令和4年度 行政書士試験 問5 適正手続
適正手続に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
第三者所有物没収事件判決(最大判昭和37年11月28日)は、被告人が第三者の所有物没収の手続の違憲性を主張できるとして救済を認めました。本肢は『主張できない』とする点が判例と逆で誤りです。
- 2誤り
判例(最大判平成11年3月24日等)は、接見交通権は憲法34条の弁護人依頼権の保障に由来し、実質的に保障されるべきものとしています。『実質的に保障するものとは言えない』とする本肢は誤りです。
- 3誤り
高田事件判決(最大判昭和47年12月20日)は、迅速な裁判を受ける権利が害された異常事態では、具体的規定がなくても審理を打ち切る(免訴)非常救済手段をとりうるとしました。『救済手段をとれない』とする本肢は誤りです。
- 4正しい
川崎民商事件判決(最大判昭和47年11月22日)は、憲法38条1項の不利益供述強要の禁止は、純然たる刑事手続のみならず、実質上刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続にも等しく及ぶとしており、本肢は判例に合致します。
- 5誤り
判例(最大判昭和33年4月30日)は、追徴税(加算税)は逋脱の制裁ではなく行政上の措置であって、刑罰との併科は二重処罰を禁じる憲法39条に反しないとしました。『許されない』とする本肢は誤りです。
解説
肢4は川崎民商事件判決(最大判昭和47年11月22日)の判示で、憲法38条1項の自己負罪拒否特権の保障は、純然たる刑事手続だけでなく、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続にも等しく及ぶとされ、妥当です。他方、肢1は第三者所有物没収事件、肢2は接見交通権、肢3は高田事件、肢5は追徴税併科(昭和33年判決)に関する判例の結論をいずれも反対に述べており誤りです。適正手続関連の主要判例の結論を正確に押さえることが解法の鍵となります。
ここがポイント
自己負罪拒否特権(憲法38条1項)は、刑事責任追及の資料取得に直接結びつく作用を一般的に有する手続に等しく及ぶ(川崎民商事件)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和4年度(2022年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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