平成27年度 行政書士試験 問23 地方自治法(条例・規則と罰則)
条例・規則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
条例には法律の個別の委任がなくても罰則を設けることができます(地自法14条3項、最大判昭37・5・30)。「法律の委任に基づかない条例には設けられない」とする点が誤りです。
- 2誤り
行政上の強制執行が可能かどうかと、条例に罰則を設けられるかは別問題です。強制執行が許される場合に罰則を設けられないとする制限は法に存在せず、誤りです。
- 3誤り
条例の罰則として懲役・禁錮も科すことができます。地自法14条3項は2年以下の懲役・禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料、没収を定めており、罰金・科料に限られるとする点が誤りです。
- 4誤り
条例には刑罰のほか5万円以下の過料を科す旨の規定も設けることができます(地自法14条3項)。過料を設けられないとする点が誤りです。
- 5正しい
長の定める規則には過料を科す旨の規定は設けられますが(地自法15条2項)、刑罰を科す規定は設けられません。罰則として刑罰を科しうるのは住民代表機関である議会が定める条例に限られるため、本肢は正しい記述です。
解説
条例は、地方自治法14条3項により、法令に特別の定めがある場合を除き、2年以下の懲役・禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料、没収という刑罰のほか、5万円以下の過料を科す旨の規定を設けることができます。条例による罰則には法律の個別委任は不要とされています(最大判昭37・5・30)。これに対し、長が定める規則には行政上の秩序罰である過料(5万円以下)を科す規定は設けられますが、刑罰を科す規定を設けることはできません(同法15条2項)。刑罰は住民代表である議会の定める条例によってのみ科しうるという区別が要点です。したがって肢5が正解で、肢1〜4はいずれも条例の罰則に関する制限を誤って述べています。
ここがポイント
条例には法律の個別委任なく刑罰(懲役・罰金等)と過料を定められる。長の規則は過料のみ可で刑罰は不可。罰則と強制執行の可否は別問題。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。