令和4年度 行政書士基礎法学難易度 難

令和4年度 行政書士試験 問1 基礎法学・裁判観と空欄補充

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和4年度 行政書士試験 試験問題」問1(原文のまま・無改変)

次の文章の空欄 ア 〜 エ に当てはまる語句の組合せとして、妥当なものはどれか。 ヨーロッパ大陸において、伝統的に ア 制に対して消極的な態度がとられていることは知られるが、これはそこでの裁判観につながると考えられる。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    ヨーロッパ大陸が消極的なのは、裁判官ごとの賛否を明らかにする『少数意見』制であり、アは妥当です。しかし大陸の裁判観では裁判は条文(法律)の適用と説明され、判決理由の中心が『判例』ではない点を踏まえると、イ以降の組合せが本文の趣旨と噛み合いません。

  • 2誤り

    アを『合議』とすると、大陸が合議制に消極的という不自然な文意になり、現に大陸の裁判所は合議制を広く採用しているため妥当ではありません。

  • 3正しい

    大陸で消極的に扱われるのは裁判官個々の見解を示す『少数意見』制であり、判決理由を支えるのは『判例』、そこで示されるのは多数意見、結論は『全員一致』を理想とする裁判観につながるという対比が、本文の論旨に最も整合します。

  • 4誤り

    アを『合議』とする時点で、大陸が合議制に消極的という誤った前提になります。エの『多数決』も、大陸の裁判観が外形上は全員一致の体裁を重んじる点と整合しません。

  • 5誤り

    ア=少数意見・イ=判例までは妥当ですが、ウを『主文』、エを『多数決』とすると、判決理由内で多数・少数を可視化する英米型の裁判観に寄ってしまい、大陸型の裁判観を説明する本文の流れと矛盾します。

解説

ヨーロッパ大陸の伝統的な裁判観では、判決は法律の客観的な適用として一体的に示されるべきものとされ、裁判官個々が反対意見を表明する『少数意見(反対意見)』制には消極的な態度がとられてきました。判決理由は『判例』の積み重ねの中で多数意見として提示され、結論は形式的には『全員一致』の体裁をとることが理想とされます。これに対し英米では各裁判官の個別意見の表明が広く認められます。本問は空欄前後の手がかりと大陸・英米の裁判観の対比から、ア=少数意見、イ=判例、ウ=多数意見、エ=全員一致となる肢3を導きます。

ここがポイント

大陸型の裁判観は少数意見の表明に消極的で全員一致の体裁を重んじる。英米型との対比で空欄を埋める。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和4年度(2022年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。