平成27年度 行政書士行政法難易度 やや難

平成27年度 行政書士試験 問18 行政事件訴訟法(総合)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成27年度 行政書士試験 試験問題」問18(原文のまま・無改変)

行政事件訴訟法に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。 ア 処分の差止めの訴えの審理中に当該処分がなされた場合、差止めの訴えは、当該処分の取消しの訴えとみなされる。 イ 取消判決は、その事件について、処分庁その他の関係行政庁を拘束すると定められているが、同規定は、公法上の当事者訴訟に準用されている。 ウ 不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り、提起することができ、それ以外の第三者が提起することは許されない。 エ 裁判所は、必要であると認めるときは、職権で、処分をした行政庁以外の行政庁を訴訟に参加させることができるが、その行政庁から申し立てることはできない。 オ 行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分をする場合には、相手方に対し、取消訴訟の被告とすべき者等を教示しなければならないが、審査請求に対する裁決をする場合には、それに対する取消訴訟に関する教示の必要はない。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    アは誤りです。差止訴訟の審理中に処分がされても、差止めの訴えが取消訴訟とみなされる旨の規定はありません。原告が訴えの変更等で対応することになります。

  • 2誤り

    アが誤りであるため、ア・イの組合せは正しくありません。なおイは正しく、取消判決の拘束力(行訴法33条)は当事者訴訟に準用されています(41条1項)。

  • 3正しい

    イ・ウともに正しい組合せです。取消判決の拘束力(33条1項)は公法上の当事者訴訟に準用され(41条1項)、不作為の違法確認の訴えは申請をした者に限り提起できます(37条)。これが正解です。

  • 4誤り

    ウは正しいですが、エが誤りです。裁判所は職権のほか当事者又はその行政庁の申立てによっても処分庁以外の行政庁を訴訟参加させることができ(行訴法23条)、行政庁から申し立てられないとする点が誤りです。

  • 5誤り

    エ・オともに誤りです。オについて、審査請求に対する裁決をする場合にも、裁決の取消訴訟に関する教示が必要であり、教示不要とする点が誤りです。

解説

本問は行政事件訴訟法に関し正しい記述の組合せを選ぶ問題です。イは正しく、取消判決の拘束力を定める33条1項は、41条1項により公法上の当事者訴訟に準用されています。ウも正しく、不作為の違法確認の訴えは、処分又は裁決についての申請をした者に限り提起することができます(37条)。一方、アは差止訴訟が取消訴訟とみなされる旨の規定がない点で誤り、エは行政庁の訴訟参加が職権のほか当事者・行政庁の申立てによっても認められる点(23条)で誤り、オは裁決をする場合にも取消訴訟に関する教示が必要である点で誤りです。したがってイ・ウの組合せである肢3が正解となります。原告適格や判決の効力、教示制度を横断的に問う総合問題です。

ここがポイント

取消判決の拘束力は当事者訴訟に準用(行訴法41条)。不作為違法確認の訴えは申請者に限り提起できる(37条)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。