令和6年度 社労士労働基準法難易度 標準

令和6年度 社労士試験 問1 総則(第1条〜第12条)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和6年度 社会保険労務士試験 試験問題」問1(原文のまま・無改変)

労働基準法の総則(第 1 条〜第 12 条)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    労働基準法第 1 条の「人たるに値する生活」は、社会の一般通念によって決まるものとされますが、その内容は標準家族の生活を含めて考えるものであり、単に「賃金の最低額を保障することによる最低限度の生活」に限定されるものではありません。最低限度の生活に限定する点が誤りです。

  • 2誤り

    判例(三菱樹脂事件・最大判昭48.12.12)は、特定の信条を有することを雇入れを拒む理由とすることは、雇入れ後の労働条件における差別を禁じた労基法 3 条には違反しないとしています。雇入れの拒否を 3 条違反とする本肢は判例に反し誤りです。

  • 3誤り

    女性が平均的に能率が悪い・勤続年数が短いといった平均的・抽象的な理由で男女間に異なる昇格基準を設け賃金格差を生じさせることは、労働基準法第 4 条(男女同一賃金の原則)違反となります。違反とならないとする本肢は誤りです。

  • 4正しい

    在籍型出向では出向元・出向先・出向労働者の三者間で定められた権限と責任に応じ、出向元又は出向先の使用者が労働基準法上の使用者としての責任を負うとされています(昭61.6.6基発333号)。本肢が正しい記述です。

  • 5誤り

    所定の貨幣賃金の代わりに支給され、その支給により貨幣賃金の減額を伴うものは、労働の対償として支払われるものとして労働基準法第 11 条の「賃金」とみなされます。「賃金」とみなさないとする本肢は誤りです。

解説

正解は肢4です。在籍型出向の出向労働者については、三者間の取決めで定められた権限と責任の分担に応じて、出向元又は出向先の使用者が労働基準法上の使用者としての責任を負います。肢1は「最低限度の生活」に限定する点、肢2は雇入れ拒否を労基法 3 条違反とする点(三菱樹脂事件に反する)、肢3は平均的能率等を理由とする男女別基準を 4 条違反でないとする点、肢5は現物給与を賃金とみなさないとする点が、それぞれ誤りです。総則は使用者・賃金・均等待遇の各概念の定義と判例を整理することが得点の鍵となります。

ここがポイント

労基法 3 条の均等待遇は「雇入れ後」の労働条件の差別を禁じるもので、雇入れそのものの拒否は対象外(三菱樹脂事件)。4 条の男女同一賃金は平均的・抽象的理由による差別も許さない。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。