平成28年度 行政書士基礎知識難易度 やや難

平成28年度 行政書士試験 問52 日本社会の多様化

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成28年度 行政書士試験 試験問題」問52(原文のまま・無改変)

日本社会の多様化に関する次のア~オの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。 ア 特定の民族出身者を誹謗中傷し、社会から排除することをあおるような差別的発言を投げかけるヘイトスピーチは法律で禁止され、内閣府にこれを監視する委員会が設置された。 イ 障害のある人への不当な差別的取扱いを禁止する法律が施行されたが、行政・事業者ともに、障害者に対して合理的配慮の提供を行うことは、努力義務にとどめられた。 ウ 同性による婚姻は法律で認められていないが、結婚に相当する同性の関係について、定めを置く自治体の条例がある。 エ 内戦がつづくシリアからの難民について、日本では、難民認定を申請した者の入国・在留が認められた例はない。 オ 途上国から人材を受け入れ、技術を学んでもらうことを目的とした外国人技能実習制度があるが、実習生を低賃金労働者として扱うなどの問題が生じている。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    アはヘイトスピーチ解消法(2016年)が罰則を伴う「禁止」規定や監視委員会を設けていない点で誤り、エも難民認定申請者の在留を認めた例があるため誤りです。両肢とも妥当でありません。

  • 2誤り

    アが誤り(同法は理念法で禁止・監視委員会の設置はない)であるため、この組合せは正しくありません。

  • 3誤り

    ウは妥当ですが、イについて障害者差別解消法では行政機関の合理的配慮提供は法的義務であり「努力義務にとどめられた」とする点が誤りです。

  • 4誤り

    イ(行政も努力義務とする点)もエ(難民を認めた例がないとする点)もいずれも誤りであり、正しい組合せではありません。

  • 5正しい

    ウ(同性パートナーシップの定めを置く自治体がある)とオ(技能実習制度で低賃金労働などの問題が生じている)は、いずれも妥当な記述です。これが正しい組合せです。

解説

同性婚は法律上認められていませんが、2015年の渋谷区・世田谷区を皮切りに、結婚に相当する関係を認める同性パートナーシップの定めを置く自治体があります(ウは妥当)。外国人技能実習制度は国際貢献を建前としつつ、実習生を低賃金労働者として扱う等の問題が指摘されています(オは妥当)。一方、2016年のヘイトスピーチ解消法は罰則を伴う禁止規定や監視委員会を設けない理念法であり(アは誤り)、障害者差別解消法では行政機関の合理的配慮提供は法的義務とされています(イは誤り)。シリア難民についても日本で在留が認められた例はあります(エは誤り)。したがって妥当なのはウ・オで、肢5が正解です。

ここがポイント

同性パートナーシップ制度を設ける自治体がある/技能実習制度には低賃金労働等の問題。ヘイトスピーチ解消法は理念法、障害者差別解消法で行政の合理的配慮は法的義務。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。