平成27年度 行政書士試験 問26 国家公務員に対する制裁措置
国家公務員に対する制裁措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
懲戒処分は原則として各府省の任命権者が行うものであり、人事院がすべての職種について処分基準を定めてこれに基づき処分するわけではありません。
- 2正しい
懲戒は全体の奉仕者たる公務員の非違行為に対する制裁であり、職務上の義務違反だけでなく、国民の信頼を損なう職務時間外の非行(国公法82条1項3号)も処分理由となります。よって正しい記述です。
- 3誤り
勤務実績がよくない場合は、制裁である懲戒処分ではなく、分限処分(降任・免職等)の対象となります。懲戒と分限の区別を取り違えており誤りです。
- 4誤り
懲戒処分の種類は免職・停職・減給・戒告の4種類です(国公法82条1項)。降任・休職は分限処分に属するため、本肢は分限と懲戒を混同しており誤りです。
- 5誤り
国家公務員の政治的行為の制限に違反した場合、懲戒の対象となるだけでなく、国家公務員法に罰則も定められています(同法110条1項19号)。罰則がないとする点が誤りです。
解説
公務員に対する制裁的不利益処分である懲戒(国家公務員法82条)は、非違行為に対する責任追及の制度で、その種類は免職・停職・減給・戒告の4種類です。懲戒事由には法令違反や職務上の義務違反のほか、「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行」が含まれ、職務時間外の行為も対象となりえます。これに対し、勤務実績不良や心身の故障などを理由とする降任・免職・休職は、制裁ではなく公務能率維持のための分限処分(同法78条等)であり、懲戒とは性質が異なります。また政治的行為の制限違反には懲戒に加え罰則も定められています。以上から、職務時間外の行為も処分理由となりうるとする肢2が正しく、ほかは懲戒と分限の混同や条文知識の誤りを含みます。
ここがポイント
懲戒(制裁)と分限(能率維持)の区別が要。懲戒は免職・停職・減給・戒告の4種で職務時間外の非行も対象。勤務不良は分限。政治的行為制限違反には罰則あり。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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