令和4年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 やや難

令和4年度 社労士試験 問2 労働時間

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和4年度 社会保険労務士試験 試験問題」問2(原文のまま・無改変)

労働基準法の労働時間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    一般健康診断(安衛則44条等)は労働者の一般的な健康確保が目的で、実施に要する時間を労働時間とするかは労使協議に委ねられます。一方、特定業務従事者の健康診断は労働時間として取り扱うべきとされており、両者の扱いが同じとする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    貨物の積込のため出発前に出勤を命じられ、貨物が持ち込まれれば直ちに対応すべき待機時間は、使用者の指揮命令下に置かれている『手待時間』であり、労働時間と解されます(行政解釈)。

  • 3誤り

    使用者の自由意思で実施し、出席が強制されず自由参加とされる教育は、参加していても労働時間に該当しないというのが行政解釈です。時間外労働扱いとする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    事業場の火災で帰宅中の労働者が任意に出勤して消火作業に従事した場合でも、事業の正常な運営を確保するための業務であり、一般に労働時間として取り扱うのが行政解釈です。

  • 5正しい

    最高裁(大星ビル管理事件・平成14年2月28日判決)は、仮眠時間中も警報対応等の義務付けがあり、対応が皆無に等しいなどの事情がない限り、使用者の指揮命令下にあり労基法32条の労働時間に当たると判示しました。本肢の記述はこの判例の趣旨に沿っており正しい記述です。

解説

正解は肢5です。最高裁大星ビル管理事件判決は、仮眠室における不活動仮眠時間であっても、労働契約上の役務提供(警報対応等)が義務付けられている以上、実作業のない時間も含め全体として使用者の指揮命令下に置かれているとして、労基法32条の労働時間に該当すると判断しました。手待時間(肢2)、消火作業(肢4)も同様に指揮命令下と評価され、労働時間に当たります。健康診断(肢1)は一般健診と特殊健診で扱いが分かれ、自由参加の教育(肢3)は労働時間に含まれません。労働時間性は『使用者の指揮命令下にあるか』という客観的基準で判断されます。

ここがポイント

労働時間は『使用者の指揮命令下に置かれた時間』(客観説)。仮眠時間でも対応義務があれば労働時間。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。