令和2年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 標準

令和2年度 社労士試験 問1 使用者等の定義

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和2年度 社会保険労務士試験 試験問題」問1(原文のまま・無改変)

労働基準法第10条に定める使用者等の定義に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    事業主とは事業の経営主体をいい、個人企業ではその企業主個人、法人企業ではその法人そのものを指します。株式会社の場合は会社(法人)が事業主であって代表取締役ではないため、本肢は誤りです。

  • 2誤り

    労働基準法上の使用者は、与えられた権限と責任に応じて実態に即して判断されます。係長であっても一定の事項について現実に権限を行使していれば使用者となり得るため、責任と権限の有無にかかわらず使用者にならないとする本肢は誤りです。

  • 3誤り

    使用者とは事業主のために行為する権限を与えられた者をいい、単に上位者の命令を部下に伝達したにすぎない者は使用者には当たりません(昭和22年通達の趣旨)。伝達者が使用者として行ったこととされるとする本肢は誤りです。

  • 4正しい

    下請負人が自ら雇用する労働者の労働力を直接利用し、業務を注文主から独立して自己の業務として処理する限り、その者は注文主と請負関係に立つ事業主であり、自ら作業に従事しても労働基準法第9条の労働者ではなく同法第10条の事業主と解されます。本肢が正しい記述です。

  • 5誤り

    労働者派遣の場合、派遣中の労働に関する使用者責任は派遣元と派遣先で分担され、指揮命令を伴う事項については派遣先の指揮命令権者も使用者責任を負います(労働者派遣法44条以下)。派遣先が一切使用者にならないとする本肢は誤りです。

解説

正解は肢4です。労働基準法第10条の「使用者」は、事業主、事業の経営担当者、その他労働者に関する事項について事業主のために行為するすべての者をいい、肩書ではなく現実の権限と責任に即して判断されます。下請負人が独立して自己の業務として処理する限り、その者は事業主であって労働者ではありません。事業主は株式会社の場合は法人そのものであり代表取締役ではない点(肢1)、派遣先も指揮命令を伴う事項について使用者責任を負う点(肢5)に注意が必要です。

ここがポイント

使用者は肩書ではなく権限・責任の実態で判断する。事業主は法人企業では法人そのもの。派遣では派遣元・派遣先が使用者責任を分担する。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和2年度(2020年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。