令和2年度 行政書士民法難易度 標準記述式

令和2年度 行政書士試験 問45 記述式・第三者による詐欺

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和2年度 行政書士試験 試験問題」問45(原文のまま・無改変)

Aは、Bとの間で、A所有の甲土地をBに売却する旨の契約(以下、「本件契約」という。)を締結したが、Aが本件契約を締結するに至ったのは、平素からAに恨みをもっているCが、Aに対し、甲土地の地中には戦時中に軍隊によって爆弾が埋められており、いつ爆発するかわからないといった嘘の事実を述べたことによる。Aは、その爆弾が埋められている事実をBに伝えた上で、甲土地を時価の2 分の1 程度でBに売却した。売買から1 年後に、Cに騙されたことを知ったAは、本件契約に係る意思表示を取り消すことができるか。民法の規定に照らし、40 字程度で記述しなさい。なお、記述にあたっては、「本件契約に係るAの意思表示」を「契約」と表記すること。

模範解答

BがCの詐欺の事実を知っていたか、または知ることができたといえる場合に、契約を取り消すことができる。

採点のポイント

  • 本問が民法96条2項の「第三者による詐欺」の事案であること。
  • 相手方Bが詐欺の事実を知り、または知ることができたとき(悪意または有過失)に限り取り消せること。
  • 本問ではAが爆弾の事実をBに伝えているため、Bは詐欺の事実を知っていた(悪意)といえ、取消しが認められること。

解説

第三者が詐欺を行った場合(第三者詐欺)、表意者は、相手方がその詐欺の事実を知り、または知ることができたときに限り、意思表示を取り消すことができます(民法96条2項)。本問では、Aに虚偽の事実を述べて売却を決意させたのは契約の相手方Bではなく第三者Cであり、第三者詐欺に当たります。したがってAが契約を取り消せるのは、相手方BがCの詐欺の事実につき悪意または有過失であった場合に限られます。もっとも本問では、Aは爆弾が埋められているという(Cによって吹き込まれた虚偽の)事実をBに伝えたうえで時価の2分の1で売却しており、Bはその事情を知っていたといえます。よってBは詐欺の事実を知っていた(悪意)と評価でき、Aは契約を取り消すことができます。

ここがポイント

第三者詐欺(民法96条2項)では、相手方が詐欺を知り又は知り得たとき(悪意・有過失)に限り取消し可。本問はAが事情をBに伝えており、Bは悪意なので取消しできる。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和2年度(2020年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。