平成27年度 行政書士行政法難易度 難

平成27年度 行政書士試験 問16 行政事件訴訟法(事情判決)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成27年度 行政書士試験 試験問題」問16(原文のまま・無改変)

事情判決に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

正解この問題は「正解なし」として、受験者全員が正解の扱いとなりました。

肢ごとの解説

  • 1誤り

    事情判決は請求を棄却し、主文において処分が違法であることを宣言します(行訴法31条1項後段)。違法宣言が判決『理由』においてなされるとする点が条文と異なり、妥当な記述とはいえません。

  • 2誤り

    事情判決の規定(行訴法31条)は処分の取消しを認めないことを定めるにとどまり、損害賠償や損害防止措置を命じることまでは規定していません。これらを当然に命じるとする本肢は妥当でありません。

  • 3誤り

    事情判決の規定(行訴法31条)は取消訴訟について定められたものであり、義務付け訴訟や差止訴訟に明文で準用されているわけではありません。明文準用があるとする本肢は妥当でありません。

  • 4誤り

    選挙の効力に関する訴訟には公職選挙法に事情判決の準用を排除する特則があり、最高裁の議員定数不均衡訴訟では『事情判決の法理』により請求を棄却し違法を宣言した例がありますが、これは行訴法31条の準用によるものではなく一般的な法の基本原則によるものとされます。本肢は準用関係の説明として正確とはいえません。

  • 5誤り

    土地改良事業が完了し原状回復が社会通念上不可能となっても、判例(最判平成4年1月24日)は施行認可取消しの訴えの利益は失われないとし、事情判決によって処理する余地を認めています。訴えの利益が失われ却下されるとする本肢は妥当でありません。

解説

本問は事情判決(行政事件訴訟法31条)に関し妥当なものを選ぶ問題ですが、公式に「正解なし(全員正解)」とされた問題です。各肢には、違法宣言の位置(理由か主文か)、損害賠償・防止措置の要否、義務付け・差止訴訟への準用の有無、選挙無効訴訟における事情判決の法理の性質、土地改良事業完了後の訴えの利益など、それぞれ正確性を欠く部分が含まれており、出題機関は妥当といえる肢を一つに確定できないと判断したものとみられます。そのため受験者全員が正解扱いとなりました。事情判決は、処分が違法であっても取消しが公共の福祉に著しく適合しない場合に、主文で違法を宣言しつつ請求を棄却する制度である点を押さえておけば足ります。

ここがポイント

本問は公式に全員正解(正解なし)とされた問題。事情判決は主文で違法を宣言しつつ請求を棄却する制度(行訴法31条)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。