令和3年度 行政書士試験 問36 商行為の概念(営業として行わない個人の行為)
商人でない個人の行為に関する次のア~オの記述のうち、商法の規定および判例に照らし、これを営業として行わない場合には商行為とならないものの組合せはどれか。 ア.利益を得て売却する意思で、時計を買い入れる行為 イ.利益を得て売却する意思で、買い入れた木材を加工し、製作した机を売却する行為 ウ.報酬を受ける意思で、結婚式のビデオ撮影を引き受ける行為 エ.賃貸して利益を得る意思で、レンタル用のDVDを買い入れる行為 オ.利益を得て転売する意思で、取得予定の時計を売却する行為
肢ごとの解説
- 1誤り
アは投機購買(商法501条1号)で絶対的商行為であり、営業性を問わず商行為となります。イも投機購買と同条1号の連続行為(製造販売)で絶対的商行為に該当。よって本肢は不正解。
- 2誤り
アは絶対的商行為。エは賃貸目的の買入れで投機貸借(商法502条1号)に該当しますが、これは営業的商行為であって営業として行わない限り商行為になりません。アが該当しないため不正解。
- 3正しい
ウ(ビデオ撮影の引受け=請負・商法502条5号)とエ(賃貸目的の買入れ=投機貸借・商法502条1号)は、いずれも営業的商行為に分類され、営業として行われなければ商行為になりません。これが正解です。
- 4誤り
オは投機売却(商法501条2号)に該当し、絶対的商行為なので営業性を問わず商行為となります。
- 5誤り
オは前述のとおり絶対的商行為ですから誤り。
解説
正解は肢3です。商法501条が定める絶対的商行為(投機購買・投機売却・取引所取引・手形その他商業証券に関する行為)は、営業として行われるか否かを問わず常に商行為となります(ア・イ・オ)。これに対し商法502条が定める営業的商行為(投機貸借、賃金請負、運送、寄託、両替、信託、引受、出版、印刷、写真、興行など)は、営業として反復継続して行われる場合にのみ商行為となります。ウのビデオ撮影請負は502条5号(作業または労務の請負)、エの賃貸目的の動産取得は502条1号(投機貸借)に該当します。
ここがポイント
501条(絶対的商行為)=営業性不問、502条(営業的商行為)=営業として行う場合のみ商行為。投機貸借・請負は502条。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。