平成28年度 行政書士試験 問7 法の下の平等
法の下の平等に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
判例(最大判昭和33年10月15日・売春取締条例事件)は、条例による地域差が生じることは憲法が条例制定権を認める以上当然に予期されるとして、地域差のゆえに違憲とはいえないとしており、妥当です。
- 2正しい
判例(最大判平成11年11月10日)は、選挙制度を政党本位とすることも国会の裁量に含まれ、重複立候補を一定政党等の所属者に限ることは憲法に違反しないとしており、妥当です。
- 3正しい
非嫡出子相続分差別違憲決定(最大決平成25年9月4日)は、嫡出性の有無で法定相続分に差を設ける規定はもはや合理性を欠き憲法14条1項に違反するとしており、妥当です。
- 4誤り
尊属殺重罰規定違憲判決(最大判昭和48年4月4日)は、尊属に対する尊重報恩という立法目的自体は不合理ではないが、刑の加重の程度が極端で目的達成の手段として著しく不合理であるとして違憲としました。『類型化して加重要件とすること自体が違憲』とする本記述は判例の理由づけと異なり、妥当ではありません。
- 5正しい
再婚禁止期間違憲判決(最大判平成27年12月16日)は、再婚禁止期間のうち100日を超える部分について、父性推定の重複回避という立法目的との関係で合理性を欠き憲法14条1項・24条2項に違反するとしており、妥当です。
解説
法の下の平等に関する主要判例を問う問題です。肢1(条例の地域差)、肢2(重複立候補の政党要件)、肢3(非嫡出子相続分)、肢5(再婚禁止期間の100日超過部分)は、いずれも各判例の結論に合致します。これに対し肢4は、尊属殺重罰規定違憲判決の理解を誤っています。同判決は、尊属に対する尊重報恩という立法目的そのものは合理的だが、死刑または無期懲役という刑の加重の程度が極端で立法目的達成の手段として著しく不合理であるとして違憲としたものであり、尊属殺を類型化し加重要件とすること自体を不合理な差別と断じたわけではありません。したがって妥当でないものは肢4です。
ここがポイント
尊属殺重罰規定は『目的は合理的だが加重の程度(手段)が著しく不合理』ゆえに違憲。各平等判例の違憲理由(目的か手段か)を正確に区別する。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する平成28年度(2016年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。