令和5年度 行政書士民法難易度 標準記述式

令和5年度 行政書士試験 問45 記述式・抵当権に基づく物上代位

問題(引用)出典: 一般財団法人 行政書士試験研究センター「令和5年度 行政書士試験 試験問題」問45(原文のまま・無改変)

AがBに対して有する貸金債権の担保として、Bが所有する甲建物(以下「甲」という。)につき抵当権が設定され、設定登記が経由された。当該貸金債権につきBが債務不履行に陥った後、甲が火災によって焼失し、Bの保険会社Cに対する火災保険金債権が発生した。Aがこの保険金に対して優先弁済権を行使するためには、民法の規定および判例に照らし、どのような法的手段によって何をしなければならないか。40 字程度で記述しなさい。

模範解答

Aは物上代位権に基づき、Cが保険金をBに払い渡す前に火災保険金債権を差し押さえなければならない。

採点のポイント

  • 抵当権に基づく物上代位(民法372条・304条)を行使するものであること。
  • 目的物である火災保険金債権を対象とすること。
  • C(第三債務者)が払渡し前に、その債権を差し押さえる必要があること。

解説

抵当権は目的物の滅失により消滅しますが、民法372条が準用する304条により、抵当権の効力は目的物の滅失等によって債務者が受けるべき金銭その他の物に及び、これを物上代位といいます。判例は、火災保険金債権も目的物の価値変形物として物上代位の対象になるとしています。もっとも304条1項ただし書は、抵当権者が物上代位権を行使するには、目的債権が払い渡され又は引き渡される前に差押えをしなければならないと定めています。したがってAは、抵当権に基づく物上代位権を行使し、保険会社Cが保険金をBに払い渡す前に、BのCに対する火災保険金債権を差し押さえる必要があります。

ここがポイント

抵当権の効力は物上代位(民372条・304条)により目的物の価値変形物たる火災保険金債権に及ぶ。行使には、払渡し前にその債権を差し押さえることが要件(304条1項ただし書)。

本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和5年度(2023年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。

解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。