令和4年度 行政書士商法難易度 難

令和4年度 行政書士試験 問36 営業譲渡(商法)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和4年度 行政書士試験 試験問題」問36(原文のまま・無改変)

営業譲渡に関する次の記述のうち、商法の規定に照らし、正しいものはどれか。なお、営業を譲渡した商人を甲、営業を譲り受けた商人を乙とし、甲および乙は小商人ではないものとする。

正解5選択肢 5 が正しい

肢ごとの解説

  • 1誤り

    商号の譲渡は当事者間の意思表示で効力を生じ、登記は第三者対抗要件にすぎません(商法15条2項)。登記がなければ効力を生じないとする本肢は誤りです。

  • 2誤り

    商号続用の場合に譲受人乙の弁済責任を免れるには、譲渡後遅滞なく譲受人が責任を負わない旨を登記するか、譲渡人・譲受人から第三者に通知することを要します(商法17条2項)。譲受人の通知のみで足りるとする本肢は不正確で誤りです。

  • 3誤り

    商号続用の場合、甲の営業上の債権につき債務者丙が譲受人乙にした弁済は、丙が善意かつ無重過失であるときにその効力を有します(商法17条4項)。過失の有無を問わないとする本肢は誤りです。

  • 4誤り

    債務引受広告をした譲受人乙が弁済責任を負うことになりますが、それによって譲渡人甲の責任が当然に消滅するわけではなく、債権者丙は甲・乙双方に請求できます(甲の責任は譲渡後2年で消滅)。甲の責任が消滅するとする本肢は誤りです。

  • 5正しい

    残存債権者を害することを知って営業譲渡がされた場合、残存債権者は譲受人に対し、承継した財産の価額を限度として債務の履行を請求できます(商法18条の2第1項)。正しい記述です。

解説

正解は肢5です。商法18条の2第1項は、譲渡人が残存債権者を害することを知って営業を譲渡した場合、残存債権者は譲受人に対し、承継した財産の価額を限度として債務の履行を請求できると定めており正しい記述です。商号譲渡の効力は意思表示で生じ登記は対抗要件にすぎず(肢1は誤り)、商号続用の譲受人が免責されるには登記または両者からの通知を要し(肢2は誤り)、債務者の弁済保護は善意無重過失が要件で(肢3は誤り)、債務引受広告をしても譲渡人の責任は当然には消滅しません(肢4は誤り)。

ここがポイント

詐害的営業譲渡では残存債権者が譲受人に承継財産の価額を限度に履行請求できる(商法18条の2)。商号続用の譲受人の免責は登記or両者通知が必要。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和4年度(2022年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。