令和4年度 行政書士試験 問38 特別支配株主の株式売渡請求
特別支配株主の株式売渡請求に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
特別支配株主は、対象会社の他の株主全員(対象会社を除く)に対し、その有する株式全部を自己に売り渡すよう請求できます(会社法179条1項)。妥当です。
- 2誤り
株式売渡請求にあたり特別支配株主が必要とするのは対象会社の承認(取締役会設置会社では取締役会の決議による承認)であって、株主総会の承認ではありません(会社法179条の3)。株主総会の承認を要するとする本肢は誤りで、正解です。
- 3正しい
特別支配株主は、株式売渡請求で定めた取得日に売渡株式の全部を取得します(会社法179条の9第1項)。妥当です。
- 4正しい
株式売渡請求が法令違反で売渡株主が不利益を受けるおそれがあるときは、売渡株主は特別支配株主に対し取得の差止めを請求できます(会社法179条の7第1項)。妥当です。
- 5正しい
取得日において公開会社の売渡株主であった者は、取得日から6か月以内に訴えをもってのみ売渡株式全部の取得の無効を主張できます(会社法846条の2)。妥当です。
解説
正解(誤っているもの)は肢2です。特別支配株主の株式売渡請求においては、特別支配株主は対象会社にその旨等を通知して対象会社の『承認』を受ける必要があり、取締役会設置会社ではこの承認は取締役会の決議によります(会社法179条の3)。対象会社の『株主総会の承認』を要するとする肢2は誤りです。請求の相手方(肢1。179条1項)、取得日における株式全部の取得(肢3。179条の9)、差止請求(肢4。179条の7)、取得無効の訴え(肢5。846条の2)はいずれも正しい記述です。
ここがポイント
特別支配株主の株式売渡請求は対象会社の承認(取締役会設置会社は取締役会決議)が必要で、株主総会決議は不要。差止請求・取得無効の訴えの制度がある。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和4年度(2022年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。