令和4年度 社労士労働基準法及び労働安全衛生法難易度 標準

令和4年度 社労士試験 問4 労働基準法総則

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和4年度 社会保険労務士試験 試験問題」問4(原文のまま・無改変)

労働基準法の総則(第1条〜第12条)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    労基法1条2項の『労働関係の当事者』には、使用者・労働者個人のほか使用者団体・労働組合も含まれるというのが行政解釈で、正しい記述です。

  • 2誤り

    労基法3条の『信条』は宗教的信念だけでなく政治的信念も含むというのが通説・行政解釈で、正しい記述です。

  • 3正しい

    労基法4条は『賃金について、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならない』と定めるところ、就業規則に差別規定があってもそれだけで4条違反は成立せず、現実の差別待遇の事実が必要というのが行政解釈です。規定自体は無効ですが、現実の取扱いがなければ4条違反とはならないため、両方を肯定する本肢は誤りです。

  • 4誤り

    労基法5条(強制労働の禁止)は『労働者の意思に反して労働を強制した』場合に成立します。労働強制の目的を欠く単なる暴行は刑法上の暴行罪となり得ても、労基法5条違反とはならないというのが行政解釈で、正しい記述です。

  • 5誤り

    事務代理を受けた社労士が申請懈怠した場合、その社労士は労基法10条の『使用者』として扱われ、罰則の対象となるというのが行政解釈で、正しい記述です。

解説

正解は肢3(誤り)です。労基法4条違反は『女性であることを理由とする賃金の差別的取扱い』が現実に行われたときに成立し、就業規則に差別規定があるだけでは4条違反は成立しません(規定自体は公序良俗違反等で無効となりうるとしても、4条違反の罰則対象ではない)。他の肢は、労使団体も労働関係の当事者に含まれる(肢1)、信条には政治的信念も含む(肢2)、強制労働目的のない暴行は5条違反にならない(肢4)、事務代理の社労士は使用者として責任を負いうる(肢5)といずれも行政解釈に沿った正しい記述です。総則は罰則の前提となる重要規定であり、文言と解釈を正確に押さえる必要があります。

ここがポイント

労基法4条違反は『現実の差別取扱い』の事実が必要。就業規則上の規定のみでは4条違反にならない。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和4年度(2022年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。