令和3年度 行政書士商法難易度 やや難

令和3年度 行政書士試験 問38 株式の質入れ(株券不発行・振替株式以外)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和3年度 行政書士試験 試験問題」問38(原文のまま・無改変)

株券が発行されない株式会社の株式であって、振替株式ではない株式の質入れに関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、正しいものはどれか。

正解4選択肢 4 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    誤り。株券不発行会社の株式質入れは当事者間の意思表示で効力を生じ(会社法146条1項)、株主名簿への記載は対抗要件です(同147条1項)。効力要件ではありません。

  • 2誤り

    誤り。株主名簿への質権者の記載は、株主(質権設定者)が単独で会社に請求できます(会社法148条)。質権者との共同請求は不要です。

  • 3誤り

    誤り。譲渡制限は文字どおり「譲渡」についての制限であり、質権の設定自体は会社の承認の対象ではありません(実行・転換時は別途問題となり得ます)。

  • 4正しい

    正しい。登録株式質権者は、被担保債権の弁済期が到来している場合、株式について交付される金銭(剰余金の配当等)を受領して直接弁済に充当できます(会社法154条1項)。

  • 5誤り

    誤り。質権者は株主ではないため、議決権は株主たる質権設定者が行使します。質権者が議決権を行使するわけではありません。

解説

正解は肢4です。会社法154条1項は、登録株式質権者が被担保債権の弁済期到来後に、株式について交付される金銭等(剰余金の配当、残余財産の分配等)を受領し、自己の債権の弁済に充てることを認めています(物上代位の特則)。株券不発行会社における株式質入れの効力は当事者間の合意で生じ(146条1項)、株主名簿記載が会社・第三者対抗要件である(147条1項)こと、株主名簿の質権者記載は株主の単独請求でできる(148条)こと、議決権は株主(質権設定者)が行使することもあわせて押さえます。

ここがポイント

登録株式質権者は金銭配当を受領して直接弁済充当可(会社法154条1項)。質権設定は意思表示で効力発生、名簿記載は対抗要件。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。