令和4年度 行政書士行政法難易度 難

令和4年度 行政書士試験 問18 抗告訴訟の対象

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和4年度 行政書士試験 試験問題」問18(原文のまま・無改変)

抗告訴訟の対象に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当でないものはどれか。

正解1選択肢 1 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    判例(最判平成7年3月23日)は、都市計画法32条に基づく公共施設管理者の同意(不同意)は、開発行為を禁止する効果を生じさせるものではなく、開発許可を受けられないとしても、それ自体は申請者の権利ないし法的地位に影響を及ぼすものではないとして、処分性を否定しました。処分性を肯定する本肢は判例と異なり妥当でないため、これが正解です。

  • 2正しい

    判例(最判昭和57年4月22日)は、用途地域指定の決定は当該地域内の不特定多数者に対する一般的抽象的な効果を有するにすぎず、個人の具体的権利を侵害するものではないとして処分性を否定しました。本肢は判例に合致し妥当です。

  • 3正しい

    判例(最大判平成20年9月10日)は、土地区画整理事業計画の決定により施行地区内の宅地所有者等が換地処分を受けるべき地位に立たされるとして、その法的地位への直接的影響を理由に処分性を肯定しました。本肢は判例に合致し妥当です。

  • 4正しい

    判例(最判平成18年7月14日)は、水道料金を一般的に改定する条例の制定行為は処分と実質的に同視できないとして処分性を否定しました。本肢は判例に合致し妥当です。

  • 5正しい

    判例(最判平成21年11月26日)は、特定の保育所を廃止する条例の制定行為は、限られた特定の者の法的地位を直接奪う結果を生じさせるため処分と実質的に同視でき、処分性を肯定しました。本肢は判例に合致し妥当です。

解説

妥当でないものは肢1です。判例(最判平成7年3月23日)は、都市計画法32条に基づく公共施設管理者の開発行為への同意・不同意について、それは開発許可申請の前提となる行為にすぎず、不同意があっても開発行為自体が禁止されるわけではないから、申請者の権利ないし法的地位に直接影響を及ぼすものではないとして処分性を否定しました。したがって処分性を肯定する肢1が判例に反し妥当でないものです。肢2(用途地域指定=否定)、肢3(土地区画整理事業計画=肯定)、肢4(水道料金改定条例=否定)、肢5(保育所廃止条例=肯定)は、いずれも判例の結論どおりで妥当です。

ここがポイント

公共施設管理者の開発同意・不同意には処分性がない(最判平成7年)。計画決定・条例の処分性は判例ごとの結論を正確に押さえる。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和4年度(2022年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。