令和2年度 行政書士試験 問1 紛争解決の用語(調停・仲裁・裁判)
次の文章の空欄[ ア ]~[ エ ]にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。 現代の法律上の用語として「[ ア ]」というのは、紛争当事者以外の第三者が[ イ ]の条件(内容)を紛争当事者に示して、当事者の合意([ イ ])によって紛争を解決するように当事者にはたらきかけること、を意味する。このような意味での[ ア ]は、法律上の用語としての「[ ウ ]」とは区別されなければならない。「[ ウ ]」というのは、紛争解決の手段として、紛争当事者以外の第三者たる私人([ ウ ]人)が紛争に対し或る決定を下すこと、を意味する。 「[ ア ]」は、紛争当事者の合意によって紛争を解決すること([ イ ])を第三者が援助し促進することであって、紛争を終わらせるかどうかの最終決定権は当事者にあるのに対し、「[ ウ ]」においては、[ ウ ]人が紛争について決定を下したときは、紛争当事者はそれに拘束されるのであって、この点で[ ウ ]は[ エ ]に似ている。
肢ごとの解説
- 1正しい
ア=調停、イ=和解、ウ=仲裁、エ=裁判。第三者が和解条件を示して当事者の合意(和解)を促すのが調停、第三者(仲裁人)が当事者を拘束する決定を下す点で裁判に似るのが仲裁であり、本文の説明にすべて整合します。
- 2誤り
アに仲裁、ウに調停を入れると、当事者を拘束する決定を下すのが「調停」、合意を促すのが「仲裁」となり、両概念の本来の意味が完全に入れ替わってしまうため誤りです。
- 3誤り
アを和解とすると、和解は本来「当事者間の合意」そのものを指す語であって、第三者が当事者にはたらきかける手続を意味しません。イの示談も合意による解決を指す語で、文意に合いません。
- 4誤り
アに示談、ウに和解を入れる組合せは、第三者が決定を下す手続(ウ)を「和解」とする点で誤りです。和解は当事者の合意であり、第三者が拘束力ある決定を下す概念ではありません。
- 5誤り
アを調停とする点は正しいものの、イに示談、ウに和解、エに仲裁を入れると、第三者が決定を下す手続(ウ)が「和解」となり、また裁判に似るとされるエが「仲裁」となって、本文の対応関係が崩れます。
解説
調停は、第三者が和解(当事者の合意)の条件を示して当事者にはたらきかけ、最終的に紛争を終わらせるかどうかの決定権は当事者に残る手続です。これに対し仲裁は、当事者が選んだ仲裁人が紛争について決定(仲裁判断)を下し、当事者はその判断に拘束される点で、裁判所が判決で当事者を拘束する裁判に類似します。したがってア=調停、イ=和解、ウ=仲裁、エ=裁判となり、肢1が正しい組合せです。ADR(裁判外紛争解決手続)の中核である調停と仲裁は、合意型か決定型かという点で区別されます。
ここがポイント
調停=第三者が和解(合意)を促す手続で決定権は当事者に残る/仲裁=仲裁人の決定に当事者が拘束され裁判に似る。合意型と決定型の区別が鍵。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和2年度(2020年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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