令和5年度 行政書士試験 問15 行政不服審査法(裁決)
行政不服審査法が定める審査請求の裁決に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
誤りです。処分を取り消す認容裁決があると、その裁決自体によって処分は取り消され効力を失います。処分庁が改めて取り消す必要はなく、「処分庁が取り消さなければならない」とする本肢は誤りです。
- 2誤り
誤りです。裁決の拘束力(行政不服審査法52条)により、同一の事実を根拠として同一の処分を再び行うことはできません。本肢は拘束力に反します。
- 3正しい
正しい記述です。事実上の行為についての審査請求に理由がある場合、審査庁は違法・不当である旨を裁決で宣言し、処分庁である審査庁は当該事実上の行為を撤廃・変更します(行政不服審査法47条)。本肢は条文どおりです。
- 4誤り
誤りです。処分を変更できるのは審査庁が処分庁の上級行政庁または処分庁である場合に限られます(行政不服審査法46条・47条)。不利益変更禁止は妥当ですが、変更権者の前提が誤っています。
- 5誤り
誤りです。拒否処分を取り消す裁決は処分庁を拘束しますが、それ自体が当該申請に対する許認可処分とみなされるわけではありません。本肢は誤りです。
解説
正解は肢3です。行政不服審査法47条は、事実上の行為についての審査請求に理由がある場合、審査庁は裁決で当該事実上の行為が違法または不当である旨を宣言したうえで、処分庁である審査庁は当該事実上の行為の全部もしくは一部を撤廃または変更すると定めています(処分庁以外の上級行政庁である審査庁は撤廃・変更を命じる)。肢3はこのうち処分庁である審査庁の場合を正しく述べています。肢1は認容裁決により処分が当然に取り消される点、肢2は裁決の拘束力(52条)に反する点、肢4は変更権者の前提が誤っている点、肢5は取消裁決が許認可処分とみなされない点で、それぞれ誤りです。
ここがポイント
事実上の行為への認容裁決は、違法・不当を宣言し撤廃・変更(47条)。認容裁決には拘束力があり同一事由での同一処分は不可(52条)。処分変更は上級行政庁・処分庁に限る。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和5年度(2023年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。