平成28年度 行政書士試験 問12 行政手続法・義務と努力義務
行政手続法が定める行政庁等の義務(必ず行わなければならない法令上の義務)と努力義務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
標準処理期間の設定は努力義務、設定した場合の公表は義務です(行政手続法6条)。設定が努力義務にとどまるとする本記述は正しく、誤りではありません。
- 2正しい
申請に対する処分で公聴会の開催等により利害関係人の意見を聴く機会を設けることは、行政手続法10条の努力義務であり、本記述は正しいです。
- 3正しい
不利益処分の処分基準の設定・公表は、行政手続法12条1項により努力義務とされており(審査基準の14条1項とは異なる)、本記述は正しいです。
- 4誤り
行政手続法35条1項は、行政指導に携わる者は、その相手方に対し、当該行政指導の趣旨・内容・責任者を明確に示さなければならないと定める義務規定です。これを努力義務にとどまるとする本記述は誤りで、これが正解です。
- 5正しい
意見公募手続の実施についての周知および関連情報の提供は、行政手続法41条により命令等制定機関の努力義務とされており、本記述は正しいです。
解説
行政手続法上の『義務』と『努力義務』の区別を問う問題です。肢1(標準処理期間の設定・6条=努力義務)、肢2(申請処分での意見聴取機会・10条=努力義務)、肢3(不利益処分の処分基準・12条1項=努力義務)、肢5(意見公募手続の周知・情報提供・41条=努力義務)はいずれも正しい区別です。これに対し肢4は誤りで、行政指導に携わる者が相手方に行政指導の趣旨・内容・責任者を明確に示すことは、行政手続法35条1項により『明らかにしなければならない』とされる法的義務であって、努力義務ではありません。なお審査基準の設定・公表(5条)は義務、処分基準(12条)は努力義務という対比も頻出です。したがって誤っているものは肢4です。
ここがポイント
行政指導の趣旨・内容・責任者の明示(35条1項)は義務。審査基準=義務/処分基準・標準処理期間=努力義務の対比を押さえる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。