令和3年度 行政書士試験 問8 法の一般原則(信義則・権利濫用・信頼保護)
法の一般原則に関わる最高裁判所の判決に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
宜野座村工場誘致事件判決は、施策変更自体は許されるが、相手方の信頼を相当に裏切る変更には信義則上の損害賠償責任を負うとしました。変更が一律違法となるわけではありません。
- 2誤り
酒類販売業免許制廃止事件等の判例は、租税法律関係でも特別の事情がある場合に信義則の適用余地を認めており、本肢は誤りです。
- 3誤り
個室付浴場業事件(最判昭53.6.16)は、児童遊園設置認可が個室付浴場業規制目的でなされたものとして権利濫用=違法と判示しました。本肢は結論が逆です。
- 4正しい
最判平19.2.6(旧自治法236条事件)の判旨に沿うもので、援用不要規定の趣旨を踏まえれば信義則による消滅時効主張排斥は極めて限定的とした判例の整理です。
- 5誤り
自衛隊員安全配慮義務事件(最判昭50.2.25)は、国は具体的状況下で安全配慮義務を負い、違反があれば損害賠償義務を負うとしました。本肢の結論は判例に反します。
解説
正解は肢4です。判例は、自治法上の援用不要規定の趣旨が住民平等・画一処理にあることを踏まえ、地方公共団体が消滅時効を主張することが信義則違反となるのは「極めて限定的な場合」だと整理しています。肢1(宜野座村)、肢2(信義則の例外的適用)、肢3(個室付浴場業=権利濫用違法)、肢5(自衛隊員=安全配慮義務)の各判例と結論を整理して押さえることが肝要です。
ここがポイント
信義則・権利濫用は行政法でも例外的に妥当。宜野座村・個室付浴場業・自衛隊員安全配慮義務はセットで覚える。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和3年度(2021年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-08)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。