令和5年度 行政書士商法難易度 難

令和5年度 行政書士試験 問39 会社法(役員等の責任)

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和5年度 行政書士試験 試験問題」問39(原文のまま・無改変)

役員等の責任に関する次の記述のうち、会社法の規定に照らし、誤っているものはどれか。

正解3選択肢 3 が正しい

肢ごとの解説

  • 1正しい

    利益相反取引で会社に損害が生じた場合、承認の有無にかかわらず、利益相反取引をした取締役・執行役等は任務懈怠が推定されます(会社法423条3項1号)。正しい記述です。

  • 2正しい

    競業避止義務違反の取引では、取締役・執行役または第三者が得た利益の額が会社の損害額と推定されます(会社法423条2項)。正しい記述です。

  • 3誤り

    監査等委員会設置会社では、監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員を除く)が行った利益相反取引につき監査等委員会の承認を受けたときは任務懈怠の推定規定が適用されませんが(会社法423条4項)、この適用除外は監査等委員でない取締役に限られます。『監査等委員であるかどうかにかかわらず』とする本肢は誤りです。

  • 4正しい

    非業務執行取締役等は、定款の定めに基づき、善意・無重過失のときは定款所定額の範囲で会社が定めた額と最低責任限度額のいずれか高い額を限度とする責任限定契約を締結できます(会社法427条1項)。正しい記述です。

  • 5正しい

    自己のために会社と直接取引をした取締役・執行役の損害賠償責任は無過失責任とされ、帰責事由がないことをもって免れることはできません(会社法428条1項)。正しい記述です。

解説

誤っているものは肢3です。監査等委員会設置会社では、監査等委員会設置会社の取締役(監査等委員であるものを除く)が利益相反取引をした場合において、当該取引につき監査等委員会の承認を受けたときは、任務懈怠の推定規定(423条3項)は適用されません(会社法423条4項)。この適用除外の対象は『監査等委員でない取締役』に限られており、監査等委員である取締役は対象外です。したがって『監査等委員であるかどうかにかかわらず』推定されないとする本肢は誤りです。利益相反取引の任務懈怠推定(肢1、423条3項)、競業取引違反の損害額推定(肢2、423条2項)、責任限定契約(肢4、427条1項)、自己のための直接取引における無過失責任(肢5、428条1項)はいずれも正しい記述です。役員等の責任に関する各推定・免責規定を正確に区別する問題です。

ここがポイント

監査等委員会の承認による任務懈怠推定の不適用(423条4項)は、監査等委員でない取締役に限られる。自己のための直接取引は無過失責任(428条1項)、利益相反は任務懈怠推定(423条3項)、競業違反は損害額推定(423条2項)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和5年度(2023年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。