令和3年度 行政書士試験 問57 国の行政機関の個人情報保護制度
国の行政機関の個人情報保護制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
誤り。利用停止請求があった場合、行政機関の長は利用停止をする義務があるかを審査するのであり、まず一時停止してから事後検討する制度ではありません(旧行政機関個人情報保護法36条以下、現行個人情報保護法98条以下)。
- 2誤り
誤り。部分開示の要件は「不開示情報に係る部分を容易に区分して除くことができるとき」であり、関係機関の同意は要件ではありません(旧行政機関個人情報保護法16条、現行78条)。
- 3誤り
誤り。不開示情報が含まれていても、「個人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められるとき」等は裁量的開示が可能です(旧法16条2項・現行80条)。「一切認められない」は明白な誤りです。
- 4誤り
誤り。第三者情報については意見書提出機会を付与することができる(任意的)とされる場合と、人命・生活保護のため開示するときや公益裁量開示のときに意見書提出機会の付与が義務となる場合があります(旧法23条・現行86条)。「聴聞」(行手法上の正式手続)の機会付与までは求められていません。
- 5正しい
正しい。電磁的記録の開示方法は、種別や情報化の進展状況を勘案して行政機関の長(現行法では行政機関の長等)が定める方法により行うとされていました(旧行政機関個人情報保護法24条、現行91条2項)。
解説
本問は出題当時の行政機関個人情報保護法(令和3年法律第37号による令和4年・令和5年の現行個人情報保護法統合前)に関する問題です。電磁的記録の開示方法は、書面の閲覧・写しの交付に加えて、媒体の種類や情報化の進展を踏まえて行政機関側が方法を定めるとされており、肢5が正しい記述です。他の肢は、利用停止請求の処理手続(まず一時停止→検討ではない)、部分開示の要件(関係機関の同意は不要)、不開示情報の例外(生命・健康保護目的等での裁量的開示が可能)、第三者意見書提出機会(聴聞ではない)など、行政機関個人情報保護法上の手続の基本論点で誤りを構成しています。なお、令和3年の改正で行政機関・独立行政法人等個人情報保護法は個人情報保護法に統合されましたが、電磁的記録の開示方法や部分開示・裁量的開示の枠組みは現行法にも引き継がれています。
ここがポイント
電磁的記録の開示方法は行政機関の長が情報化進展等を勘案して定める。部分開示は関係機関の同意不要、裁量的開示は人命等保護のため可能、第三者には意見書提出機会(聴聞ではない)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。