令和2年度 行政書士試験 問27 制限行為能力者
制限行為能力者に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
親権を行う者が管理権を有しないときは未成年後見が開始します(838条1号)。正しい記述です。
- 2正しい
保佐人は13条1項所定の行為について同意権を持ち、家庭裁判所の代理権付与の審判があれば特定の法律行為の代理権も有します(876条の4)。正しい記述です。
- 3正しい
家庭裁判所は補助人に同意権付与の審判(17条)と代理権付与の審判(876条の9)の双方をすることができます。正しい記述です。
- 4誤り
被保佐人本人に対し「保佐人の追認を得べき旨」を催告したのに期間内に追認を得た旨の通知がないときは、追認ではなく取り消したものと擬制されます(20条4項)。追認擬制とする点が誤りです。
- 5正しい
判例は、制限行為能力者であることの単なる黙秘も、他の言動と相まって相手方を誤信させ又は誤信を強めたときは「詐術」に当たるとしています(21条)。正しい記述です。
解説
誤りを選ぶ問題です。20条4項は、制限行為能力者の相手方が、被保佐人など特別の方式を要する者に対し『保佐人等の追認を得べき旨』を催告した場合に、その期間内に追認を得た旨の通知がないときは『取り消したものとみなす』と定めます。したがって追認擬制とする肢4が誤りです。肢1は838条1号、肢2は876条の4、肢3は17条・876条の9に沿う正しい記述で、肢5は黙秘も詐術となり得るとする判例(21条)に沿います。20条の催告では、誰に催告したかと方式の要否で追認擬制と取消擬制が分かれる点が出題の核心です。
ここがポイント
20条の催告:特別の方式を要する者(被保佐人本人等)へ追認手続を促したのに通知がなければ『取り消したものとみなす』。黙秘も詐術になり得る。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和2年度(2020年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。