令和3年度 行政書士試験 問22 公の施設(地方自治法)
地方自治法が定める公の施設に関する次のア~エの記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものの組合せはどれか。 ア.普通地方公共団体は、法律またはこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置に関する事項を、条例で定めなければならない。 イ.普通地方公共団体の長以外の機関(指定管理者を含む。)がした公の施設を利用する権利に関する処分についての審査請求は、審査請求制度の客観性を確保する観点から、総務大臣に対してするものとされている。 ウ.普通地方公共団体が公の施設のうち条例で定める特に重要なものについて、これを廃止したり、特定の者に長期の独占的な使用を認めようとしたりするときは、議会の議決に加えて総務大臣の承認が必要となる。 エ.普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて不当な差別的取扱いをしてはならないが、この原則は、住民に準ずる地位にある者にも適用される。
肢ごとの解説
- 1誤り
アは地方自治法244条の2第1項のとおり正しいですが、イは誤り。指定管理者等の処分に対する審査請求の相手方は当該地方公共団体の長であり、総務大臣ではありません。
- 2正しい
ア(条例事項)とエ(不当な差別禁止が住民に準ずる地位の者にも及ぶ)はいずれも妥当です。最判平成18年7月14日(高根町別荘事件)の趣旨にも沿います。
- 3誤り
イは誤りで、ウも誤り。重要な公の施設の廃止・長期独占的使用には議会の特別多数決による議決が必要ですが、総務大臣の承認は不要です。
- 4誤り
イは前述のとおり総務大臣ではないので誤りです。
- 5誤り
ウは前述のとおり総務大臣の承認は不要なので誤り、エが正しいのみで組合せとして成立しません。
解説
正解は肢2です。公の施設の設置・管理は条例事項であり(地方自治法244条の2第1項)、住民が公の施設の利用について不当な差別的取扱いを受けない権利は、別荘所有者など住民に準ずる地位にある者にも及ぶとされています(最判平成18年7月14日)。指定管理者等の処分への審査請求は当該地方公共団体の長に対して行うものであり、重要な公の施設の廃止等には議会の特別多数の議決で足り、総務大臣の承認は不要です。
ここがポイント
公の施設=条例事項。指定管理者の処分への審査請求は長へ、重要施設の廃止等は議会の特別多数決のみ。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。