令和2年度 行政書士民法難易度 難

令和2年度 行政書士試験 問29 根抵当権

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和2年度 行政書士試験 試験問題」問29(原文のまま・無改変)

根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    根抵当権者は極度額を限度として確定した元本・利息その他の定期金・損害賠償の全部について優先弁済を受けられ(398条の3第1項)、利息等が『2年分』に限定される普通抵当権の375条は適用されません。

  • 2誤り

    元本確定前の被担保債権の範囲の変更には後順位抵当権者その他の第三者の承諾は不要です(398条の4第2項)。承諾を要するとする点が誤りです。

  • 3正しい

    元本確定期日の変更は当事者の合意のみででき、定める期日は5年以内でなければなりません(398条の6第3項)。変更前の期日より前に登記をしないと、変更前の期日に元本が確定します(同条4項)。条文どおりで正しい記述です。

  • 4誤り

    元本確定前に根抵当権者から被担保債権を譲り受けても根抵当権は随伴しません(前段は正しい)。しかし元本確定前の免責的債務引受があっても、根抵当権者は引受人の債務について根抵当権を行使できません(398条の7第2項)。後段が誤りです。

  • 5誤り

    元本確定後は、根抵当権設定者は、現に存する債務額と以後2年間に生ずべき利息等を加えた額に極度額の減額を請求できます(398条の21)。一切減額請求できないとする点が誤りです。

解説

正しいものを選ぶ問題です。根抵当権では極度額の枠内で利息等も全額が担保され、普通抵当権の利息2年分の制限(375条)は及びません(肢1誤り)。元本確定前の被担保債権の範囲の変更には第三者の承諾は不要です(398条の4第2項、肢2誤り)。元本確定期日の変更は当事者の合意のみでできるが期日は5年以内とされ、変更前の期日より前に登記しないと変更前の期日に確定します(398条の6第3項・4項、肢3が正しい)。根抵当権は元本確定前は随伴性を欠き、免責的債務引受があっても引受人の債務に根抵当権を行使できません(398条の7第2項、肢4誤り)。元本確定後は設定者に極度額減額請求が認められます(398条の21、肢5誤り)。

ここがポイント

確定期日変更は当事者合意のみ・5年以内・変更前の期日前に登記しないと従前期日に確定。元本確定前は随伴性なし・債権範囲変更に第三者承諾不要。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和2年度(2020年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。