令和4年度 社労士試験 問1 労働基準法上の労働者
労働基準法の労働者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
労働基準法9条の労働者は『事業に使用される者で、賃金を支払われる者』を指し、現に使用従属関係にあることが必要です。失業して求職活動中の者はもはや事業に使用されていないため、労基法上の労働者には該当しません。
- 2誤り
契約の形式が請負であっても、実態として使用従属関係が認められれば労基法上の労働者と扱われるのが行政解釈・判例の立場です。形式を絶対視する本肢は誤りです。
- 3誤り
同居の親族のみを使用する事業は労基法の適用除外(116条2項)ですが、親族以外の者が一人でも使用されると事業全体に労基法が適用され、当該親族以外の者はもちろん労働者として保護されます。
- 4誤り
代表取締役は会社を代表して業務執行する立場であり、使用従属関係に立たないため、原則として労基法上の労働者には該当しません(行政解釈)。
- 5正しい
労基法9条の労働者は契約形式を問わず、事業に『使用』され、対償として『賃金』を支払われる者であれば足ります。明示の契約書がなくとも、使用従属の実態と賃金性が認められれば労働者に該当します。
解説
正解は肢5です。労働基準法9条は労働者を『事業に使用される者で、賃金を支払われる者』と定義しており、契約の形式(雇用・請負・委任)にとらわれず、使用従属関係の実態と労務対償としての賃金支払の有無で判断します。失業者(肢1)や代表取締役(肢4)はこの実態を欠き、形式が請負でも実態があれば労働者となる(肢2の否定)のが基本的な考え方です。また同居親族のみの事業に他人が混じれば事業全体が適用対象となります(肢3)。労働者性の判断は契約名ではなく実態というのが本問の核心です。
ここがポイント
労基法上の労働者性は契約形式ではなく『使用従属関係+賃金性』の実態で判断する。明示の契約がなくとも該当しうる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。