令和3年度 行政書士憲法難易度 やや難

令和3年度 行政書士試験 問5 政教分離(国公有地の神社敷地無償提供)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和3年度 行政書士試験 試験問題」問5(原文のまま・無改変)

地方公共団体がその土地を神社の敷地として無償で提供することの合憲性に関連して、最高裁判所判決で考慮要素とされたものの例として、妥当でないものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    空知太神社事件大法廷判決(最大判平22.1.20)は、無償提供行為が89条との抵触問題を生じ得る点を冒頭で明示しており、判決の考慮要素として挙げられているため妥当な例です。

  • 2誤り

    同判決は、宗教施設が同時に文化財的価値や地域コミュニティの意義を有する場合があると指摘しており、考慮要素にあたるため妥当な例です。

  • 3正しい

    津地鎮祭事件判決の傍論的指摘に近い記述で、空知太神社事件判決の考慮要素として用いられたものではないため、本肢が妥当でない記述として正解になります。

  • 4誤り

    明治期の上知処分等を背景とする歴史的経緯は、空知太神社事件判決が無償提供解消の判断に際して明確に考慮しており、妥当な例です。

  • 5誤り

    氏子集団を89条の「宗教上の組織若しくは団体」と認定した点は、同判決の重要な判断要素であり、妥当な例です。

解説

正解は肢3です。問題が念頭に置く空知太神社事件大法廷判決は、(1) 無償提供が89条との抵触問題を生じ得ること、(2) 宗教施設の文化財・観光資源としての性格、(3) 明治期上知の歴史的経緯、(4) 氏子集団の宗教団体性、を考慮しました。肢3は「神社神道に積極的布教がない」等の宗教社会学的記述で、津地鎮祭事件における習俗論の文脈に近く、空知太判決の考慮要素ではありません。

ここがポイント

空知太神社事件は「総合判断」型の政教分離違反判断。文化財性・歴史的経緯・氏子集団の団体性が中心の考慮要素。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。