平成27年度 行政書士試験 問36 運送営業・場屋営業
運送営業および場屋営業に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
運送人は、運送品の受取り・引渡し・保管・運送につき注意を怠らなかったことを証明しなければ損害賠償責任を免れません(商法旧577条)。過失の立証責任が運送人にある旨の本肢は正しい記述です。
- 2正しい
高価品については、荷送人が種類・価額を明告して委託しなければ、運送人は損害賠償責任を負いません(商法旧578条)。本肢は正しい記述です。
- 3誤り
場屋営業主(旅館・飲食店等)は、客から寄託を受けた物品について、不可抗力によることを証明しなければ損害賠償責任を免れません(商法旧594条1項のレセプツム責任)。注意を怠らなかったことの証明では足りないため、本肢は誤りで、これが正解です。
- 4正しい
客が寄託しない場屋内携帯品でも、営業主やその使用人の不注意で損害が生じたときは営業主が責任を負います(商法旧594条2項)。本肢は正しい記述です。
- 5正しい
高価品については、客が種類・価額を明告して寄託しなければ営業主は責任を負いません(商法旧595条)。本肢は正しい記述です。
解説
運送営業と場屋営業の責任に関する商法の規定を問う問題です。運送人は運送品の受取り・引渡し・保管・運送につき自己に過失のなかったことを証明しなければ責任を免れず(肢1)、高価品については荷送人の明告がなければ責任を負いません(肢2)。場屋営業主の責任については、客から寄託を受けた物品につき、「不可抗力による」ことを証明しなければ損害賠償責任を免れないという厳格責任(レセプツム責任)が定められています。したがって、単に「保管に注意を怠らなかったこと」の証明で免責されるとする肢3は誤りであり、これが正解です。寄託しない携帯品でも営業主側の不注意があれば責任を負い(肢4)、高価品は客の明告がなければ責任を負わない(肢5)点はいずれも正しい記述です。
ここがポイント
場屋営業主は寄託物につき不可抗力の証明がなければ免責されない厳格責任(レセプツム責任)。運送人は無過失の証明で免責。高価品はいずれも明告がなければ責任を負わない。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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