平成28年度 行政書士試験 問40 会社法・持分会社(合名会社・合資会社)
合名会社および合資会社(以下、本問において併せて「会社」という。)に関する次のア~オの記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものの組合せはどれか。なお、定款には別段の定めがないものとする。 ア 会社は、定款に資本金の額を記載し、これを登記する。 イ 会社がその財産をもってその債務を完済することができない場合、社員は、それぞれの責任の範囲で連帯して会社の債務を弁済する責任を負う。 ウ 会社の持分は、社員たる地位を細分化したものであり、均一化された割合的単位で示される。 エ 会社の社員は、会社に対し、既に出資として払込みまたは給付した金銭等の払戻しを請求することができる。 オ 会社の社員は、会社の業務を執行し、善良な管理者の注意をもって、その職務を行う義務を負う。
肢ごとの解説
- 1正しい
アは持分会社の資本金の額が定款の記載事項・登記事項ではない点で誤り、ウは持分会社の持分が株式のような均一の割合的単位ではない点で誤りであり、いずれも誤りなのでこの組合せが正解です。
- 2誤り
オは持分会社の社員が業務を執行し善管注意義務を負う点(会社法593条)で正しく、ア・オの組合せは正しくありません。
- 3誤り
イは持分会社の社員が会社財産で完済できない場合等に連帯して会社債務を弁済する責任を負う点で正しく、イ・ウの組合せは正しくありません。
- 4誤り
エは社員が出資の払戻しを請求できる点(会社法624条)で正しく、ウ・エの組合せは誤りの組合せとして不適当です。
- 5誤り
エ・オはいずれも正しい記述であり、誤りの組合せには該当しません。
解説
持分会社(合名会社・合資会社)の規律を問う問題で、誤りはアとウ、肢1が正解です。アは誤りで、持分会社では資本金の額は定款の記載事項とされておらず、登記事項でもありません(資本金の登記が必要なのは株式会社・合同会社の一部の場面です)。ウも誤りで、持分会社の「持分」は株式のように均一に細分化された割合的単位として示されるものではなく、各社員が一個の持分を有する(持分単一主義)とされます。これに対しイ(社員の連帯・直接責任、会社法580条)、エ(出資の払戻請求、624条)、オ(業務執行社員の善管注意義務、593条)はいずれも正しい記述です。株式会社の株式と持分会社の持分の性質の違い、および持分会社では資本金が登記事項でない点を押さえることが解法の鍵です。
ここがポイント
持分会社では資本金は定款記載事項・登記事項ではない。持分は株式のような均一の割合的単位ではなく社員ごとに一個(持分単一主義)。社員は連帯・直接責任を負い、善管注意義務を負う。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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