平成28年度 行政書士行政法難易度 標準記述式

平成28年度 行政書士試験 問44 記述式・過料による制裁(秩序罰)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「平成28年度 行政書士試験 試験問題」問44(原文のまま・無改変)

A市は、A市路上喫煙禁止条例を制定し、同市の指定した路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙した者について、2万円以下の過料を科す旨を定めている。Xは、路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙し、同市が採用した路上喫煙指導員により発見された。この場合、Xに対する過料を科すための手続は、いかなる法律に定められており、また、同法によれば、この過料は、いかなる機関により科されるか。さらに、行政法学において、このような過料による制裁を何と呼んでいるか。40字程度で記述しなさい。

模範解答

地方自治法に定められ、A市の長(市長)により科され、これを秩序罰と呼んでいる。

採点のポイント

  • 手続を定める法律は地方自治法であること(同法149条3号・255条の3)。
  • 過料を科す機関は普通地方公共団体の長(A市長)であること。
  • この過料による制裁を行政法学上「秩序罰」と呼ぶこと。

解説

条例違反に対して科される過料の手続は、地方自治法に定められています。同法255条の3は、普通地方公共団体の長が過料の処分をしようとする場合の告知・弁明の機会の付与等を定めており、条例に基づく過料は地方公共団体の長(本問ではA市長)が行政処分として科します。これは、刑罰である刑事罰(刑法上の罰金・科料等)とは異なり、裁判所の刑事手続によらず行政庁が科すものです。このように、行政上の秩序の維持を目的として軽微な義務違反に対し過料を科す制裁を、行政法学では「秩序罰」と呼びます。なお、法律違反に対する過料は非訟事件手続法により裁判所が科すのに対し、条例・規則違反の過料は地方自治法により長が科す点が対比のポイントです。

ここがポイント

条例に基づく過料は地方自治法(255条の3等)により普通地方公共団体の長が科す。義務違反への過料による制裁を行政法学上「秩序罰」と呼び、刑罰である行政刑罰とは区別される。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

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