令和4年度 行政書士民法難易度 標準

令和4年度 行政書士試験 問31 契約の解除

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和4年度 行政書士試験 試験問題」問31(原文のまま・無改変)

債務不履行を理由とする契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    債務者が全部の履行を明確に拒絶した場合は、催告をすることなく直ちに契約を解除できます(542条1項2号)。催告を要するとする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    全部の履行不能の場合、債権者は催告なしに直ちに契約を解除できます(542条1項1号)。不可抗力による滅失でも解除できるため、解除できないとする本肢は誤りです。

  • 3誤り

    賃借人の用法違反が著しい背信行為で信頼関係が破壊された場合、賃貸人は催告をすることなく契約を解除できます(判例・無催告解除)。催告を要するとする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    解除による原状回復として買主は使用利益を返還すべきであり、他人物売買で後に解除された場合も買主は売主に使用利益を返還する義務を負うとされます(判例)。返還義務を負わないとする本肢は誤りです。

  • 5正しい

    催告期間経過時の不履行がその契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、債権者は契約を解除できません(541条ただし書)。代金不足が軽微なら解除が制限されることがあり、妥当です。

解説

正解は肢5です。催告解除の場合でも、催告期間経過時の債務不履行が契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは解除が認められません(541条ただし書)。代金の一部不払で不足額が軽微なら解除が制限されることがあり妥当です。これに対し、全部の履行拒絶や全部の履行不能は無催告で直ちに解除でき(542条1項1号・2号。肢1・肢2は誤り)、賃貸借でも著しい背信行為があれば無催告解除が認められます(肢3は誤り)。他人物売買が解除された場合も買主は使用利益の返還義務を負うため肢4は誤りです。

ここがポイント

催告解除でも不履行が軽微なら解除不可(541条ただし書)。全部の履行拒絶・全部不能・著しい背信行為は無催告解除可。解除の原状回復には使用利益返還も含む。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和4年度(2022年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。