令和3年度 行政書士試験 問46 記述式・土地工作物責任(民法717条1項)
Aが所有する甲家屋につき、Bが賃借人として居住していたところ、甲家屋の2階部分の外壁が突然崩落して、付近を通行していたCが負傷した。甲家屋の外壁の設置または管理に瑕疵があった場合、民法の規定に照らし、誰がCに対して損害賠償責任を負うことになるか。必要に応じて場合分けをしながら、40字程度で記述しなさい。
模範解答
占有者Bが第一次的に責任を負い、Bが損害防止に必要な注意をしたときは所有者Aが負う。
採点のポイント
- 土地工作物責任(民法717条1項)に基づく責任であること。
- 第一次的に責任を負うのは占有者であるBであること。
- 占有者Bが損害発生防止に必要な注意をしたときは所有者Aが無過失責任を負うこと。
解説
民法717条1項は、土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があり他人に損害が生じた場合の責任について、まず工作物の占有者が損害賠償責任を負い(本文)、占有者が損害発生防止に必要な注意をしたときは所有者が責任を負う(ただし書)と定めています。占有者の責任は過失推定型ですが、所有者の責任は免責事由のない無過失責任です。本件で甲家屋を現に支配しているのは賃借人Bですから、第一次的にはBが717条1項本文によりCに対し損害賠償責任を負います。もっともBが損害発生防止に必要な注意を尽くしていたことを立証したときは、Bは免責され、ただし書により所有者Aが無過失で責任を負うことになります。占有者と所有者の二段構えの責任体系と、所有者の無過失責任性を整理する基本問題です。
ここがポイント
民法717条1項は、工作物責任について占有者が第一次的責任を負い(過失推定)、占有者が必要な注意をしたときに所有者が二次的に無過失責任を負う二段構えの規律を定める。被害者保護のため所有者は最終的に責任を免れない。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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