"depth":350,"text":2541},{"id":2547,"depth":350,"text":2548},{"id":2567,"depth":345,"text":2568,"children":2769},[2770,2771],{"id":2586,"depth":350,"text":2587},{"id":2593,"depth":350,"text":2594},{"id":2603,"depth":345,"text":2604,"children":2773},[2774,2775],{"id":2615,"depth":350,"text":2616},{"id":2622,"depth":350,"text":2622},{"id":2631,"depth":345,"text":2632,"children":2777},[2778,2779,2780],{"id":2638,"depth":350,"text":2639},{"id":2648,"depth":350,"text":2649},{"id":2655,"depth":350,"text":2656},{"id":2665,"depth":345,"text":2666},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"1904年の大阪府立中之島図書館から、武田五一の京都府立、岩崎家の東洋文庫、前川國男の神奈川県立、その流れを継ぐ横浜市中央図書館まで——日本の図書館建築の系譜を、明治・大正・昭和の名建築をたどりながら写真とともに巡る特集。現代の図書館に並べてみることで、見えてくる「もう一つの歴史」がある。",[2787,2790,2793,2796],{"q":2788,"a":2789},"歴史的に重要な日本の図書館建築はどこですか？","代表例として、大阪府立中之島図書館（1904年・野口孫市と日高胖、国の重要文化財）、京都府立図書館（1909年・武田五一の旧館）、神奈川県立図書館「前川國男館」（1954年・前川國男、神奈川県重要文化財）、東洋文庫（1924年創設・1980年代から東洋学の専門図書館として知られる）などがあります。いずれも今も現役の図書館や文化施設として活用されています。",{"q":2791,"a":2792},"歴史建築の図書館は、今も使えますか？","ほとんどが現役で運営されており、本の貸出や閲覧、見学が可能です。重要文化財に指定された建物は内部の改装が難しい場合もありますが、安全な利用環境を保ちながら一般に公開されています。詳しい利用方法や開館時間は、各図書館の公式サイトでご確認ください。",{"q":2794,"a":2795},"なぜ歴史建築の図書館を訪れる価値があるのですか？","現代建築の図書館と比べると、空間設計の発想・建材・装飾がまるで違います。中之島図書館の西洋古典様式、京都府立図書館のセセッション様式、前川國男の打ち放しコンクリートとホローブリック——それぞれが時代の建築思想を体現する貴重な実例で、建築見学だけでも訪れる価値があります。同時代の建築としてそこにあり続けることが、文化の連続性そのものです。",{"q":2797,"a":2798},"重要文化財の図書館で撮影はできますか？","建物外観の撮影はほぼ自由ですが、館内撮影には申請や条件が必要なことが多いです。他の利用者・展示品を写さない、フラッシュを使わない、商用利用は別途許可、などの条件が一般的。来館前に各館の公式サイトで撮影ルールを確認してください。",[2800,2801,2802],{"name":1819,"slug":1820},{"name":2553,"slug":2554},{"name":2572,"slug":2573},{},"\u002Farticles\u002Ffeature-historic-libraries",[321],{"title":2394,"description":2785},"feature-historic-libraries",[],"articles\u002Ffeature-historic-libraries",[416,417,2811,2812,2813,2814,2815,2816,420],"歴史","重要文化財","明治","大正","昭和","前川國男","-JQgJWJuswpo-NMZ5AOm1K8F0Jy1ZpYsMIWQvSJ7I4U",{"id":2819,"title":2820,"author":7,"body":2821,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":3237,"extension":370,"faq":3238,"featured":3251,"meta":3259,"navigation":386,"path":2733,"published":386,"related_lp":3260,"seo":3261,"series":390,"slug":3262,"sources":3263,"stem":3264,"tags":3265,"updated_at":1373,"__hash__":3268},"articles\u002Farticles\u002Ffeature-light-libraries.md","光を編む図書館｜建築家たちが光と影でつくった、日本の8館",{"type":9,"value":2822,"toc":3188},[2823,2826,2829,2833,2836,2839,2842,2846,2848,2853,2856,2860,2863,2866,2870,2873,2877,2879,2882,2885,2889,2892,2896,2899,2903,2905,2908,2912,2915,2919,2922,2926,2928,2932,2935,2939,2942,2945,2949,2952,2956,2958,2961,2964,2968,2971,2975,2978,2982,2984,2986,2989,2993,2996,3000,3003,3007,3012,3015,3019,3022,3026,3029,3033,3039,3042,3046,3049,3053,3056,3060,3066,3069,3073,3076,3080,3083,3087,3090,3094,3097,3101,3104,3108,3111,3115,3129,3131,3134,3137,3140,3143,3147,3152,3155,3157,3160,3162,3184],[12,2824,2825],{},"本にとって最良の友は、たぶん光だ。蛍光灯の白ではない。窓越しに差し込み、天井で拡散し、壁の小さな穴を抜けて落ちてくる、移ろう自然の光。建築家は、本のためのその光を、どうやってデザインしてきたのか。",[12,2827,2828],{},"この特集では、日本の図書館建築を「光と影の編み方」という、たった一つの軸で読み解く。木格子の天井に光を編み込んだ伊東豊雄、6,000個の円窓を散らしたシーラカンスK&H、円形劇場の中心に天窓を吊した仙田満、岩の隙間から光を漏らした隈研吾——同じ「光」というテーマを与えられても、答えはこんなにも違う。8つの図書館を、光の編み方ごとに巡っていこう。",[26,2830,2832],{"id":2831},"序章-図書館が光を欲しがる理由","序章 — 図書館が光を欲しがる理由",[12,2834,2835],{},"歴史的に、図書館は紙を守るために光と戦ってきた建築でもある。直射日光の紫外線は本を劣化させる。だから古い図書館は閉じた箱で、書庫は暗かった。",[12,2837,2838],{},"しかし20世紀末以降、図書館に求められる役割が「保管」から「滞在」へとシフトすると、光の意味も変わった。「居たくなる場所」を作るために、自然光は欠かせない。直射を避けつつ、柔らかい光をどう取り入れるか——建築家たちはここに知恵を絞ってきた。",[12,2840,2841],{},"光のデザインには大きく3つの戦略がある。①壁に穴を開けて散らす（パンチング、楕円窓）、②天井から落とす（グローブ、トップライト、吹き抜け）、③素材で操作する（ガラス、ルーバー、薄い石）。本記事に登場する8館は、それぞれこの戦略をユニークに使い分けている。",[26,2843,2845],{"id":2844},"_6000個の円窓で光を一枚の絹布にする-金沢海みらい図書館","6,000個の円窓で、光を一枚の絹布にする — 金沢海みらい図書館",[908,2847],{"architect":1731,"location":1732,"name":1733,"slug":1734,"year":1735},[19,2849],{"caption":2850,"credit":1238,"href":2851,"src":2852},"1Fホール。壁面の円窓と、外光を反射する床。光が「気積」そのものになっている。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Kanazawa_Umimirai_Library_1F_hall_ac.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Flight\u002Fumimirai-interior.jpg",[12,2854,2855],{},"真っ白な箱に、大中小3種類の円い穴が約6,000個——シーラカンスK&H（工藤和美＋堀場弘）が2011年に完成させた金沢海みらい図書館は、「光を編む」という比喩がこれ以上ぴったり来る建築はない、というほど見事にそれをやってのけた。",[37,2857,2859],{"id":2858},"光の戦略壁そのものをフィルターにする","［光の戦略］壁そのものを「フィルター」にする",[12,2861,2862],{},"外壁は「パンチングウォール」と呼ばれる。約6,000の円窓は、大きさを変えながらランダムに配置され、それぞれ拡散ガラスがはめ込まれている。直射日光は通さず、しかし柔らかな白い光が一日中館内に降り注ぐ——壁が、建物を支える構造体であると同時に、光のフィルターでもある。",[12,2864,2865],{},"約45m四方・高さ約12mのワンルーム空間が、25本の細い柱と、この穴だらけの壁だけで支えられている。外から見ると工業的な四角い箱だが、中に一歩入ると、印象は一変する。森に分け入ったような、しんと静かで、しかしどこまでも明るい空気が広がる。世界的な建築賞も多数受賞し、米国 Flavorwire の「世界で最も美しい公共図書館25選」（2012年）にも選出されるなど、海外メディアからの評価も高い。",[37,2867,2869],{"id":2868},"意味気積と質感を主役にする","［意味］「気積と質感」を主役にする",[12,2871,2872],{},"設計者の堀場弘は、設計にあたって「空気のボリュームと質感」を重視したと語っている。本を並べる棚や机ではなく、本と人を包む大きな空気のかたまりこそが図書館の本質——という設計思想だ。光は、その「気積」の質感そのものになっている。",[26,2874,2876],{"id":2875},"グローブと木格子の天井から光を降らせる-ぎふメディアコスモス","グローブと木格子の天井から、光を降らせる — ぎふメディアコスモス",[908,2878],{"architect":1444,"location":1498,"name":1499,"slug":1500,"year":1224},[19,2880],{"caption":2881,"credit":1529,"href":1530,"src":1531},"波打つ木格子の天井から吊られた「グローブ」が、各テーマの読書スペースを柔らかく包む。",[12,2883,2884],{},"岐阜市立中央図書館が入る伊東豊雄の「みんなの森 ぎふメディアコスモス」（2015年）の光は、二段階で降ってくる。",[37,2886,2888],{"id":2887},"光の戦略屋根で受け傘で散らす","［光の戦略］屋根で受け、傘で散らす",[12,2890,2891],{},"まず、波打つように湾曲した木格子の大屋根。地元・東濃ひのきを編んだその天井から、自然光が漉されるように室内へ落ちる。次に、天井から吊り下げられたポリエステル製の傘「グローブ」。屋根を抜けてきた光は、グローブの内側で反射し、その下の閲覧スペースをやわらかく包み込む。",[37,2893,2895],{"id":2894},"意味空調と照明を自然に任せる","［意味］空調と照明を、自然に任せる",[12,2897,2898],{},"この館は自然光と自然換気を生かす設計で、晴れた日には人工照明をかなり抑えても十分明るい。「森の中で本を読む」ような感覚は、グローブと木格子と、その間を抜けてくる光が共同で作り出している。「光のデザインは省エネのデザインでもある」——伊東豊雄が示したこの考えは、これ以後の公共図書館に大きな影響を与えた。",[26,2900,2902],{"id":2901},"_4層吹き抜けの劇場で光を中心に集める-石川県立図書館","4層吹き抜けの「劇場」で、光を中心に集める — 石川県立図書館",[908,2904],{"architect":1748,"location":1732,"name":1749,"slug":1750,"year":1751},[12,2906,2907],{},"円形劇場（コロシアム）のように、本棚が段々と重なって観客席を描く——2022年に金沢に移転新築した石川県立図書館、愛称「百万石ビブリオバウム」。設計は仙田満（環境デザイン研究所）。",[37,2909,2911],{"id":2910},"光の戦略中心に天窓を吊って四方に届ける","［光の戦略］中心に天窓を吊って、四方に届ける",[12,2913,2914],{},"中央の大空間「ブックコロシアム」は4層吹き抜け。天井のトップライトから降りてくる光が、円形に並ぶ本棚と各階のフロアを照らす。同じ光源を、4つの階が同時に共有する構成だ。開架の蔵書は約30万冊・座席は約500席へと一気に拡大したが、館全体に均質な明るさを届ける装置として、この中央吹き抜けが効いている。",[37,2916,2918],{"id":2917},"意味どこにいても全体が見える明るさ","［意味］「どこにいても全体が見える」明るさ",[12,2920,2921],{},"訪れた誰もが感嘆するのは、この建物が「どこに立っても360度を本に囲まれている」感覚を与えてくれることだ。光が中心から放射状に届くため、館内に「奥の暗がり」がない。仙田満は環境デザイン研究所として子どもの遊び場を多く手がけてきた建築家で、「明るく、見通しのよい場所が、人を集める」という確信を、この館で公共図書館に翻訳した。2022年度グッドデザイン賞受賞。",[26,2923,2925],{"id":2924},"都市の只中に木の渓谷の光を立ち上げる-toyamaキラリ","都市の只中に、木の渓谷の光を立ち上げる — TOYAMAキラリ",[908,2927],{"architect":1175,"location":1221,"name":1222,"slug":1223,"year":1224},[19,2929],{"caption":2930,"credit":1238,"href":2931,"src":1240},"アルミ・ガラス・白御影石の約1,000枚のパネルが、立山連峰の岩肌のような外観をつくる。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:TOYAMA_KIRARI_exterior_in_the_morning_ac_(3).jpg",[12,2933,2934],{},"隈研吾が手がけた複合施設「TOYAMAキラリ」（2015年）は、外から見ると都市のビルだが、内に入ると別世界が広がる。",[37,2936,2938],{"id":2937},"光の戦略斜めの吹き抜けに木を貼る","［光の戦略］斜めの吹き抜けに、木を貼る",[12,2940,2941],{},"建物の中心には、2階から6階までを貫く斜めの大吹き抜けがある。壁面には富山県産の杉ルーバーがびっしりと張られ、天井のトップライトから差し込む光が、木の縦縞を通して落ちてくる。都市のビルのただ中に、木でできた渓谷のような縦の空間が出現する。",[12,2943,2944],{},"外観の御影石・ガラス・アルミの約1,000枚のパネルは、立山連峰の岩肌や雪のようにも見え、時間や天候で表情を変える。冷たくなりがちな複合施設に、地域の杉と山の光景を持ち込んだ——そんな建築だ。",[37,2946,2948],{"id":2947},"意味地域の素材が都市の光になる","［意味］「地域の素材」が「都市の光」になる",[12,2950,2951],{},"隈研吾の真骨頂は、地域の素材（ここでは杉）を都市建築のスケールに翻訳することにある。光は、その素材の質感を見せるための装置でもある。吹き抜けを見上げながらの読書は、ここでしか味わえない高揚感がある。",[26,2953,2955],{"id":2954},"すべての始まり-13本のチューブが導く光せんだいメディアテーク","すべての始まり — 13本のチューブが導く光、せんだいメディアテーク",[908,2957],{"architect":1444,"location":1445,"name":1446,"slug":1447,"year":1448},[19,2959],{"caption":2960,"credit":132,"href":1477,"src":1478},"館内を貫く海藻のようなチューブ。柱・階段・設備に加え、光の通り道も兼ねる。",[12,2962,2963],{},"光をめぐる現代日本の図書館建築の起点は、おそらくここにある。2001年、伊東豊雄が完成させたせんだいメディアテーク。",[37,2965,2967],{"id":2966},"光の戦略構造そのものを光のパイプにする","［光の戦略］構造そのものを光のパイプにする",[12,2969,2970],{},"13本の鉄骨の網目状チューブが、ガラスの箱を貫いて立ち上がる。チューブは建物を支え、エレベーターを通し、設備を収め——そして光を導く。外壁のガラスから入る光に加え、チューブの内側からも光が差し込む、まったく新しい採光の発想だった。",[37,2972,2974],{"id":2973},"意味20年後の光の図書館を準備した","［意味］20年後の「光の図書館」を準備した",[12,2976,2977],{},"「構造も設備も隠さず、デザインの中心に置く」というメディアテークの逆転の発想は、その後の公共建築のあり方を一変させた。本記事に並ぶ他の館の多くは、直接的に、あるいは間接的に、このメディアテークの問いに答える形で設計されている。光を主役に据えるという現代日本の図書館建築の系譜は、定禅寺通りのこの建物から始まった。",[26,2979,2981],{"id":2980},"杉の枝の隙間から木漏れ日を落とす-雲の上の図書館","杉の枝の隙間から木漏れ日を落とす — 雲の上の図書館",[908,2983],{"architect":1175,"location":1176,"name":1177,"slug":1178,"year":1179},[19,2985],{"caption":1205,"credit":1193,"href":1206,"src":1207},[12,2987,2988],{},"高知県梼原町の山間に立つ、隈研吾の雲の上の図書館（2018年）。中央の柱から枝のように四方へ伸びる無数の杉の梁が、まさに森の樹冠のように覆いかぶさる。",[37,2990,2992],{"id":2991},"光の戦略構造材そのものを葉に見立てる","［光の戦略］構造材そのものを、葉に見立てる",[12,2994,2995],{},"光は、複雑に組まれた登り梁の隙間から漏れてくる。それは天井から落ちる光ではなく、樹の枝の間から落ちてくる「木漏れ日」。鉄と杉を組み合わせた混構造が、まさに森の機能を再現している。",[37,2997,2999],{"id":2998},"意味森の中の町にもう一つの森を立てる","［意味］森の中の町に、もう一つの森を立てる",[12,3001,3002],{},"梼原は森の中の町だ。建築家がその町に図書館を建てるなら、もう一つの森として建てる——というのが隈研吾の答えだった。靴を脱いで上がるくつろいだ造りで、町の人々が日常的に集う場所として育っている。光は、ここでは「内と外を一続きにする装置」になっている。",[26,3004,3006],{"id":3005},"楕円の窓は街と部屋をつなぐ-武蔵野プレイス","楕円の窓は、街と部屋をつなぐ — 武蔵野プレイス",[19,3008],{"caption":3009,"credit":1238,"href":3010,"src":3011},"白い箱に楕円の窓が並ぶ、武蔵野プレイスの外観。武蔵境の公園に面して立つ。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Musashino_Place_exterior_ac_(1).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Flight\u002Fmusashino-place.jpg",[12,3013,3014],{},"東京・武蔵境駅前に2011年に開館した「ひと・まち・情報創造館 武蔵野プレイス」。設計はkw+hgアーキテクツ（川原田康子＋比嘉武彦）。図書館・市民活動支援・青少年活動支援・生涯学習という4つの機能が同居する複合施設で、2016年に日本建築学会賞を受賞している。",[37,3016,3018],{"id":3017},"光の戦略楕円窓で街の景色を切り取る","［光の戦略］楕円窓で「街の景色」を切り取る",[12,3020,3021],{},"外観のいちばんの特徴は、白い壁に整然と並ぶ楕円の窓。この穴は、館内に光を取り入れる装置であると同時に、内側からは「街の景色」を切り取る額縁としても機能する。武蔵境の駅前広場や公園の緑が、楕円の中にトリミングされて見える。光と景色が、ひと続きにデザインされている。",[37,3023,3025],{"id":3024},"意味公共性を居場所の連なりとして作る","［意味］公共性を「居場所の連なり」として作る",[12,3027,3028],{},"設計者の川原田・比嘉は、図書館を「他人同士が無理なく共存できる空間」として構想した。地下から地上4階まで、フロアごとに性格の異なる「居場所」が連なり、訪れた人は自分の気分に合った場所を選べる。窓と光は、その「居場所感」を作る基本要素になっている。建築単体の美しさよりも、公共空間としての設計が評価されている点が、この館の特徴だ。",[26,3030,3032],{"id":3031},"帝国図書館にガラスのトンネルを貫く-国際子ども図書館","帝国図書館に、ガラスのトンネルを貫く — 国際子ども図書館",[19,3034],{"caption":3035,"credit":3036,"href":3037,"src":3038},"明治期の旧帝国図書館（1906年）。安藤忠雄が現代のガラスを15度傾けて貫いた。","Kakidai \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:2019_International_Library_of_Children%27s_Literature.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Flight\u002Fkokuritsu-kodomo.jpg",[12,3040,3041],{},"上野公園の一角に立つ「国際子ども図書館」（国立国会図書館の支部）。レンガ棟は1906年（明治39年）に旧帝国図書館として久留正道らが設計した、東洋一の図書館を目指して建てられた歴史建築だ。",[37,3043,3045],{"id":3044},"光の戦略古い建物に現代の光を足す","［光の戦略］古い建物に、現代の光を「足す」",[12,3047,3048],{},"この館の見どころは、2002年に安藤忠雄が改修した部分にある。明治の威厳ある石とレンガの建物を残しながら、エントランス側に15度傾けたガラスのトンネルを貫いた。ガラスの面が古い壁を切り裂くように立ち上がり、その隙間から現代の光が建物に注ぎ込む。歴史と現代が、光を媒介に対話する空間だ。",[37,3050,3052],{"id":3051},"意味過去と未来を光がつなぐ","［意味］過去と未来を、光がつなぐ",[12,3054,3055],{},"安藤忠雄は、この改修について「過去から現在、現在から未来へと開かれた通路」と語っている。2015年には日建設計と共同で新館（アーチ棟）も完成。1906年と2002年と2015年の建築が、同じ敷地で光を共有する——日本の図書館建築史を、ひとつの場所で立体的に体感できる希有な施設だ。",[26,3057,3059],{"id":3058},"岩の隙間から光と本が漏れ出す-角川武蔵野ミュージアム","岩の隙間から、光と本が漏れ出す — 角川武蔵野ミュージアム",[19,3061],{"caption":3062,"credit":3063,"href":3064,"src":3065},"花崗岩2万枚を66面の三角形に組んだ、隈研吾の「岩」のような建築。","Kaijooo \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Kadokawa_Culture_Museum.2020-03-03.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Flight\u002Fkadokawa.jpg",[12,3067,3068],{},"埼玉県所沢市「ところざわサクラタウン」内に2020年11月に開館した「角川武蔵野ミュージアム」。図書館・美術館・博物館を融合した複合文化施設で、設計は隈研吾。",[37,3070,3072],{"id":3071},"光の戦略石の岩に光の裂け目を刻む","［光の戦略］石の岩に、光の裂け目を刻む",[12,3074,3075],{},"外観は高さ約30mの巨大な岩そのもの。約2万枚の花崗岩（1枚50〜70kg）を66面の三角形に組み合わせ、複雑な形のオブジェのような建築をつくり出した。木造で知られる隈研吾が、別の地域素材＝石でその思想を実証した一作だ。",[37,3077,3079],{"id":3078},"光のクライマックス本棚劇場","［光のクライマックス］本棚劇場",[12,3081,3082],{},"館の核は、4〜5階を貫く「本棚劇場」。高さ約8mの本棚に四方を囲まれ、約3万冊の蔵書が壁を埋め尽くす。プロジェクションマッピングで天井に光が走り、本棚が劇場になる。雲の上の図書館やキラリと比べても、ここまで「本＝光のスペクタクル」として演出した館はない。木造建築家としての隈研吾しか知らない人にとって、最新作のこの「岩」と「劇場」は、彼の振れ幅の広さに驚かされる体験になる。",[26,3084,3086],{"id":3085},"補論-図書館建築の光を考える3つの視点","補論 — 図書館建築の「光」を考える3つの視点",[12,3088,3089],{},"8館を歩いてきた最後に、光のデザインを読み解く3つの視点をまとめておきたい。",[37,3091,3093],{"id":3092},"視点1光をどこから取るか-壁天井吹き抜け","視点1：光をどこから取るか — 壁・天井・吹き抜け",[12,3095,3096],{},"海みらい・武蔵野プレイスは壁から（円窓・楕円窓）。メディアコスモス・石川県立は天井から（グローブ・トップライト）。キラリ・国際子ども図書館は吹き抜け・トンネルから。「どこから光を取るか」だけで、内部空間の性格はまったく違うものになる。",[37,3098,3100],{"id":3099},"視点2光を散らすか集めるか","視点2：光を「散らす」か、「集める」か",[12,3102,3103],{},"海みらいは6,000個の穴で光を散らす。石川県立は中央のトップライトで光を集める。前者は均質な明るさを作り、後者はドラマを生む。設計者の図書館観——「均しく拡がる場所」か「中心のある場所」か——が、ここに表れる。",[37,3105,3107],{"id":3106},"視点3光と素材の関係","視点3：光と素材の関係",[12,3109,3110],{},"光は、ぶつかる素材で表情を変える。海みらいの拡散ガラス、メディアコスモスの白いポリエステル、キラリの杉ルーバー、雲の上の杉梁、角川の花崗岩——同じ「光」でも、当たる素材で印象がまるで違う。建築家たちは、光そのものよりも「光と素材の組み合わせ」をデザインしている、と言い換えてもいい。",[26,3112,3114],{"id":3113},"_8館をめぐる訪れ方のヒント","8館をめぐる、訪れ方のヒント",[242,3116,3117,3120,3123,3126],{},[245,3118,3119],{},"いずれも入館・閲覧は無料。建築見学だけの来館も歓迎されています。",[245,3121,3122],{},"自然光が美しい館は、晴れた日の午前〜午後早めが見頃。直射が強い時間帯はやや反射が出るので、早朝や夕方も狙い目です。",[245,3124,3125],{},"撮影は他の利用者を写さない、フラッシュを使わない、申請が必要——など館ごとに条件があるので、事前に各館の公式サイトで確認を。",[245,3127,3128],{},"都市部の館（武蔵野プレイス・国際子ども図書館・角川武蔵野）は駅から徒歩圏で訪れやすく、地方の館（雲の上・石川県立・海みらい）は建築観光として小旅行の目的地になります。",[26,3130,259],{"id":259},[12,3132,3133],{},"Q. 「光が美しい」と言われる図書館はどこですか？\nA. 金沢海みらい図書館（パンチングウォール）、みんなの森 ぎふメディアコスモス（グローブと天井採光）、石川県立図書館（ブックコロシアムのトップライト）、TOYAMAキラリ（斜めの大吹き抜け）、武蔵野プレイス（楕円の窓）などが代表例です。それぞれ「光をどう取り入れるか」のアプローチが異なります。",[12,3135,3136],{},"Q. 図書館に大きな窓やトップライトが多いのはなぜですか？\nA. 本の閲覧には均質で柔らかな自然光が向いているためです。直射日光は紙や眼に厳しい一方、拡散された自然光は照明だけに頼らない開放感と省エネを両立できます。現代の図書館建築は、ガラス・木格子・パネル・吹き抜けなどで「直射を避けつつ自然光を導く」工夫を競い合っています。",[12,3138,3139],{},"Q. 本の保護と自然光は両立できますか？\nA. 工夫次第で両立できます。直射日光は紫外線で本を劣化させるため、各館は拡散光・庇・小開口・遮光フィルムなどで対策しています。書庫（保管庫）は人工光が基本ですが、閲覧スペースは自然光を活用する設計が主流です。",[12,3141,3142],{},"Q. 紹介された図書館はすべて見学・撮影できますか？\nA. 入館・閲覧はいずれも無料で、誰でも訪問できます。撮影のルールや申請の要否、開館時間・休館日は館ごとに異なるため、来館前に各館の公式サイトで最新情報をご確認ください。",[26,3144,3146],{"id":3145},"山口県立図書館-もう一つの光","山口県立図書館 — もう一つの「光」",[19,3148],{"caption":3149,"credit":1238,"href":3150,"src":3151},"ガラスのフロート部分に光がため込まれる、山口県立図書館の外観。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Yamaguchi_Library_2021-08_ac_(1).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Flight\u002Fyamaguchi.jpg",[12,3153,3154],{},"参考として、もう一館。山口県立図書館は、レンガの量塊にガラスのファサードが差し込まれた構成で、ガラス部分に光をため込む設計が特徴的。本特集の8館とはまた違う、地方県立図書館の「光」の例として記しておきたい。",[26,3156,278],{"id":277},[12,3158,3159],{},"本記事は、各館の公開情報、建築・受賞・改修に関する公表資料（建築学会賞・グッドデザイン賞・建築雑誌等）をもとに、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。設計者・竣工年・改修の経緯などの事実は公的資料で確認しました。掲載写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の開館状況・撮影可否は各館の公式サイトでご確認ください。",[26,3161,284],{"id":284},[242,3163,3164,3168,3174,3180],{},[245,3165,1322,3166,308],{},[291,3167,307],{"href":306},[245,3169,1008,3170,295,3172,300],{},[291,3171,294],{"href":293},[291,3173,299],{"href":298},[245,3175,3176,3177,3179],{},"運営の視点からは ",[291,3178,1000],{"href":999}," もご覧ください。",[245,3181,3182],{},[291,3183,322],{"href":321},[12,3185,3186],{},[340,3187,1350],{},{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":3189},[3190,3191,3195,3199,3203,3207,3211,3215,3219,3223,3227,3232,3233,3234,3235,3236],{"id":2831,"depth":345,"text":2832},{"id":2844,"depth":345,"text":2845,"children":3192},[3193,3194],{"id":2858,"depth":350,"text":2859},{"id":2868,"depth":350,"text":2869},{"id":2875,"depth":345,"text":2876,"children":3196},[3197,3198],{"id":2887,"depth":350,"text":2888},{"id":2894,"depth":350,"text":2895},{"id":2901,"depth":345,"text":2902,"children":3200},[3201,3202],{"id":2910,"depth":350,"text":2911},{"id":2917,"depth":350,"text":2918},{"id":2924,"depth":345,"text":2925,"children":3204},[3205,3206],{"id":2937,"depth":350,"text":2938},{"id":2947,"depth":350,"text":2948},{"id":2954,"depth":345,"text":2955,"children":3208},[3209,3210],{"id":2966,"depth":350,"text":2967},{"id":2973,"depth":350,"text":2974},{"id":2980,"depth":345,"text":2981,"children":3212},[3213,3214],{"id":2991,"depth":350,"text":2992},{"id":2998,"depth":350,"text":2999},{"id":3005,"depth":345,"text":3006,"children":3216},[3217,3218],{"id":3017,"depth":350,"text":3018},{"id":3024,"depth":350,"text":3025},{"id":3031,"depth":345,"text":3032,"children":3220},[3221,3222],{"id":3044,"depth":350,"text":3045},{"id":3051,"depth":350,"text":3052},{"id":3058,"depth":345,"text":3059,"children":3224},[3225,3226],{"id":3071,"depth":350,"text":3072},{"id":3078,"depth":350,"text":3079},{"id":3085,"depth":345,"text":3086,"children":3228},[3229,3230,3231],{"id":3092,"depth":350,"text":3093},{"id":3099,"depth":350,"text":3100},{"id":3106,"depth":350,"text":3107},{"id":3113,"depth":345,"text":3114},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":3145,"depth":345,"text":3146},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"建築家は、本のために光をどうデザインするのか。6,000個の円窓、グローブの傘、4層吹き抜けの塔、岩の隙間——金沢海みらいから角川武蔵野ミュージアムまで、日本の図書館建築を「光と影の編み方」という一本の軸で読み解く。写真とともに巡る、光の建築特集。",[3239,3242,3245,3248],{"q":3240,"a":3241},"「光が美しい」と言われる図書館はどこですか？","金沢海みらい図書館（パンチングウォール）、みんなの森 ぎふメディアコスモス（グローブと天井採光）、石川県立図書館（ブックコロシアムのトップライト）、TOYAMAキラリ（斜めの大吹き抜け）、武蔵野プレイス（楕円の窓）などが代表例です。それぞれ「光をどう取り入れるか」のアプローチが異なります。",{"q":3243,"a":3244},"図書館に大きな窓やトップライトが多いのはなぜですか？","本の閲覧には均質で柔らかな自然光が向いているためです。直射日光は紙や眼に厳しい一方、拡散された自然光は照明だけに頼らない開放感と省エネを両立できます。現代の図書館建築は、ガラス・木格子・パネル・吹き抜けなどで「直射を避けつつ自然光を導く」工夫を競い合っています。",{"q":3246,"a":3247},"本の保護と自然光は両立できますか？","工夫次第で両立できます。直射日光は紫外線で本を劣化させるため、各館は拡散光・庇・小開口・遮光フィルムなどで対策しています。書庫（保管庫）は人工光が基本ですが、閲覧スペースは自然光を活用する設計が主流です。",{"q":3249,"a":3250},"紹介された図書館はすべて見学・撮影できますか？","入館・閲覧はいずれも無料で、誰でも訪問できます。撮影のルールや申請の要否、開館時間・休館日は館ごとに異なるため、来館前に各館の公式サイトで最新情報をご確認ください。",[3252,3253,3254,3255,3257,3258],{"name":1733,"slug":1734},{"name":1749,"slug":1750},{"name":1222,"slug":1223},{"name":3256,"slug":1500},"みんなの森 ぎふメディアコスモス",{"name":1446,"slug":1447},{"name":1177,"slug":1178},{},[321],{"title":2820,"description":3237},"feature-light-libraries",[],"articles\u002Ffeature-light-libraries",[416,417,3266,420,1398,1399,3267],"光","雑誌","Bnw6mm3An8fbJj-AS79iTLT3Nn-mBwklr6qJezl6uQk",{"id":3270,"title":3271,"author":7,"body":3272,"category":366,"cover_image":367,"created_at":1373,"description":3574,"extension":370,"faq":3575,"featured":3588,"meta":3591,"navigation":386,"path":2726,"published":386,"related_lp":3592,"seo":3593,"series":390,"slug":3594,"sources":3595,"stem":3596,"tags":3597,"updated_at":1373,"__hash__":3600},"articles\u002Farticles\u002Ffeature-senda-coelacanth.md","もうひとりの建築家たち｜仙田満とシーラカンスK&Hが残した、公共建築の新しい型",{"type":9,"value":3273,"toc":3548},[3274,3277,3280,3284,3287,3290,3294,3298,3301,3304,3307,3311,3314,3317,3321,3327,3330,3334,3340,3343,3346,3350,3352,3355,3361,3364,3369,3372,3376,3380,3383,3386,3390,3396,3399,3402,3406,3411,3414,3417,3421,3423,3428,3431,3434,3437,3440,3444,3447,3451,3454,3458,3461,3465,3468,3472,3475,3478,3498,3500,3503,3506,3509,3512,3514,3517,3519,3544],[12,3275,3276],{},"建築の話をするとき、私たちはどうしても「巨匠」の名前ばかりを呼んでしまう。隈研吾、伊東豊雄、安藤忠雄。彼らの作品は確かに圧倒的だが、しかし日本の公共建築の地平を静かに、しかし決定的に押し広げたのは、必ずしも一握りのスターだけではない。",[12,3278,3279],{},"この特集では、もうひとつ知ってほしい2つの設計事務所を取り上げる。仙田満（環境デザイン研究所）と、シーラカンスK&H。前者は「こどもにとってのデザイン」を50年以上にわたって追求し続け、後者は1980年代から学校建築に革新を持ち込み、やがて図書館建築でも世界的な評価を得た。両者は競合する関係ではないが、「個人の才能ではなく、研究と理論からデザインを立ち上げる」という設計姿勢に、不思議な共通点がある。彼らの仕事を写真とともに巡っていこう。",[26,3281,3283],{"id":3282},"序章-型をつくる建築家","序章 — 「型」をつくる建築家",[12,3285,3286],{},"建築家には、ふたつのタイプがあると、ある建築評論家が書いていた。ひとつは、ひとつひとつの建物を「作品」として完成させる作家タイプ。もうひとつは、研究と理論から「建物の型」をつくり出し、その型を社会へ広めていくタイプ。前者がスターになりやすいが、公共空間の質を底上げするのは後者である、と。",[12,3288,3289],{},"仙田満とシーラカンスK&Hは、まさに後者だ。仙田は「こどもがどう遊ぶか」を50年にわたって研究し、その成果を「遊環構造」というデザイン理論にまとめあげた。シーラカンスK&Hは、それまで「規格化された箱」だった学校建築に、「教室を超えた広がり」をもたらした。彼らの仕事は、ひとつの建物の話を超えて、日本中の図書館・学校・こども施設の設計に静かに浸透している。",[26,3291,3293],{"id":3292},"仙田満-こどもと環境のデザイン","仙田満 — こどもと環境のデザイン",[37,3295,3297],{"id":3296},"プロフィール-横浜からこどもの遊び場へ","プロフィール — 横浜から、こどもの遊び場へ",[12,3299,3300],{},"仙田満は1941年、神奈川県横浜市の生まれ。1964年に東京工業大学理工学部建築学科を卒業し、菊竹清訓建築設計事務所で実務を学んだのち、1968年に環境デザイン研究所を設立した。",[12,3302,3303],{},"仙田の最大の関心は、一貫して「こども」だった。1978年、彼は「こどものあそび環境のデザイン」というテーマで毎日デザイン賞を受賞している。建築家がデザインするのは建物だけではない、こどもがどう遊ぶか、どう育つかという環境そのものなのだ——そういう信念が、彼のキャリアのすべての作品を貫いている。",[12,3305,3306],{},"2001年から2003年まで日本建築学会会長を務め、東京工業大学名誉教授でもある。",[37,3308,3310],{"id":3309},"キーコンセプト-遊環構造とは何か","キーコンセプト — 「遊環構造」とは何か",[12,3312,3313],{},"仙田の理論を一言で表す言葉が「遊環構造（ゆうかんこうぞう）」だ。彼はこどもの遊び行動を観察し、こどもが楽しく長く遊び続ける場所には共通の構造があることを発見した。それは「複数の道（巡回できる動線）と、広場（溜まり場）が組み合わさっている」という構造だ。",[12,3315,3316],{},"ぐるりと巡れる回廊、その途中に開ける広場、また道に戻り次の広場へ——この「巡って、溜まる」の繰り返しが、人を自然と滞在させる。一見こどもの遊び場の理論に見えるが、これはあらゆる年代の「居たくなる場所」の原理でもあった。後に紹介する石川県立図書館の円形ブックコロシアムも、この遊環構造の発想で読み解ける。",[37,3318,3320],{"id":3319},"代表作1栃木県子ども総合科学館-こどもの環境デザインの実装","代表作1：栃木県子ども総合科学館 — こどもの環境デザインの実装",[19,3322],{"caption":3323,"credit":3324,"href":3325,"src":3326},"栃木県子ども総合科学館。仙田の「遊環構造」を体現する、こどものための公共空間。","Rsa \u002F CC BY-SA 3.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Tochigi-Science-Museum.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fsenda\u002Ftochigi-museum.jpg",[12,3328,3329],{},"仙田の理論が具体化された早い時期の代表作のひとつが、栃木県子ども総合科学館だ。ガラスのスロープと半球状のプラネタリウムを組み合わせた構成は、子どもが「巡って、溜まる」を自然に体験できるよう設計されている。本展示・実験・自由遊び——館内に複数の性格の異なる空間を散らし、こどもが自分の興味に従って動き回れるようにする。仙田の作品はこのあとも、新潟県立こども自然王国、東京都・葛西臨海公園、新・広島市民球場（日本建築家協会賞）など多岐にわたっていく。",[37,3331,3333],{"id":3332},"代表作2国際教養大学-中嶋記念図書館-半円劇場の図書館","代表作2：国際教養大学 中嶋記念図書館 — 「半円劇場」の図書館",[19,3335],{"caption":3336,"credit":3337,"href":3338,"src":3339},"国際教養大学 中嶋記念図書館。半円形に広がる木造の本棚段壇。仙田・村野藤吾賞受賞作。","Mariwlqs \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Inside_Nakajima_Library.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fsenda\u002Faiu-nakajima-inside.jpg",[12,3341,3342],{},"仙田の図書館建築の傑作として知られるのが、秋田の国際教養大学 中嶋記念図書館。半円劇場のように本棚が段々と並び、傘のような木造の天井がその空間を覆う。この館で仙田は村野藤吾賞を受賞している。",[12,3344,3345],{},"ここに既に、後の石川県立図書館へとつながる「中心に集まる空間」「劇場的な書架配置」というモチーフが現れていることに気付くだろう。秋田の山あいの大学に建つこの小さな図書館は、仙田の図書館建築の方法論を実証した重要なプロトタイプだった。",[37,3347,3349],{"id":3348},"代表作3石川県立図書館百万石ビブリオバウム-集大成","代表作3：石川県立図書館（百万石ビブリオバウム） — 集大成",[908,3351],{"architect":1748,"location":1732,"name":1749,"slug":1750,"year":1751},[12,3353,3354],{},"そして2022年、仙田の図書館建築の集大成として開館したのが石川県立図書館、愛称「百万石ビブリオバウム」。",[19,3356],{"caption":3357,"credit":3358,"href":3359,"src":3360},"ブックコロシアム。4層吹き抜けの中央空間で、本棚が円形に段々と並ぶ。","Miisan1112 \u002F CC BY-SA 4.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Ishikawa_Prefectural_Library_Ring.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fsenda\u002Fishikawa-ring.jpg",[12,3362,3363],{},"中央の大空間「ブックコロシアム」は4層吹き抜け。中嶋記念図書館で実証した「半円劇場」を、完全な円形へと拡張した。開架蔵書約30万冊、座席約500席を一つの円形空間で受け止め、どこに立っても360度を本に囲まれる眺めをつくる。2022年度グッドデザイン賞受賞。",[19,3365],{"caption":3366,"credit":3358,"href":3367,"src":3368},"ブックコロシアムを縁取る、テーマ別の書棚。レイアウトそのものが遊環構造を体現する。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Ishikawa_Prefectural_Library_Shelf.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fsenda\u002Fishikawa-shelf.jpg",[12,3370,3371],{},"ブックコロシアムを取り囲むテーマ別の書棚は、まさに仙田が研究してきた「巡回できる動線」を立体化したもの。利用者は中央の劇場的空間と、周縁の細かい書棚エリアを行き来する——この「巡って、溜まる」のリズムこそ、半世紀にわたるこども環境研究から立ち上がった仙田のデザイン理論である。彼にとって図書館とは、「大人のための遊環構造」だったのかもしれない。",[26,3373,3375],{"id":3374},"シーラカンスkh-学校建築から海みらいへ","シーラカンスK&H — 学校建築から、海みらいへ",[37,3377,3379],{"id":3378},"プロフィール-コラボレーションを旗印に","プロフィール — 「コラボレーション」を旗印に",[12,3381,3382],{},"シーラカンスK&Hの中核を担うのは、工藤和美と堀場弘の二人。前身の「シーラカンス」は1986年に設立された、複数の建築家が対等にコラボレーションする形態の設計事務所として知られる。日本ではこの「チーム設計」というアプローチが珍しく、当初は奇異の目で見られたが、やがて公共建築の現場で大きな成果を上げていく。",[12,3384,3385],{},"「コラボレーション」と言われても、それを単なる役割分担と思ってはいけない。シーラカンスでは、ひとつのプロジェクトについて複数の建築家が並列にアイデアを出し、議論を重ね、合意形成しながら設計を進める。属人化を排し、知見をチームに蓄積するこの方法は、図書館や学校など「使う人の声」を反映すべき公共建築に、特に向いていた。",[37,3387,3389],{"id":3388},"革新の起点千葉市立打瀬小学校-教室を超えた学校","革新の起点：千葉市立打瀬小学校 — 「教室を超えた学校」",[19,3391],{"caption":3392,"credit":3393,"href":3394,"src":3395},"千葉市立打瀬小学校。シーラカンスが手がけた、「教室を超えた学校」の代表作のひとつ。","Wiiii \u002F CC BY-SA 3.0 \u002F Wikimedia Commons","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Mihama_Utase_Elementary_School.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fcoelacanth\u002Futase-school-correct.jpg",[12,3397,3398],{},"シーラカンスK&Hの名を一躍知らしめたのが、1990年代の学校建築シリーズだった。代表作のひとつが千葉市立打瀬小学校。彼らは「教室を箱として並べる」というそれまでの学校建築の常識を疑い、廊下を共有スペースに変え、教室の壁を可動・透明にし、学校全体を「学びの広場」として再構想した。",[12,3400,3401],{},"これは仙田の遊環構造とどこか共鳴している。固定的な空間配置を解体し、人が動き回り集まり交流する場所——シーラカンスがこの時期に学校建築で磨き上げた知見が、のちの図書館設計に直結することになる。",[37,3403,3405],{"id":3404},"中継点公立はこだて未来大学-透明性の実験","中継点：公立はこだて未来大学 — 透明性の実験",[19,3407],{"caption":3408,"credit":132,"href":3409,"src":3410},"公立はこだて未来大学。ガラスのファサードが「学習の見える化」を体現する。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Future_University_Hakodate_202411a.jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fcoelacanth\u002Fhakodate-future.jpg",[12,3412,3413],{},"2000年に開校した公立はこだて未来大学は、シーラカンスK&Hが手がけた大学キャンパスの代表作。函館の丘に建つこの建物は、巨大なガラスのファサードで覆われ、学習や研究の様子が外からも見える「透明性」を建築的に体現した。仕切られた教室で学ぶのではなく、開放されたスタジオで他者と関わりながら学ぶ——情報系を主とする大学のコンセプトを、建築が直接表現した一作だ。",[12,3415,3416],{},"ガラス越しの開放感、内と外を視覚的につなぐ大空間。10年後の金沢海みらい図書館で再び立ち上がる「光と気積」のテーマが、ここでも実験されていた。",[37,3418,3420],{"id":3419},"集大成金沢海みらい図書館-世界が認めた本のための気積","集大成：金沢海みらい図書館 — 世界が認めた「本のための気積」",[908,3422],{"architect":1731,"location":1732,"name":1733,"slug":1734,"year":1735},[19,3424],{"caption":3425,"credit":1238,"href":3426,"src":3427},"金沢海みらい図書館の外観。約6,000個の円窓を散らした「パンチングウォール」。","https:\u002F\u002Fcommons.wikimedia.org\u002Fwiki\u002FFile:Kanazawa_Umimirai_Library_exterior_ac_(4).jpg","\u002Fimages\u002Farticles\u002Fcoelacanth\u002Fumimirai-exterior.jpg",[12,3429,3430],{},"学校建築・大学キャンパスで蓄積した知見が、図書館建築の傑作として結実したのが2011年の金沢海みらい図書館。約45m四方・高さ約12mのワンルーム空間に、大中小3種類の円窓を約6,000個ランダムに散らした「パンチングウォール」が、直射日光を避けつつ柔らかな白い光を館内に降らせる。",[19,3432],{"caption":3433,"credit":1238,"href":2851,"src":2852},"1Fホールから外を見る。壁面に並ぶ円窓と、光を反射する床。",[12,3435,3436],{},"設計者の堀場弘は「空気のボリュームと質感」を重視したと語っている。本そのもの・本棚・机ではなく、それらを包む大きな気積こそが図書館の本質——という設計思想だ。コンセプト面では16世紀のフランス国立図書館（BnF）リシュリュー館も参照しつつ、それを現代日本のミニマルな表現で実現した。Dezeen など海外の建築メディアで広く取り上げられ、「世界で最も美しい図書館の一つ」とも評された。",[12,3438,3439],{},"学校建築で磨いた「教室を超える共有空間」の発想と、はこだて未来大学で実験した「透明性と開放感」の追求——これらがすべて図書館の建築言語に翻訳された結果が、海みらいだった。",[26,3441,3443],{"id":3442},"ふたりの建築家の型が残したもの","ふたりの建築家の「型」が残したもの",[12,3445,3446],{},"仙田満とシーラカンスK&Hは、まったく異なる経歴・スタイルの設計事務所だが、いくつかの重要な点で響き合っている。最後に、その共通点と相違点を整理しておきたい。",[37,3448,3450],{"id":3449},"共通点1研究と理論からデザインを立ち上げる","共通点1：研究と理論からデザインを立ち上げる",[12,3452,3453],{},"仙田は「こどもの遊び環境の観察」から遊環構造を導いた。シーラカンスK&Hは「学校空間における学びの行動」を観察し、教室の固定性を解体した。両者ともに、個人の感性や前衛性ではなく、フィールド研究を出発点にしてデザインを構築する姿勢を共有している。建築は、誰のために、何を解決するためのものか——という問いを、彼らは常に自分たちに突きつけてきた。",[37,3455,3457],{"id":3456},"共通点2巡って溜まる場の作り方","共通点2：「巡って、溜まる」場の作り方",[12,3459,3460],{},"仙田の遊環構造（道と広場）と、シーラカンスの「教室を超えた学校」「気積としての図書館」は、表現は違えど同じ場の論理を扱っている。画一的な仕切りではなく、人が自由に動き回り、好きな場所に滞在できる空間——これは公共建築に求められる本質的な機能であり、両者ともそれを高い完成度で実装してきた。",[37,3462,3464],{"id":3463},"相違点素材と形態のアプローチ","相違点：素材と形態のアプローチ",[12,3466,3467],{},"一方で、表現面では対照的だ。仙田は木造の温かさと、明確な幾何学（円・劇場・半球）を好む。シーラカンスはガラスと白い壁、ミニマルな抽象表現を好む。同じ「気積」を扱っても、仙田は素材で包み込み、シーラカンスは光で満たす。並べて見比べると、現代日本の公共建築の語彙の幅広さが見えてくる。",[37,3469,3471],{"id":3470},"巨匠ではないことの意味","「巨匠ではない」ことの意味",[12,3473,3474],{},"最後に、もう一度。彼らは、メディアで「巨匠」として消費される建築家ではない。展覧会の前で人だかりができるタイプではないかもしれない。しかし、研究と理論に裏付けられた彼らの設計手法は、若い建築家たちにとって参照点であり続けている。スターの作品としてではなく、社会の財産としての公共建築を作り続ける——その姿勢が、彼らの最も大きな贈り物なのかもしれない。",[26,3476,3477],{"id":3477},"訪れ方のヒント",[242,3479,3480,3483,3486,3489,3492,3495],{},[245,3481,3482],{},"石川県立図書館（百万石ビブリオバウム）：金沢市郊外、旧・金沢大学工学部跡地。バスでアクセス。建築見学だけでも一日楽しめる。",[245,3484,3485],{},"金沢海みらい図書館：金沢駅から路線バス。市街地中心部からはやや離れるが、訪れる価値は十分。",[245,3487,3488],{},"国際教養大学 中嶋記念図書館：秋田県・秋田駅からバス。大学図書館だが一般公開もあり、開館時間・利用条件は公式サイトで確認。",[245,3490,3491],{},"栃木県子ども総合科学館：JR宇都宮駅からバス。家族向けの有料施設。",[245,3493,3494],{},"公立はこだて未来大学：函館市街地から車で約15分。学校施設のため、見学は事前確認推奨。",[245,3496,3497],{},"千葉市立打瀬小学校：教育施設のため外観のみの見学が基本。学区の幕張ベイタウンとあわせて散策も。",[26,3499,259],{"id":259},[12,3501,3502],{},"Q. 仙田満（せんだ みつる）とはどんな建築家ですか？\nA. 1941年神奈川県横浜市生まれ。1968年に環境デザイン研究所を設立し、こどもの遊び環境の研究から「遊環構造」というデザイン理論を提唱しました。日本建築学会会長（2001〜2003年）も務め、新広島市民球場、国際教養大学中嶋記念図書館、石川県立図書館など、公共建築の代表作を多く手がけています。",[12,3504,3505],{},"Q. シーラカンスK&Hとはどんな設計事務所ですか？\nA. 工藤和美と堀場弘が中核を担う建築設計事務所。前身の「シーラカンス」は1986年設立で、複数の建築家が対等にコラボレーションして設計する形態で知られます。学校建築（千葉市立打瀬小学校、公立はこだて未来大学など）に革新を起こし、図書館では金沢海みらい図書館（2011年）で世界的な評価を得ました。",[12,3507,3508],{},"Q. 「遊環構造」とは何ですか？\nA. 仙田満が、こどもの遊び行動の研究をもとに提唱したデザイン理論です。空間に複数の「巡回できる動線」と「広場（溜まり場）」を組み合わせることで、人が自然に滞在し交流したくなる場所が生まれるという考え方で、こども施設だけでなく石川県立図書館の円形ブックコロシアムなど、彼の公共建築に通底しています。",[12,3510,3511],{},"Q. 紹介された建物は見学・利用できますか？\nA. 図書館（石川県立図書館・国際教養大学中嶋記念図書館・金沢海みらい図書館）は基本的に入館・閲覧が無料で誰でも訪問できます（大学図書館の一般利用ルールは要確認）。栃木県子ども総合科学館は有料の博物館施設。学校建築（千葉市立打瀬小学校など）は教育施設のため、外観の見学のみが基本です。来館前に各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,3513,278],{"id":277},[12,3515,3516],{},"本記事は、各建築家・設計事務所・施設の公開情報、建築賞・受賞歴・建築誌の公表資料をもとに、編集部が2026年6月時点で確認して構成しています。設計者・竣工年・受賞などの事実は公的資料で確認しました。掲載写真は Wikimedia Commons で公開されている画像（各写真にクレジットを明記）を利用しています。最新の開館状況・撮影可否は各施設の公式サイトでご確認ください。",[26,3518,284],{"id":284},[242,3520,3521,3525,3532,3540],{},[245,3522,1322,3523,308],{},[291,3524,307],{"href":306},[245,3526,3527,3528,295,3530,300],{},"巨匠系列は ",[291,3529,294],{"href":293},[291,3531,299],{"href":298},[245,3533,3534,3535,3537,3538,3179],{},"光のテーマは ",[291,3536,2734],{"href":2733},"、運営の視点は ",[291,3539,1000],{"href":999},[245,3541,3542],{},[291,3543,322],{"href":321},[12,3545,3546],{},[340,3547,1350],{},{"title":344,"searchDepth":345,"depth":345,"links":3549},[3550,3551,3558,3564,3570,3571,3572,3573],{"id":3282,"depth":345,"text":3283},{"id":3292,"depth":345,"text":3293,"children":3552},[3553,3554,3555,3556,3557],{"id":3296,"depth":350,"text":3297},{"id":3309,"depth":350,"text":3310},{"id":3319,"depth":350,"text":3320},{"id":3332,"depth":350,"text":3333},{"id":3348,"depth":350,"text":3349},{"id":3374,"depth":345,"text":3375,"children":3559},[3560,3561,3562,3563],{"id":3378,"depth":350,"text":3379},{"id":3388,"depth":350,"text":3389},{"id":3404,"depth":350,"text":3405},{"id":3419,"depth":350,"text":3420},{"id":3442,"depth":345,"text":3443,"children":3565},[3566,3567,3568,3569],{"id":3449,"depth":350,"text":3450},{"id":3456,"depth":350,"text":3457},{"id":3463,"depth":350,"text":3464},{"id":3470,"depth":350,"text":3471},{"id":3477,"depth":345,"text":3477},{"id":259,"depth":345,"text":259},{"id":277,"depth":345,"text":278},{"id":284,"depth":345,"text":284},"巨匠だけが建築をつくっているわけではない。「遊環構造」でこどもの居場所を研究してきた仙田満、学校建築から海みらい図書館へと辿り着いた工藤和美・堀場弘のシーラカンスK&H——2つの設計事務所が日本の公共建築に残した「新しい型」を、写真とともに巡る建築特集。",[3576,3579,3582,3585],{"q":3577,"a":3578},"仙田満（せんだ みつる）とはどんな建築家ですか？","1941年神奈川県横浜市生まれ。1968年に環境デザイン研究所を設立し、こどもの遊び環境の研究から「遊環構造」というデザイン理論を提唱しました。日本建築学会会長（2001〜2003年）も務め、新広島市民球場、国際教養大学中嶋記念図書館、石川県立図書館など、公共建築の代表作を多く手がけています。",{"q":3580,"a":3581},"シーラカンスK&Hとはどんな設計事務所ですか？","工藤和美と堀場弘が中核を担う建築設計事務所。前身の「シーラカンス」は1986年設立で、複数の建築家が対等にコラボレーションして設計する形態で知られます。学校建築（千葉市立打瀬小学校、公立はこだて未来大学など）に革新を起こし、図書館では金沢海みらい図書館（2011年）で世界的な評価を得ました。",{"q":3583,"a":3584},"「遊環構造」とは何ですか？","仙田満が、こどもの遊び行動の研究をもとに提唱したデザイン理論です。空間に複数の「巡回できる動線」と「広場（溜まり場）」を組み合わせることで、人が自然に滞在し交流したくなる場所が生まれるという考え方で、こども施設だけでなく石川県立図書館の円形ブックコロシアムなど、彼の公共建築に通底しています。",{"q":3586,"a":3587},"紹介された建物は見学・利用できますか？","図書館（石川県立図書館・国際教養大学中嶋記念図書館・金沢海みらい図書館）は基本的に入館・閲覧が無料で誰でも訪問できます（大学図書館の一般利用ルールは要確認）。栃木県子ども総合科学館は有料の博物館施設。学校建築（千葉市立打瀬小学校など）は教育施設のため、外観の見学のみが基本です。来館前に各施設の公式サイトでご確認ください。",[3589,3590],{"name":1749,"slug":1750},{"name":1733,"slug":1734},{},[321],{"title":3271,"description":3574},"feature-senda-coelacanth",[],"articles\u002Ffeature-senda-coelacanth",[416,417,1748,1731,3598,3599,418,420],"工藤和美","堀場弘","NA3QyXtNJlrdtjwBpd90vKsbVuD-evtysuRsbaSEUto",1781280138493]