令和2年度 行政書士試験 問44 記述式・換地処分と無効等確認訴訟
A県内の一定区域において、土地区画整理事業(これを「本件事業」という。)が計画された。それを施行するため、土地区画整理法に基づくA県知事の認可(これを「本件認可処分」という。)を受けて、土地区画整理組合(これを「本件組合」という。)が設立され、あわせて本件事業にかかる事業計画も確定された。これを受けて本件事業が施行され、工事の完了などを経て、最終的に、本件組合は、換地処分(これを「本件換地処分」という。)を行った。 Xは、本件事業の区域内の宅地につき所有権を有し、本件組合の組合員であるところ、本件換地処分は換地の配分につき違法なものであるとして、その取消しの訴えを提起しようと考えたが、同訴訟の出訴期間がすでに経過していることが判明した。 この時点において、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、Xは、誰を被告として、どのような行為を対象とする、どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか。40 字程度で記述しなさい。
模範解答
Xは、本件組合を被告として、本件換地処分を対象とする、無効等確認訴訟を提起すべきである。
採点のポイント
- 被告は、換地処分を行った処分主体である「本件組合」(土地区画整理組合)であること。
- 対象となる行為は「本件換地処分」であること。
- 取消訴訟の出訴期間が経過しているため、提起すべき抗告訴訟は「無効等確認訴訟(無効確認訴訟)」であること(行訴法3条4項・36条)。
解説
取消訴訟の出訴期間(行訴法14条)が経過した後も、処分の無効を前提に争う方法として無効等確認訴訟(行訴法3条4項)が用意されています。本問では換地処分の取消訴訟の出訴期間が既に経過しているため、Xは換地処分を行った処分主体である本件組合(土地区画整理組合は公共組合であり処分庁となる)を被告として、本件換地処分を対象とする無効等確認訴訟を提起すべきです。無効等確認訴訟は、当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができないもの等に原告適格が認められます(36条)。換地のやり直しを求めるには換地処分そのものの効力を否定する必要があり、抗告訴訟としては無効等確認訴訟が適切です。
ここがポイント
出訴期間経過後に処分の効力を争う抗告訴訟は無効等確認訴訟(行訴法3条4項・36条)。被告は処分主体である土地区画整理組合。重大明白な瑕疵があれば無効を主張できる。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和2年度(2020年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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