令和6年度 行政書士試験 問2 訴訟手続の原則
訴訟の手続の原則に関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
肢ごとの解説
- 1正しい
民事訴訟法149条の釈明権の規定どおりで妥当です。裁判長は訴訟関係を明確にするため、当事者に問いを発し立証を促すことができます。
- 2正しい
刑事訴訟法248条の起訴便宜主義そのままで妥当です。犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の状況により、検察官は起訴猶予とすることができます。
- 3誤り
非訟事件手続は職権主義を基調とし、原則として手続は公開されません(非訟事件手続法30条参照)。本肢は「原則公開、申出があれば非公開」とする点で原則と例外が逆転しており妥当ではありません。
- 4正しい
民事訴訟法247条の自由心証主義の規定どおりで妥当です。裁判所は口頭弁論の全趣旨と証拠調べの結果をしん酌し、自由な心証で事実認定を行います。
- 5正しい
刑事訴訟法256条6項の起訴状一本主義の規定どおりで妥当です。予断を生じさせる書類等の添付・引用は禁止されます。
解説
本問は妥当でないものを選ぶ問題です。非訟事件は、私人間の生活関係について裁判所が後見的に関与する手続で、争訟性が弱く職権主義が支配します。憲法82条の裁判の公開原則は、純然たる訴訟事件(対審・判決)に及ぶものであり、非訟事件には当然には適用されません。したがって非訟事件手続は原則非公開であり、「原則公開、申出により非公開」とする肢3が原則と例外を逆にしており妥当でありません。他の肢は、釈明権(民訴149条)、起訴便宜主義(刑訴248条)、自由心証主義(民訴247条)、起訴状一本主義(刑訴256条6項)といずれも条文どおりです。
ここがポイント
非訟事件は職権主義・原則非公開。憲法82条の公開原則は純然たる訴訟事件に及び、非訟には及ばない。
本ページに掲載する問題文・選択肢は、一般財団法人 行政書士試験研究センターが公表する令和6年度(2024年度)行政書士試験の試験問題からの引用です。正解は同機関公表の正答に基づきます。解説・ポイントは自習室比較ナビ編集部が独自に作成したものです。
解説は作成時点(2026-06-07)の法令にもとづく編集部の見解です。法改正により最新の法令と一致しない場合があります。正確性を保証するものではないため、必ず最新の公式情報をご確認ください。