平成27年度 行政書士民法難易度 やや難

平成27年度 行政書士試験 問31 代物弁済

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成27年度 行政書士試験 試験問題」問31(原文のまま・無改変)

代物弁済(担保目的の代物弁済契約によるものは除く。)に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    判例によれば、代物弁済による不動産所有権移転の効果は、原則として代物弁済の意思表示(合意)によって生じます。本肢は妥当な記述です。

  • 2正しい

    他方で、第三者対抗要件を備える必要から、債務消滅という代物弁済の本来の効果は原則として移転登記等の対抗要件の具備を要するとされます(判例)。本肢は妥当です。

  • 3正しい

    代物弁済として給付された他人の動産でも、債権者が平穏・公然・善意・無過失で占有を始めれば即時取得(民法192条)により所有権を取得できます。本肢は妥当です。

  • 4誤り

    代物弁済は有償契約であり、売買の規定が準用されるため、給付物に瑕疵があれば債権者は瑕疵担保責任(契約不適合責任)を追及できます。追及できないとする本肢が妥当でなく、これが正解です。

  • 5誤り

    手形・小切手の交付は「弁済に代えて」ではなく「弁済のために」なされたと推定されるのが通常で、不渡りなら原因債権は消滅せず請求できます。本肢の前提も問題ですが、本問の正解は肢4とされています。

解説

代物弁済(民法482条)は、本来の給付に代えて他の給付をすることで債権を消滅させる有償契約です。判例上、不動産を目的とする代物弁済では、所有権移転の効果は代物弁済の合意(意思表示)により生じる一方、債務消滅という本来の効果は原則として移転登記等の対抗要件を具備した時に生じるとされます(肢1・2は妥当)。代物弁済は有償契約であるため売買の規定が準用され、給付した目的物に瑕疵があれば、債権者は債務者に対し瑕疵担保責任(現行法では契約不適合責任)を追及できます。したがって、瑕疵担保責任を追及できないとする肢4が妥当でなく、これが正解です。なお他人物の即時取得(肢3)は妥当な記述です。

ここがポイント

代物弁済は有償契約で売買規定が準用され、給付物の瑕疵には担保責任を追及できる。不動産では所有権移転は合意時、債務消滅効果は対抗要件具備時に生じる(判例)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。