令和3年度 行政書士行政法難易度 標準記述式

令和3年度 行政書士試験 問44 記述式・行政指導の中止等の求め(行政手続法36条の2)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和3年度 行政書士試験 試験問題」問44(原文のまま・無改変)

私立大学であるA大学は、その設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反しているとして、学校教育法15条1項に基づき、文部科学大臣から必要な措置をとるべき旨の書面による勧告を受けた。しかしA大学は、指摘のような法令違反はないとの立場で、勧告に不服をもっている。この文部科学大臣の勧告は、行政手続法の定義に照らして何に該当するか。また、それを前提に同法に基づき、誰に対して、どのような手段をとることができるか。40字程度で記述しなさい。

模範解答

勧告は行政指導に当たり、A大学は文部科学大臣に対し中止等を求めることができる。

採点のポイント

  • 勧告は行政手続法2条6号の「行政指導」に該当すること。
  • 申立先は当該行政指導をした行政機関である文部科学大臣であること。
  • とり得る手段は行政手続法36条の2に基づく行政指導の中止等の求めであること。

解説

学校教育法15条1項に基づく勧告は、特定の者に一定の作為を求める非権力的な事実行為であり、行政手続法2条6号にいう「行政指導」(特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導・勧告・助言等で処分に該当しないもの)に該当します。法令違反を是正するためにされた行政指導が、その根拠法令の要件に適合しないと考える名宛人は、行政手続法36条の2第1項に基づき、当該行政指導をした行政機関に対し、その中止その他必要な措置をとることを書面で求めることができます。本件では、勧告をした文部科学大臣に対して、勧告の中止等を求める申出を行うのが正攻法です。行政指導は処分性が認められず取消訴訟の対象とはなりにくいため、平成26年改正で新設された中止等の求め(行手36条の2)が事前救済手段として重要な意味を持ちます。

ここがポイント

学校教育法15条1項の勧告は行政手続法2条6号の行政指導にあたり、名宛人は同法36条の2に基づき当該行政指導を行った文部科学大臣に対し中止等を求めることができる。平成26年改正で新設された事前救済手段。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。