令和5年度 行政書士試験 問5 罷免・解職
罷免・解職に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
肢ごとの解説
- 1誤り
誤りです。比例代表選出議員が当選を失うのは、選挙時の他の名簿届出政党へ移った場合等に限られ(国会法109条の2、公選法)、自発的離党や除名によって直ちに一律に議席を失うわけではありません。「その他の事由」を含めて一律に当選を失うとする点が誤りです。
- 2誤り
誤りです。資格争訟の裁判は各議院が自ら行う権能であり(憲法55条)、両院から選出された国会議員による裁判ではありません。前提に誤りがあり、本肢は妥当でありません。
- 3正しい
正しい記述です。閣議決定は慣例上全員一致によるとされ、衆議院解散の閣議決定に反対する大臣がいる場合、内閣総理大臣はその大臣を任意に罷免して(憲法68条2項)内閣としての意思決定を行うことができます。本肢はこの仕組みを正しく述べています。
- 4誤り
誤りです。最高裁判所裁判官の国民審査は、任命後最初の総選挙時とその後10年経過後の総選挙時に行われますが(憲法79条2項)、長官に任命されたことを理由に「長官として改めて」審査に付される制度はありません。
- 5誤り
誤りです。裁判官の罷免事由は公の弾劾と心身の故障による執務不能の裁判であり、また裁判官の懲戒に「懲戒免職」は含まれません(憲法78条、裁判官分限法は戒告・過料のみ)。「懲戒免職」を前提とする本肢は誤りです。
解説
正解は肢3です。閣議は慣例上全員一致を原則とするため、衆議院解散のように内閣の重要な意思決定で反対する国務大臣がいる場合、内閣総理大臣は憲法68条2項により当該大臣を任意に罷免し、一致を確保したうえで閣議決定を行うことができます。これは内閣の一体性と首相の指導性を支える仕組みとして重要です。肢2は資格争訟の裁判が各議院の権能である点(55条)、肢4は長官就任を理由とする再審査制度が存在しない点、肢5は裁判官の罷免・懲戒に懲戒免職がない点(78条、分限法は戒告・過料のみ)で、それぞれ誤りです。
ここがポイント
閣議は全員一致が慣例。首相は国務大臣を任意に罷免できる(68条2項)ため反対大臣を罷免して全員一致を確保。裁判官の懲戒に免職はない(戒告・過料のみ)。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和5年度(2023年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
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