令和6年度 社労士労働基準法難易度 標準

令和6年度 社労士試験 問2 解釈(事業・使用者・労働契約)

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和6年度 社会保険労務士試験 試験問題」問2(原文のまま・無改変)

労働基準法の解釈に関する次のアからウまでの各記述について、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せとして、正しいものはどれか。 ア 労働基準法において一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定するが、例えば工場内の診療所、食堂等の如く同一場所にあっても、著しく労働の態様を異にする部門が存する場合に、その部門が主たる部門との関連において従事労働者、労務管理等が明確に区別され、かつ、主たる部門と切り離して適用を定めることによって労働基準法がより適切に運用できる場合には、その部門を一の独立の事業とするとされている。 イ 労働基準法において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいい、「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。 ウ 労働契約とは、本質的には民法第 623 条に規定する雇用契約や労働契約法第 6 条に規定する労働契約と基本的に異なるものではないが、民法上の雇用契約にのみ限定して解されるべきものではなく、委任契約、請負契約等、労務の提供を内容とする契約も労働契約として把握される可能性をもっている。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    イが誤りであるため、すべて○とする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    イが誤り、ウが正しいため、イ○・ウ×とする本肢は誤りです。

  • 3正しい

    ア○(事業の判断は場所的観念が原則だが、態様を著しく異にする部門は独立の事業とされる)、イ×(使用者の定義が事業主等を欠く・誤り)、ウ○(労働契約は雇用契約に限定されず委任・請負も把握しうる)であり、本肢の組合せが正しい記述です。

  • 4誤り

    アは正しく、ウも正しいため、ア×・ウ×とする本肢は誤りです。

  • 5誤り

    アは正しいため、ア×とする本肢は誤りです。

解説

正解は肢3です。アは正しく、事業性は主として場所的観念で決まりますが、同一場所でも労働の態様を著しく異にし労務管理が明確に区別される部門は一の独立の事業とされます(昭22.9.13発基17号)。イは誤りで、労基法第 10 条の「使用者」とは事業主又は事業の経営担当者その他労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者をいい、「賃金を支払う者」に限定する定義は不正確です。ウは正しく、労働基準法上の労働契約は民法の雇用契約に限られず、委任・請負等労務提供を内容とする契約も労働契約として把握されうるとされています。したがってア○・イ×・ウ○の肢3が正解です。

ここがポイント

労基法 10 条の「使用者」は事業主・経営担当者・事業主のために行為するすべての者を含む広い概念。賃金支払者に限定する定義は誤り。事業性の判断は場所的観念が原則。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する令和6年度(2024年度)社会保険労務士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。