平成27年度 行政書士憲法難易度 やや難

平成27年度 行政書士試験 問4 基本的人権の分類(生存権的基本権)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成27年度 行政書士試験 試験問題」問4(原文のまま・無改変)

次の文章は、基本的人権の分類についてかつて有力であったある考え方を整理・要約したものである。1~5は、この分類ではいずれも「生存権的基本権」と関係があるが、その本来的な特徴を備えているとはいえないものが一つだけ含まれている。それはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    生活保護の給付は、国に対して人間に値する生活の保障を積極的に求める生存権(憲法25条)の典型的な現れであり、国家に作為を求める生存権的基本権の本来的特徴を備えています。本問が求める「特徴を備えていないもの」には当たりません。

  • 2誤り

    無償の義務教育の提供(憲法26条)は、国に対し教育条件の整備という積極的な給付を求めるものであり、生存権的基本権(社会権)の本来的特徴を備えています。

  • 3誤り

    勤労条件の法定(憲法27条2項)は、労働者の生存を確保するため国に立法による保護を求めるものであり、社会権としての生存権的基本権の特徴を備えています。

  • 4正しい

    争議行為の刑事免責は、国家による刑罰権の発動を排除して労働者の団体行動を保障するものであり、国家からの自由(自由権的側面)に近い性格を持ちます。国家に積極的な作為を求める生存権的基本権の本来的特徴とは異質であり、これが該当します。

  • 5誤り

    社会保障制度の充実は、国に対し制度整備という積極的施策を求める生存権(憲法25条2項)の現れであり、生存権的基本権の本来的特徴を備えています。

解説

本問は、生存権的基本権(社会権)の本来的特徴を備えていないものを選ぶ問題です。生存権的基本権は、国家に対して人間らしい生活の実現に向けた積極的な作為・給付を求める点にその本質があります。生活保護の給付、義務教育の無償提供、勤労条件の法定、社会保障の充実は、いずれも国家の積極的施策を求めるもので社会権の特徴に合致します。これに対し争議行為の刑事免責は、国家の刑罰権という干渉を排除する点で国家からの自由(自由権的側面)に親和的であり、積極的給付を求める生存権的基本権の本来的特徴とはいえません。労働基本権が自由権・社会権の複合的性格を持つことを意識すると判断できます。

ここがポイント

生存権的基本権=国家に積極的作為を求める社会権。争議行為の刑事免責は国家干渉の排除で自由権的性格。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。