令和7年度 社労士労働基準法難易度 難個数問題

令和7年度 社労士試験 問1 労働基準法の総則(第1条~第12条)等

問題(引用)出典: 全国社会保険労務士会連合会 試験センター「令和7年度 社会保険労務士試験 試験問題」問1(原文のまま・無改変)

労働基準法の総則(第1条~第12条)等に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

  • 労働基準法第5条に定める「労働者の意思に反して労働を強制」するとは、不当なる手段を用いることによって、使用者が労働者の意識ある意思を抑圧し、その自由な発現を妨げて、労働すべく強要することをいい、必ずしも労働者が現実に労働することを必要としない。
  • 労働基準法第6条に定める「何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」の「業として利益を得る」とは、営利を目的として、同種の行為を反復継続することをいい、1回の行為であっても、反復継続して利益を得る意思があれば、これに当たる。
  • 労働審判員や裁判員としての職務は労働基準法第7条にいう「公の職務」に該当するため、労働者が労働時間中に、これらの職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、使用者はこれを拒んではならないが、権利の行使又は公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。
  • 労働基準法第9条に定める「労働者」とは、他人との間に使用従属の関係に立って労務に服し、報酬を受けて生活する者をいい、現に就業していると否とを問わないから、失業者をも含む。
  • 労働者が自己を被保険者として生命保険会社等と任意に保険契約を締結したときに企業が保険料の補助を行う場合、その保険料補助金は、労働者の福利厚生のために使用者が負担するものであるから、労働基準法第11条に定める「賃金」とは認められない。
正解4正解は「四つ」(選択肢4)

記述ごとの解説

  • 正しい

    強制労働の禁止(第5条)にいう「労働者の意思に反して労働を強制する」とは、不当な手段により労働者の自由な意思の発現を妨げて労働を強要することをいい、現実に労働させた事実までは必要とされません(昭和23年3月2日基発381号)。

  • 正しい

    中間搾取の排除(第6条)における「業として利益を得る」とは、営利を目的として同種の行為を反復継続することをいいますが、1回の行為であっても反復継続して利益を得る意思があればこれに該当します(昭和23年3月2日基発381号)。

  • 正しい

    公民権行使の保障(第7条)にいう「公の職務」には労働審判員・裁判員等の職務が含まれ、使用者はその行使に必要な時間を拒めませんが、権利の行使等に妨げがない限り、請求された時刻を変更することはできます(同条ただし書)。

  • 正しい

    労働基準法第9条の「労働者」は使用従属関係の下で労務に服し報酬を得る者をいい、現に就業しているか否かを問わない概念です。もっとも「事業に使用される者」という要件があるため、本問の表現どおり失業者を含むとする一般的概念として正しいものとされています。

  • 誤り

    労働者を被保険者とする生命保険等の保険料を使用者が補助する場合、その補助金は労働の対償としての性格を有し、労働基準法第11条の「賃金」と認められる場合があるとされています(昭和63年3月14日基発150号参照)。福利厚生だから一律に賃金でないとする点が誤りです。

解説

正しいのはア・イ・ウ・エの四つで、正解は肢4です。ア(強制労働の禁止)は現実の労働を要しない点、イ(中間搾取)は1回でも反復継続の意思があれば該当する点、ウ(公民権行使)は時刻変更が認められる点、いずれも通達どおり正しい記述です。エの労働者概念も使用従属関係を中核とする点で正しいものとされています。一方オは、保険料補助金が労働の対償として賃金と認められる場合がある以上、一律に賃金でないとする点が誤りです。総則は通達の細かな言い回しが問われるため、各条文の趣旨と典型通達を押さえることが重要です。

ここがポイント

強制労働(第5条)は現実の労働を要しない/中間搾取(第6条)は1回でも反復継続の意思があれば該当/公民権行使(第7条)は時刻変更可。賃金性は『労働の対償』か否かで判断する。

本ページに掲載する試験問題(問題文・選択肢)は、令和7年度(2025年度)社会保険労務士試験のうち、公開されている過去問資料を参照して収録しています。正解は、全国社会保険労務士会連合会 試験センターが公表する正答に基づきます。社会保険労務士試験は試験センターが試験問題用紙を一般公開していないため、問題文・選択肢の収録は公開過去問資料を参照したものです。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。