平成27年度 行政書士行政法難易度 標準記述式

平成27年度 行政書士試験 問44 記述(裁決取消訴訟・原処分主義)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成27年度 行政書士試験 試験問題」問44(原文のまま・無改変)

Xは、Y県内で開発行為を行うことを計画し、Y県知事に都市計画法に基づく開発許可を申請した。しかし、知事は、この開発行為によりがけ崩れの危険があるなど、同法所定の許可要件を充たさないとして、申請を拒否する処分をした。これを不服としたXは、Y県開発審査会に審査請求をしたが、同審査会も拒否処分を妥当として審査請求を棄却する裁決をした。このため、Xは、申請拒否処分と棄却裁決の両方につき取消訴訟を提起した。このうち、裁決取消訴訟の被告はどこか。また、こうした裁決取消訴訟においては、一般に、どのような主張が許され、こうした原則を何と呼ぶか。40字程度で記述しなさい。

模範解答

被告はY県であり、裁決固有の瑕疵のみ主張でき、これを原処分主義と呼ぶ。

採点のポイント

  • 裁決取消訴訟の被告は、裁決をした開発審査会が所属する行政主体である「Y県」であること(行訴法11条1項)。
  • 裁決取消訴訟では原処分の違法を主張できず、裁決固有の瑕疵のみを主張できること。
  • このように原処分の違法は原処分の取消訴訟で争わせる原則を「原処分主義」と呼ぶこと(行訴法10条2項)。

解説

裁決取消訴訟の被告は、抗告訴訟の被告適格の原則(行訴法11条1項)により、裁決をした行政庁であるY県開発審査会が所属する行政主体としての「Y県」となります。次に、行政事件訴訟法10条2項は、処分の取消訴訟と裁決の取消訴訟の両方を提起できる場合、裁決取消訴訟では「処分の違法を理由として取消しを求めることができない」と定めています。これが原処分主義で、原処分の違法は原処分取消訴訟で争い、裁決取消訴訟では裁決固有の瑕疵(手続違反や審理不尽など裁決自体の違法)に限って主張できるという原則です。本問でXは、拒否処分の違法は拒否処分取消訴訟で、裁決取消訴訟では裁決固有の瑕疵のみを主張することになります。

ここがポイント

行訴法10条2項の原処分主義により、裁決取消訴訟では原処分の違法を主張できず裁決固有の瑕疵のみ主張できる。被告は裁決庁の所属する行政主体(行訴法11条1項)であるY県。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成27年度(2015年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

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