平成28年度 行政書士試験 問31 根抵当権
Aは債権者Bのため、A所有の甲土地に、被担保債権の範囲をA・B間の継続的売買に係る売掛代金債権とし、その極度額を1億円とする根抵当権を設定した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
民法398条の4第2項は、元本確定前の被担保債権の範囲の変更について後順位抵当権者その他の第三者の承諾を要しないと明文で定めています。Cの承諾が必要とする点が誤りです。
- 2正しい
民法398条の7第1項により、元本確定前に被担保債権の範囲に属する債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使できません。正しい記述です。
- 3正しい
民法398条の12第1項により、元本確定前は根抵当権設定者(A)の承諾を得て根抵当権を譲り渡す(全部譲渡)ことができます。正しい記述です。
- 4正しい
民法398条の21第1項により、元本確定後は根抵当権設定者は現に存する債務額と以後2年間に生ずべき利息等を加えた額への極度額減額を請求できます。正しい記述です。
- 5正しい
民法398条の22第1項により、元本確定後、根抵当不動産について地上権等を取得した第三者は極度額に相当する金額を払い渡して根抵当権の消滅を請求できます。正しい記述です。
解説
根抵当権の変更・処分・確定後の規律を横断的に問う問題です。誤りは肢1です。元本確定前の被担保債権の範囲の変更は、根抵当権者と設定者の合意のみで行え、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を要しません(民法398条の4第2項)。極度額の変更には利害関係人の承諾が必要なのと対比して押さえる必要があります。肢2は元本確定前に被担保債権の範囲の債権を取得しても根抵当権を行使できないこと(398条の7)、肢3は設定者の承諾を得た根抵当権の全部譲渡(398条の12)、肢4は確定後の極度額減額請求(398条の21)、肢5は確定後の第三取得者等による消滅請求(398条の22)で、いずれも条文どおり正しい記述です。
ここがポイント
元本確定前の被担保債権の範囲の変更は後順位抵当権者等の承諾不要(398条の4第2項)。これに対し極度額の変更には利害関係人の承諾が必要(398条の5)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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