令和5年度 行政書士試験 問19 行政事件訴訟法(抗告訴訟の対象)
行政事件訴訟法が定める抗告訴訟の対象に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
誤りです。判例(最判平成17年4月14日)は、登録免許税の還付通知をすべき旨の請求に対する登記機関の拒否通知は、請求者の権利に直接影響を及ぼす法的効果を有し、抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるとしています。本肢は判例に反します。
- 2誤り
誤りです。判例(最判平成14年1月17日)は、建築基準法42条2項のいわゆる二項道路(みなし道路)の一括指定の告示について、特定の土地に建築制限等の効果を生じさせる処分性を認めています。本肢は判例に反します。
- 3正しい
正しい記述です。判例(最判平成15年9月4日)は、被災労働者等は労働基準監督署長の支給決定によって初めて具体的な労災就学援護費の支給請求権を取得するとして、その支給・不支給決定の処分性を認めています。本肢は判例どおりです。
- 4誤り
誤りです。判例(最判平成11年1月21日)は、住民票に続柄を記載する行為は、それ自体によって新たに権利義務を形成し範囲を確定する法的効果をもたないとして処分性を否定しています。本肢は判例に反します。
- 5誤り
誤りです。判例(最判昭和57年4月22日)は、用途地域指定の決定は、その効果が不特定多数に及ぶ一般的・抽象的なものにとどまるとして処分性を否定しています。本肢は判例に反します。
解説
正解は肢3です。判例(最判平成15年9月4日)は、労災就学援護費の制度の仕組みからすると、被災労働者またはその遺族は労働基準監督署長の支給決定によって初めて具体的な支給請求権を取得するとして、支給・不支給決定に処分性を認めました。これに対し、肢1の登録免許税還付通知の拒否は処分性肯定(最判平成17年)、肢2の二項道路一括指定告示も処分性肯定(最判平成14年)であり、いずれも「処分に当たらない」とする記述自体が判例と反します。肢4の住民票続柄記載は処分性否定(最判平成11年)、肢5の用途地域指定は処分性否定(最判昭和57年)であり、「処分に当たる」とする記述が判例に反します。処分性の有無は判例ごとの結論を正確に記憶することが鍵です。
ここがポイント
労災就学援護費の支給・不支給決定は処分性あり(最判平15.9.4)。用途地域指定(昭57)と住民票続柄記載(平11)は処分性否定。登録免許税還付拒否通知・二項道路告示は処分性肯定。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和5年度(2023年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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