令和4年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 やや難

令和4年度 社労士試験 問3 時間外及び休日の労働等(36協定)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和4年度 社会保険労務士試験 試験問題」問3(原文のまま・無改変)

労働基準法第36条(以下本問において「本条」という。)に定める時間外及び休日の労働等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解2選択肢 2 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    断続的な日直として労働基準監督署長の許可(規則23条)を受けた場合、その勤務は労基法41条3号の適用除外となり、休日労働の規制も及ばないため、36協定なしで休日の日直が可能です。正しい記述で『誤り』ではありません。

  • 2正しい

    特別条項を用いても、複数月平均80時間以下・単月100時間未満等の労基法36条6項の上限規制が適用されます。1〜5月の時間外労働を平均すると(90+70+85+75+80)÷5=80時間ちょうどとなり、2か月(1〜2月平均80)・3か月(80超え未満)等の複数月平均80時間以下要件を満たさない月が生じます。具体的には1〜2月平均80、1〜3月平均約81.7と80時間を超える区間があり、本肢の働かせ方は違法となるため、本肢が誤りです。

  • 3誤り

    遅刻分だけ終業を繰り下げても、一日の実労働時間が法定労働時間内に収まる限り、時間外労働は発生しません。36協定も割増賃金も不要というのが行政解釈で、正しい記述です。

  • 4誤り

    所定労働時間(週35時間)を超えても、法定労働時間(1日8時間・週40時間)内に収まる範囲の労働は『法内残業』であり、36協定の締結・届出は不要です。正しい記述で『誤り』ではありません。

  • 5誤り

    36協定は事業場ごとの締結が原則ですが、各事業場の労働者の過半数で組織する労働組合の本部長が締結し、各事業場で所要事項を補記して届け出る取扱いも、当該組合の構成要件を満たせば認められるというのが行政解釈で、正しい記述です。

解説

正解は肢2(誤り)です。働き方改革関連法による労基法36条6項は、特別条項によっても①単月で休日労働込み100時間未満、②2〜6か月平均で休日労働込み80時間以下、③年720時間以内という上限を絶対的に課しています。本肢の1〜5月(90/70/85/75/80)は単月では95時間以内に収まりますが、2か月平均(1〜2月=80、2〜3月=77.5、3〜4月=80、4〜5月=77.5)と、1〜3月平均約81.7時間、2〜4月平均約76.7、3〜5月平均80といった複数月平均で80時間を超える区間が生じ、上限規制違反となります。他の肢(断続的勤務の許可、法内残業、本社一括協定の取扱い)はいずれも行政解釈に沿った正しい記述です。

ここがポイント

36協定の特別条項でも、複数月平均80時間・単月100時間未満・年720時間以内の上限規制は絶対。月単位だけでなく2〜6か月平均にも注意。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。