平成28年度 行政書士行政法難易度 標準

平成28年度 行政書士試験 問16 行政不服審査法・裁決

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成28年度 行政書士試験 試験問題」問16(原文のまま・無改変)

行政不服審査法の定める審査請求に対する裁決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    審査請求が不適法であれば『却下』、理由がなければ『棄却』であり、両者を区別せず却下とする点で誤りです(行政不服審査法45条)。また却下・棄却の裁決には理由の記載が必要ですが、本記述は却下・棄却の区別を誤っており正しくありません。

  • 2誤り

    処分を変更できるのは上級行政庁または処分庁である審査庁ですが、審査請求人の不利益に処分を変更すること(不利益変更)は禁止されています(行政不服審査法48条)。不利益に変更できるとする本記述は誤りです。

  • 3正しい

    不作為についての審査請求が、申請から相当の期間が経過しないでされたものである場合その他不適法である場合には、審査庁は裁決で当該審査請求を却下します(行政不服審査法49条1項)。本記述は正しいです。

  • 4誤り

    申請を却下・棄却した処分を取り消す場合、審査庁が処分庁の上級行政庁のときは、処分庁に対し一定の処分をすべき旨を命ずるのであって、審査庁が自ら処分を行うのではありません(行政不服審査法46条2項)。自ら処分を行えるとする本記述は誤りです。

  • 5誤り

    不作為についての審査請求に理由があり審査庁が不作為庁の上級行政庁である場合、審査庁は不作為が違法・不当である旨を宣言したうえで、不作為庁に対し一定の処分をすべき旨を命ずることができます(行政不服審査法49条3項)。命ずることができないとする本記述は誤りです。

解説

行政不服審査法の裁決の種類と内容を問う問題です。肢1は不適法なら却下・理由なしなら棄却という区別(45条)を誤り、肢2は不利益変更禁止(48条)に反し、肢4は上級行政庁である審査庁が自ら処分するのではなく処分庁に命ずる(46条2項)点を誤り、肢5は上級行政庁である審査庁が不作為庁に一定の処分を命じうる(49条3項)点を看過しています。これに対し肢3は、不作為についての審査請求が相当の期間経過前にされた等の不適法な場合に却下する(49条1項)旨を正しく述べており、正しいものは肢3です。

ここがポイント

不適法=却下/理由なし=棄却。不利益変更は禁止。申請拒否処分の取消し時、上級庁である審査庁は処分庁に処分を『命ずる』。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。