令和3年度 行政書士試験 問12 理由の提示(行政手続法・判例)
理由の提示に関する次の記述のうち、行政手続法の規定または最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
行政手続法は申請者本人および不利益処分の名宛人に対する理由提示を定めており、利害関係人の請求による理由提示は規定されていません。
- 2誤り
行手法8条1項本文は、申請拒否処分一般に理由提示を要求しており、形式不適合を理由とする場合も適用されます。
- 3正しい
行手法14条1項ただし書・同条2項により、差し迫った必要があるときは処分と同時の理由提示を要せず、困難でない限り処分後相当期間内に示せば足ります。
- 4誤り
公文書非開示決定理由付記事件(最判平4.12.10)は、根拠規定を示すだけでは不十分で、開示請求者の理解に役立つ程度の事実関係の摘示が必要としました。
- 5誤り
旅券発給拒否理由付記事件(最判昭60.1.22)は、いかなる事実関係に基づきいかなる法規を適用したかを了知し得る程度の記載を要するとしました。本肢は判例と逆です。
解説
正解は肢3です。行政手続法14条1項本文は不利益処分と同時に理由を示すことを義務付けつつ、同項ただし書で「差し迫った必要」がある場合は処分後の事後付記を許容し、同条2項で「困難である場合を除き」相当期間内に示すよう求めています。肢4・5は理由付記の十分性に関する判例(公文書非開示・旅券発給拒否)の結論を取り違えており誤りです。
ここがポイント
理由提示は「処分と同時」が原則。差し迫った必要があれば事後付記可。判例は『根拠規定だけでは不十分』を一貫して要求。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。